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「プラットフォーム革命」を読んでみた 後編〜プラットフォームビジネスが直面する課題や将来の展望〜

こんにちは。おなつです。

今回は前回の書いた、「プラットフォーム革命」を読んでみた 前編の続きとなります。

今回はプラットフォームビジネスが直面する課題や将来の展望についてを書いていきます。

▼前回の記事


第5章:ビリオンダラー企業をデザインする

本章では、ビジネスの世界で成功するための秘訣や考え方について説明しています。(ビリオンダラー:10億ドル)

そのために以下の4つの「コア取引をいかにシンプルに提供するか」を大切にしています。
・創造する
・結びつける
・消費する
・対価を支払う

まず、成功したビジネスを作るためには、自分のアイデアを実現する方法を考えることが重要としています。
そのアイデアが実現可能かどうかを考え、それが人々の問題を解決するかどうかを見極めることが大切です。
例えば、Uberはタクシーサービスの改善を目指して生まれました。

次に、顧客のニーズを理解することが不可欠です。顧客のニーズを把握し、それに適したサービスや製品を提供することで、ビジネスは成長します。Appleは、顧客の使いやすさやデザインに焦点を当てた製品を開発し、成功を収めました。

また、リスクを取ることも成功には欠かせません。新しいアイデアやビジネスモデルに挑戦することで、大きな成果を得ることができます。ただし、リスクを取る際には慎重に計画を立てることも必要です。Facebookは大学生向けのSNSとしてスタートし、段階的に拡大していきました。

さらに、常に学び続けることも成功の秘訣です。ビジネスの世界は常に変化していますので、新しい情報や技術を学び、自分のビジネスに活かすことが重要です。Amazonは、顧客のニーズに合わせてサービスを改善し続けています。

自分のアイデアを実現し、顧客のニーズを理解し、リスクを取り、常に学び続けることが、ビリオンダラー企業をデザインする鍵となります。

ソーシャルネットワーキングプラットフォーム「Tinder」

第6章:見える手

本章では、コア取引を実現するためのプラットフォームの4つのコア機能について解説しています。 4つのコア機能とは以下となります。

  1. オーディエンス構築
    消費者とプロディサーをクリティカルマス以上獲得し、流動的なマーケットプレイスを構築する

  2. マッチメーキング
    正しい消費者を正しいプロデューサーと結びつけ、取引と交流を円滑化する

  3. 中核的ツールとサービスの提供
    取引費用を下げ、参入障壁を取り除き、データによって長期的にプラットフォームの価値を高め、コア取引を支援するツールとサービスを構築する

  4. ルールと基準の設定
    どのような行動が許され奨励されるか、どのような行動が禁止され思いとどまるかを定めたガイドラインを作成する

この4つの「見える手」が、ユーザーの行動を左右し、動かしている、著者は述べています。何らかの形で4つの機能を実現してるプラットフォームは成功しているとしています。

サービスマーケットフォームプラットフォーム「Uber」
決済プラットフォーム「Paypal」
コンテンツプラットフォーム「X(旧Twitter)」
サービスマーケットフォームプラットフォーム「Airbnb」

第7章:ネットワークに仕事を任せよう

本章ではネットワークが成長とともに管理が追い付かなければ崩壊することなどが事例とともに紹介されています。

ネットワーク効果は「メトカーフの法則」で、参加者が多いほど便益が増えるものですが、それを放置すると犯罪の温床になりかねません。
※メトカーフの法則とは、「ネットワークの価値は、それに接続する端末や利用者の数の2乗に比例する」という法則

フレンドスターやマイスペースなどのフェイスブック以前に流行したSNSを例にあげ、第6章で述べた4つのコア機能を確保できずにユーザー離れを起こすことになったことを説明しています。
2010年にアンチフェイスブックアプリとまで騒がれたチャットルーレットが変態ユーザーの温床になり失墜したことなど、詳細に記載されています。

"プラットフォーム運営者ではなく、生まれたネットワークやコミュニティーに仕事を任せる"というプラットフォームビジネスならではの観点について解説しています。

Facebookが、当初はハーバード大学の大学生限定で開始 -> アイビーリーグ所属大学に拡大 -> 大学全体から一般開放の流れが書かれており、厳しくコミュニティを制限(ルールと基準の設定)したことにより成功した事例も述べられています。

ソーシャルネットワーキングプラットフォーム「Facebook」

第8章:なぜプラットフォームは失敗するのか、どうすれば失敗を避けられるのか

どんなに良いサービスを作っても、ネットワークに参加する価値がなければそのネットワーク自体の価値がない、ということを4100万ドルを調達してサービス開始後すぐに失敗したプラットフォーム「Color」の事例を通して説明されていました。

参加価値を高める7つの方法として以下が挙げらています。

  1. 大規模な初期投資で安全を確保する 
    「このネットワークは参加しても安全」とプロデューサーへのサインになる

  2.  業界既存者と協力

  3. プロデューサーの仕事をする
    「成功するまで、成功者のふりをしろ」。消費者とプロデューサーを同時に引き込むのではなく、プラットフォーム自身がプロデューサーの役割を果たして消費者を取り込む

  4. 既存のネットワークを利用
    ゼロからネットワークを作るのではなく、すでにあるものを利用する。既存の大きなネットワークに属するユーザーグループを取り込む

  5. 価値の高いユーザー(またはセレブユーザー)を捕まえる
    高価値なユーザーは彼らと交流したいユーザーを取り込む助けになる

  6. プロデューサーと消費者の両方の役割を果たせるユーザーグループをみつける

  7. シングルユーザー・ユーティリティーを提供
    ユーザーに確実に価値をもたらす機能を用意

終わりに

本書はサンプルとなるプラットフォームが多く出されており、その多くが普段から利用もしくは利用経験があるため、構造を理解しやすかったのが特徴でした。

今すぐに起業したい!サービスを立ち上げたい!という熱烈な方だけではなく、プラットフォーム企業に関わっている、関わってはいないけど実際に成功しているプラットフォームの内容について知りたい、なんて方にはぴったりです。

全部を隅から隅まで読み切らずとも、気になる要所を押さえるだけでも理解できたり、発見があったためおすすめの良書です。


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