お団子屋の行列に並んだら、お団子食べれないくらい人生見えてきた
社会人なりたてのうまくいかなさ
23歳の時が人生の中で忘れられない。社会人になって新天地東京で、何者かになりたくて空回りし続けた日々。
スーツ着てネクタイ締めて、まだヒゲを剃る習慣がなくて、つい剃らずに行くと上司に「それでいいと思ってんのか、ヒゲだよ!ヒゲ!」って言われた。驚き。これからはヒゲを毎日剃らなアカンのかい。
明らかに成人して大人になってんだけど、自分でもしっくり来てなかったあの時期。自分が何者なのか分からなさすぎて、自分で自分を認められなくなって、他人から承認されることを極度に求めた。
だから「今後のキャリアは?」「この会社でどうなりたい?」「これからはヒゲを剃るのかい?」未来のこと聞かれても自分の答えはわからない。デザイン思考とか流行ってて仕事に必要かなと思って読んだら「未来から現在を逆算せよ」みたいな言葉が1ページ目にかいてあって、ホント急所直撃した。
僕の未来は何なんだ…なんかものすごい忙しい雰囲気の職場だっただけに、せめて未来から逆算して『現在にその努力必要』という納得感が欲しかった。
でも見えない未来、ズブズブと納得いかない現在が積み重ねられていった。未来、ミライ、みらいどうやったらわかんねん…と、正解探しに明け暮れた。
未来と現在ともうひとつ
休みの日、近所のお団子屋さんが「レモン団子」の看板を掲げて盛況だったので、僕も行列に並んだ。
15分くらいかなぁって思っていると、列がパタリと進まなくなって、みんな前の方を覗いた。店員さんが絶叫している。
「みたらし団子の餡が、レモン団子に付くからぁ!ラップで包みますかぁ〜〜!」
なんか身に覚えのある雰囲気で、一歩踏み出して、一番前のお客さんに近づこうとした時、その人の息遣いだけで全て感じ取った。
「手話通訳せな!」
耳の聞こえない家族と離れて住んで、全く使う場面のなくなった手話。いつぶりだろう。そのお客さんはろう者だった。
行列に戻ろうと思ったら、僕のもともと居た場所がなくなっていた。さっきまで後ろに並んでたおっちゃん、何食わぬ顔で前に詰めてる。そのあとレモン団子食ったんだろうな。何食わぬ顔で。
何食わぬ顔で何かを食うというのはどんな顔だろうと思いつつ、僕は一番うしろに並び直し。「なんだかなぁ〜〜〜」と思ってると、さっきのろう者の方が僕に「さっきはありがとう」といって、お団子をくれた。みたらし団子の方だったけど、もうその瞬間から僕の中で何かが変わっていった。
鳥肌が立って、体がうずくのを感じて、みたらし団子を飲み込めないと思って、食べられなかった。
ものすごい気付きだった。
これまで世間的な正解を自分の正解にしてきた。できれば、そこから逆算して無駄なくスマートにやりたいなって。それがすごいんだなって。
そして、自分が根無し草に思えた23歳。
みたらし団子片手に、莫大な『過去』の存在に気がついた!
自分にはどんな根っこが生えているんだろう?!
とにかく根っこがわからなかった。何が嬉しいとか、何が好きなんだとか。地上にそれっぽく佇んでいる自分じゃなくて、土の下の誰にも見えない自分の根っこ。
それは過去の経験が教えてくれるかもしれないと思った。
これからやろうと思うこと
お団子屋さんでの気づきから両親やその両親(おじい/おばあ)と自分の原体験について収集を繰り返してきました。今は、過去と現在がつながっている感覚があって自信を持って進むことができ、未来について延長線上に捉えることができるようになったと思えます。
機嫌よく生きていくために、自分にはこの方法が合っているんだなと思って、もっと自分を知る機会を作りたいと考えていました。
今回、オトンの押入れから50本あまりの家庭用ビデオカメラで撮影されたテープが見つかり、3ヶ月かかって全てをHDDへダビングしました。
明日届く予定なので、根っこを見つける旅をまた始めようと思います。独りでやっていると、絶対に寂しくなってくるのでnoteで報告記事を書こうと思っています。
応援して頂けるとうれしいです。
目標は、自分の好きなことを答えられるようになることです。
バットとグローブを買います。