【乳酸菌おもしろ解説】第1回:LG21(明治)
はじめに
こんばんは、おなかラクト若井です。
ここから、乳酸菌の連載コーナーを執筆して行こうと思います。
一番初めの記事で、乳酸菌は「株」が最も大事だと申し上げたと思います。しかしながら、消費者の方はどの「株」が良いかを知る術がありません。
なぜなら、薬機法という法律のため、企業は自らの商品と研究成果を結びつけて広告することが出来ません。加えて、薬機法を守った上で比較をしてしまうと、その比較広告が景品表示法上の不当表示に該当してしまう可能性が高いため、優劣を比較することもできません。
企業は、一生懸命研究をしていますが、乳酸菌の市場においては、それを直接的に表現できないのが現状です。その状況を逆手に取った一部の悪質なメーカーが、イメージ広告で匂わせて売上を上げています。
私はそれが許せません。ユーザーとの情報格差を利用して儲けを得ている企業が許せません。科学の冒涜だと思います。なので、微力ながら、私がこのnoteを通じて、”本当に良いもの”を伝えていければと考えています。
第1回:LG21(明治)
記念すべき第1回目に紹介するのは、明治さんの「LG21」です。なかなか良さが伝わらないけど、良い菌なのです!
まずは菌の基本情報です。
通称:LG21 *
菌株名:Lactobacillus Gasseri(ラクトバチルス ガセリ)OLL2716
生死:生菌
有効菌数:10億個以上
主な効果:ピロリ菌の抑制、機能性ディスペプシア(FD)の症状改善
菌株名は、Lactobacillus Gasseri(ラクトバチルス ガセリ)OLL2716という名前ですね。OLLは明示さんの独自番号?のようなので、明示さんが独自に発見した菌のようです。
LG21の一番の特徴は、やはりその効果です!「ピロリ菌の抑制」、「機能性ディスペプシア(FD)の症状改善」という効果を持つ乳酸菌は、知る限り日本ではLG21しか研究されていないのではないでしょうか。
ピロリ菌とは?
ご存じない方のために、ピロリ菌を説明します。
正式名称をヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori) といい、人の胃に生息する細菌です。
大事なので繰り返しますが、「胃」に生息する細菌です。
日本では、現在若い人の感染は多くないと言われていますが、70歳以上では7割を超えており発展途上国並に高い感染率です。これは戦前の生活環境が理由で、特に井戸水が感染源であるとも言われています。
ピロリ菌に感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染したほとんどの人に胃炎がおこります。除菌しない限り、ピロリ菌は胃の中に住み続け、慢性的炎症が続き、がんのリスクが高まります。
ピロリ菌の除菌には医学的なアプローチが一般的ですが、ヨーグルトでピロリ菌を抑制出来ることに着眼し、成果が出たことは素晴らしいです。これこそがLG21の最大の特徴と言えます。
キャッチコピーは「胃で働く乳酸菌」
消費者の方は何ら気にならないキャッチコピーだと思うのですが、私には企業担当者の苦悩がたっぷり詰まったコピーに見えます。
まず前提として、現在の薬機法上、本当に試験で効果があったとしても、「ピロリ菌に効く」や「機能性ディスペプシアに効く」ということを表示することは許されません。
次に、乳酸菌は「大腸」で働くことが一般的です。「胃」ではなく、「大腸」なんです。
以下は、私の勝手な推測になりますが、
乳酸菌の研究者からすると、乳酸菌で「胃」と書いてあるのは違和感でしかないのです。なぜ「大腸」じゃなくて、「胃」なんだ?と思います。
おそらく、直接的な表示が出来ない中で、どうにかして「ピロリ菌」や「FD」に効果があることを伝えるために試行錯誤して考えて、「乳酸菌は普通大腸だけど、胃と書けば、胃で悪さするピロリ菌や胃の不調である機能性ディスペプシアに効くと理解してもらえるのではないか」と考えられて、「胃」で働く乳酸菌というコピーにしたのではないか?と推測いたします。
(明治のLG21の担当者様、もし真相がわかれば教えてください。)
何にせよ、消費者には伝わらないよっっ!!!って突っ込みたくなります。
消費者からしたら胃も小腸も大腸も、「胃腸」で一括りですからね。
こういう発想になってしまうところも、真面目な研究者の方々なんだろうなぁと思い描いてしまいます。
論文評価
論文数 :18報 *
主な効果:「ピロリ菌の抑制」、「機能性ディスペプシア(FD)の症状改善」
代替性 :無し
総合評価:★★★★★
*PubMedにて「OLL2716」等を含む検索に基づく(おなかラクト調べ、検索日:2022年9月17日)
ピロリ菌や機能性ディスペプシアというニッチな領域ではありますが、人間でしっかりとした試験がなされており、日本国内だけで18報という十分な論文数を有しています。
何より、整腸作用とか免疫とか売れそうな領域ではなく、胃に着目して、他の乳酸菌には無い効果を見つけて、有効性を立証したことが素晴らしいです。(売上ありきではなく)人のための研究に投資して、そして、成果が出ているという点と、今も継続しているという点で、満点をつけさせていただきました。
今もなお研究が継続して行われているようなので、今後の研究成果にも期待しています。
LG21ヨーグルトを食べてみました
今回は、「明治プロビオヨーグルトLG21」の最もスタンダードな食べるヨーグルトタイプを食べてみました。まずは商品のスペックから。
商品概要
種類別名称:発酵乳
内容量:112g
無脂乳固形分:9.2%
乳脂肪分:3.0%
原材料名:生乳(国産)、乳製品、砂糖/甘味料(ステビア)
保存方法要:冷蔵(10℃以下)
アレルギー物質:乳成分
小売り希望価格:132円(税別)
配合菌数
記載なし
※過去、機能性表示を行っていた経緯などあるため、おそらく有効菌数の10億個以上はいっていると推測
保健機能食品表示
無し
(さすがにピロリ菌を軽減するなんて認められないですかね)
栄養成分表示1個(112g)あたり
エネルギー:89kcal
たんぱく質:3.8g
脂質 :3.4g
炭水化物 :10.9g
食塩相当量:0.12g
カルシウム:134mg
味わい・食べやすさ(主観)
総合評価:★★★★☆
甘み :★★★★☆
酸味 :★☆☆☆☆
甘味料感:★★☆☆☆
堅さ :★★★☆☆
量 :★★★☆☆
続け易さ:★★★☆☆
食べてみての感想
んーーーーっまい!とても美味しかったです。小学校の時に食べた懐かしいヨーグルトの味と堅さです。
表示にもある通りですが、砂糖が入っている(約10g)ため、甘みを結構感じます。加えてステビアの特有の甘みが感じられます。これはこれである種の完成形と思いますので、あの懐かしい味に仕上げてきた味開発担当者の方はさすがだなと思います。
量も丁度良いです。
原材料も、生乳(国産)、乳製品、砂糖/甘味料(ステビア)だけですので、相当こだわって作られたのだというのがわかります。
合成甘味料ではなく、砂糖と自然甘味料(ステビア)だけで味付けしようと試みているので、本当に健康のことを考えて作ってくれてるんだなと思います。
値段は、青色コンビニで1つ税込143円でした。定価通りですね。ヨーグルトの中ではちょっと高い部類ですが、この研究成果からしたら安い金額と思います。
強いて要望をあげるとしたら、味が美味しい代わりに糖類が多くなっているかな?と思うところくらいです。
しかし、「無添加」タイプという商品も出来ておりますので、甘くなくても大丈夫な方は「無添加」タイプがおすすめです。
まとめ
まだまだお伝え出来ない魅力が多々ありますが、今回はこの辺で。
LG21の最大の特徴は、「胃」=ピロリ菌や機能性ディスペプシアに有効であるということです。
これはLG21ユニークな特徴だと言えます。
ピロリ菌抑制に関しては、比較する乳酸期も他にないので、LG21一択だと思います。
ピロリ菌やFDが気になっている方は、是非お試ししてください。
最後に、、どうでもいい情報ですが、LG21を研究されていた教授はめっちゃイケメンです。(笑)
おなかラクトの記事では、日々皆さんに有益な情報を、腸活・菌活の観点から発信していきます。