3-2-2 「力」が利益を生み、「理想」が人類を救う (教育について)
それでは教育のもう1つ。「知恵」についてお話ししましょう。
つまり、「洗脳」以外に教育が何を教えられるのかですね。
日本の教育のゴール
ゴールについてお話しする前に、まずは現在地を知らなければなりません。今の教育は、一体どこを目指しているのでしょうか。
あなたは答えられますか。
日本の教育基本法では、『教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない』となっています。
これは何でしょう。
ずっと『新しい世界の一冊め』を読んできてくださったみなさまなら、お分かりいただけるのではないでしょうか。
そう。言葉の罠にかかっています。
誰にとっての真理で、誰にとっての正義か全くわかりません。
この文言は「事実」では無く「感情」です。人によって全く変わってきます。
つまり今の教育は、一般常識を学習指導要項の通りに教えているに過ぎないのです。
教育をして、その先に何を目指しているのか、誰も考えていないのです。
ゴールのない教育では幸福に近づけない
けれども、これは古すぎる教育のやり方です。
あなた自身、何のためにやっているのかわからずに勉強をしてはいませんでしょうか。
大学に受かって、良い会社に入れば、老後に楽ができる。そのくらいのイメージでしか勉強をしていないはずです。
それはそうでしょう。
そもそも今の教育において、ゴールがどこかなんて、はっきり決めていないのですから。これが日本の教育による洗脳です。
ただし、これでは現在社会では意味があまりありません。
教育をする以上はもちろん、ズバリ、「全人類の幸福」と「個人の幸福」に近づける方法を教えなくてはなりません。
洗脳から解かれると生きる意味もわからなくなる
あなたが幸福になるためには何が必要なのでしょうか。
勉強して、良い大学に入って、良い会社に入って、ちょうど良い異性と結婚して、それからどうしますか。
将来に対しての不安もあるでしょうし、こうして型にハマって、ただ生きて、ただ死ぬ。
人生の選択肢は、それだけでしょうか。
それで満足ですか。
それで幸せですか。
それで幸せな方は、うまく洗脳にハマっています。
それでいいのです。
ただ、それで幸せでない方で、自分で自分の道を決めることもできない方もたくさんいらっしゃると思うのです。
人間の幸福にとって必要な2つのこと
人間が幸せに生きるには、大事なことが2つあります。
それは、自分自身にとっての幸せとはなんなのかという「理想(ゴール)」と、そのために結果を出し続けられる「力」を持つことです。
その2つが得られない方のために、適当に生きていても社会でそれなりに生きていける「洗脳(常識)」があります。
「洗脳(常識)」は、力が得られない方のために必要なものです。
人が動物のままで、知恵もなく社会で生きようとする時に、その通りにしていれば問題ないよという指針です。
覚えるのも難しくないですが、僕「個人」の意見としては、洗脳の先にある個人ごとの「理想」と「力」は、出来るだけ全員が手に入れていただきたいと思っております。
洗脳も、かかっているうちは幸せだとは思いますがね。
「理想」を手にするには
まずは「理想」についてお話ししましょう。あなたは、「将来何になりたいの」とか、「やりたい事はなんなの」と聞かれたことがあると思います。けれども「正直よくわからない」と思いませんか。
これはなぜかというと、自分に出来ることが何も無いし、世の中にどんな選択肢があるかもよくわからないからです。
どんなゴールがあるのかもわからず、行き方もわからなければ、力のつけようもない、というお話を、第1章『僕たちは、どこに向かって進んでいけば良いのか』でさせていただきました。
人類全体もそうですが、もちろんあなた「個人」も同じです。ゴールがわからず、何も出来なくて、選択肢もわからなければ、そりゃ理想なんてわかりませんよね。
「理想」というゴールは、深い「感情」や、深い「情報」を学び、力をつけ、自分が成長するたびに変化していきます。
つまり、人間の一生とは、自分の「理想」を追い求める旅なのです。
そして、「理想」を追い求めるには、「力」がなくてはなりません。
あなたには、「力」がないから、ただ不安なままで、ただ不満を口にして、ただ人生を過ごしているのです。
個人の幸せを考える時に一番必要なのは、まず「力を得る」ことなのです。
「力」は幸福のために持つ
ただ、「力を得る」といっても、今のシステムで勉強して力をつける事は難しいです。
力をつけるために勉強して、勉強したことで理想を得て、理想のためにさらなる力をつけ、また新しい理想を思い付く。
こういうサイクルで回っていくことで、いずれ自分の幸福を手に入れることができます。
途中で、勉強をしないことが幸福だと思う方もいらっしゃるでしょう。人によってそれぞれ幸福は違うので、それならばそれで良いのです。
幸福のために「理想」を持ち、「理想」のために力を持つのですから、幸福になれれば、力はそれ以上必要ありません。
他人に嫉妬せず、世界に大きな利益を出してくれる力のある方が沢山の税金を払ってくれていることに感謝しさえすれば、それは、お互い尊敬できますし、対等です。
大きなことをやる方は、小さなことをやる時間がありません。小さいところで、少ない人に、密度の濃い喜びを与えることも難しいです。
その部分を、自信を持っておこなってください。
そして、もっと大きなことができる力がついて、さらに理想も変わったら、その時には、もっと大きなことにも挑戦していただき、まだ力のない方の幸福を守ってあげられるようにしましょう。