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音楽、タイマン上等

イヤホンで音楽を聴くのって、タイマンやな。みたいなことをふと思った。なんとなくだ。頭が狂っているのではない。今回、わりと、とりとめない。

音楽体験の多様化

YouTubeやニコニコ動画で音楽を投稿すると、みんなで聴くような感覚になる。いわゆる「共有」みたいな感じだ。YouTubeだとコメント欄があり、ニコニコ動画ならコメントが流れてきたり。

ものすごく楽しい。リスナー側としても「共感できてる!」と感じるし、リアルタイム感があって楽しい。いわば "宴会" みたいなものなのかな。

対して、イヤホンで音楽を聴いていると「タイマン」みたいな感覚になる。つまり、作者と自分の一対一。向き合っている。これは "サシ飲み" 感覚。

さて、こちらはどちらも楽しいという結論になる。ワイワイしながらでもいいし、一人ででもいいし。もうそのへんは自由だ。

環境が悪くても楽しくなれる

音楽を聴く環境って大事だと思う。ただぼくの思う「大事」というのは、音響の良し悪しではない。なので、音響議論はヤメテクレ

もちろん、良い音響で聴くのに越したことはない、ただ、そうもいかない。出先でレコードは聴けないし、サブスクやCDを流通させていない方もいる。部屋や家庭の事情もある。なので、結局は、その時々、人それぞれ。

あと、スマホから流す音楽というのも、わりといいなってことに気付いた。もちろん、音質は劣る。ただ、エモい。

洗濯物を干しながら、食器を洗いながら…スピーカーではなく、スマホから直接流す。少しチープ。それがいい。

なぜエモいのか。景色に溶け込むから(だと思う)

向き合っても、情景のひとつでもいい

昔のカセットプレーヤーなどは、当然音質も悪かった。ただそこから流れてくる音楽やラジオは、エモいのだ。あまりカセットプレーヤーで音楽をバリバリ聴いていた世代でもないけれど、なんせエモい。

昔のカセットプレーヤー、低音ちゃんと聴こえない。ベーシストに怒られるかもしれないけれど、それがエモかったりする。ただ、批判が怖い…ぼくはベース大好き人間であるということもちゃんと言っておく。

と少し話はそれたようだが、これもこれ。なんとなくの景色に溶け込むことができるのも、音楽の良いところ。スマホからさらっと流しておいたり、スピーカーから垂れ流していたり。それだけで部屋の空間が彩られる。

イヤホンで聴くとタイマン感、YouTubeやニコニコ動画で聴くとライブ感、垂れ流していると空間。そんな感じのことを考えて音楽を聴いていると、なんだか楽しい。

聴く環境に拘るのはとても良いことだ。レコードの音の良さ、生演奏の空気の振動…音響としてはそれらがベストなのだろう。ただ、音楽はもっと、良い意味で軽はずみに聴いても良いのでは、とも思う。

聴くことに飢える

少し話を横に逸らす。「ボーン・レコード」という言葉をご存知だろうか。以下、引用。

1945年から1989年までの冷戦当時、旧ソビエト連邦のロシアではロックやジャズのレコード販売が禁止されていた。当時のソ連の若者達はレコードを密輸する方法として、使用済みのレントゲンに音楽を焼き付けていた。そんな「ボーン・レコード」と呼ばれる手法を用いてレコードをリリースしているNYのレコードレーベルが登場。

FNMNL

戦時中、どうしても禁じられた音楽を聴きたい若者が、レントゲンに音楽を焼き付けた…それほどまでに音楽を聴きたいのだ。恥ずかしながら音源を聴いたことはないが、ベストな音質ではなかったであろう。

外国の音楽は社会主義にとって非建設的であるとされ、レコードを販売することも演奏することも禁止されていたため、もちろん所持していることがバレれば処罰されてしまうのだが、それでもロックやジャズを聞きたい若者たちの間でこのレントゲンで作られたレコード「ボーン・レコード」が出回った。

FNMNL

どんな環境で聴いても音楽は楽しい。気分を変えてくれる良い娯楽だなぁ。「ボーン・レコード」は興味深い歴史だと思うので、興味ある方は潜ってみてください。

作る側は、拘り抜く

ぼくは当然リスナーでもあるが、ミュージシャンでもある。その立場からすると、音楽を作ることに対して、より一層細かく拘らないといけないと思った。

さらっと聴いてくださる方、本腰入れて聴いてくださる方、なんとなく流れてきたから聴いてくださる方、いろんなシチュエーションが想像される。

ぼく自身も、いろんな環境で音楽を楽しんで、その時の感覚を覚えておきたい。そしてそれを自身の楽曲にも反映させたい。

どんな環境で音楽を聴いてくださるかは強制することではない。ミュージシャンとしては、どんな環境で聴いても楽しんでもらえるような音楽を作らねば…と、云々。

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