パタゴニア②
フィッツロイは「煙を吐く山」」とも言われており、西から吹く激しい風が山頂に当たることで雲が発生しやすい環境にある。
エル・カラファテからエル・チャルテンに向かうには、ルート40を北上する。これは、アルゼンチンのパタゴニア地方を縦断する道で、ステッカーやフラッグがお土産になるほど有名な道だ。
その道を少しの眠気を感じながら、2時間ほど進むとルート40から外れ山に向かって進路を変えた。目の前には、切り立った山がそびえたちついにフィッツロイへ来たのだと気持ちが昂ぶった。
フィッツロイは国立公園に指定されているため、エル・チャルテンに入る前にビジターセンターで環境保護の講習を受ける必要がある。そこで、明日の天気を確認すると「晴」ではあるが雲は出るので、朝焼けがきれいに見えるかは五分五分というところだった。
講習を終え、再びバスに乗り込んだ。
エル・チャルテンに着いて、まずは登山用品を借りるために店を訪れた。
一件目、、
「テントは全部貸し出し中だよ。もしかしたら15時くらいに却って来るかもしれない」
二件目
「昨日貸したので全部だから無いよ。寝袋とガスとクッカーならまだあるけど、どうする?」
三件目
「・・・・・」いない
さて、どうしたものか。とりあえず、おなかがすいたから腹ごしらえすることにした。
こぢんまりとした、パスタ屋さんに入ってボロネーゼを注文した。
食べながら、作戦会議。時間は13時過ぎ。作戦会議の結果。16時までに出発すれば明るい内にテント場までつけるので、また15時にお店を回って借りてから出発することにした。
15時過ぎになり、もう一度3軒回ってみたがテントは無かった。どうしようか。
一人が「雨降らないみたいだし、寝袋借りて行けばいいんじゃない?」
誰も反対することなく、寝袋を借りに行った。
2軒目の店で寝袋とガスとクッカーを借りて、パッキングをし直しフィッツロイに向かって歩きだした。
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この旅がこのメンバーで本当に良かった。
テントが借りられないことを想定していなかった私のアテンドミスだが、そんなことは、気にもしないで、野宿を楽しもうとしている。
旅をたくさんしている人たちだから、いろんなトラブルに襲われているしそれに対処できた人たちだ。そういう経験をしていると、ちょっとのことでは、びくともしない。
それに、だれも責めようともしない。大きな人たちだ。