『今いる場所の外の世界』を知るからこそ、気づけることがある。Meets鳥取@京都開催レポート。
「寒くなりましたね」そう、自然と口からこぼれる11月下旬。今年は何日から地元へ帰省しようか、どこへ行こうか、そんな計画を立てはじめる時期でしょうか。
学校や就職で『県外』へ出た人の多くは、大型連休の年数回しか、地元との接点を考える機会は無いかもしれません。
例えば、地元・地方でも場所に限らず自分らしく働いている人に出会うことが無ければ、いい印象を持たないまま地元を離れたのなら、『卒業後は地方(地元)に行って、就職する』『経験を積んで、いつかUIターン』という選択肢はきっと、浮かびづらいと思います。
『おもしろがろう、鳥取』では、鳥取県外でも鳥取の人のおもしろさや関わる『接点』を知る機会として、今回は、大山の食を楽しめるイベント『DAISEN PARTY』を主催する佐々木正志さんと京都で『地元や地方のおもしろい!を発信』するMeets Localとタッグを組み『Meets鳥取@京都』を開催しました。
「行ってみたいな」と思える人との出会い
オープニングは、Meets Localを運営する藤本さんから。
「『その場所に言ってみたいな』と思えるような人と出会い、楽しさを感じてもらいたいなと思っています」
会場は、京都リサーチパーク町屋スタジオ。多様な人や企業、地域が行き来する京都町家をリノベした施設は、『帰ってきた』ような、ほっと包まれる安心感とあたたかさがありました。
『町家』×『鍋』という組み合わせだからでしょうか。自然と生まれる大家族感の中、参加者全員による自己紹介からイベントははじまりました。
鳥取出身の方が多いのかな…?と思いきや、鳥取出身とそれ以外の方が半々ほど。「現在住んでいる場所以外のところへ移住したいと考えていて」という社会人の方や「鳥取へUターン就職を考えているので、そのきっかけを探しに来た」という鳥取出身の学生さんなど。多様なメンバーが集まったのは、「食」の求心力のおかげかも。
この日はカニ鍋を食べながら。「カンパイ!」を皮切りに、ゲスト・佐々木さんのトークがはじまりました。
はじめまして、“おおやま”との出会い
「いつもオレンジの服を着ていて。“オレンジの人”か“まーしー”と呼ばれています。」
佐々木正志/東京生まれ、鳥取県大山町在住。大山町地域おこし協力隊を一年、個人事業を二年経て、合同会社sunsunto設立。鳥取大山を拠点に観光事業OrangeTrip / 野菜通販OrangeBox 等を展開。2018年クラウドファンディングにて、チーム一丸となり335万円を資金調達し、泊まれる芝畑「トマシバ」を開始。シェアオフィス「シゴト場カケル」もチームで運営。
今朝、水揚げされたばかりの松葉ガニ・親ガニと大山町産の野菜をたっぷり持ってきてくれた、東京出身のまーしー。中国地方の名峰・大山との出会いは、偶然のことでした。
まーしー:「大学卒業後は、広告代理店に勤務していました。ボランティアで廃校を旅館にするプロジェクトに参加していて、旅館が完成したあと、ウェブサイトで旅館で働く人を募集していたんです。情報を拡散しよう…とサイトを見たら、たまたまそのひとつ下に『大山町の観光プロデューサー募集』という記事があって。
はじめは“おおやま”と読んでいたくらいなんですが、直感的にこれだ!と思ったんです。その週末に飛行機を取って、しかも残り1席、プレミアムクラス片道4万円のチケットしか残ってなかったんですよ」
なんとも偶然、運命?のような出会いから、大山町へ。都市で暮らし、学生時代には日本全国を自転車で巡り、地方の景色をたくさん見てきたまーしー。「大山町は海から山までがあり、田舎のよさがギュッと詰まっている」と魅了された理由を話してくれました。
暮らしに触れる
地方には仕事がない。とは、よく聞かれる話。もっと掘り下げて言えば『都市と同じような仕事の種類・条件の仕事がない』と感じている人が多いのではないでしょうか。
例えば、Webデザイナー、メディア編集者、コンサルタント...といった仕事は、どちらかと言えば少ないことは事実です。
でも本当に、仕事はないのでしょうか...?まーしーは『暮らしに触れる』をテーマに、個人と自身が代表を務める会社(sunsunto)で仕事を行い、そのひとつに『クラウドファンディングのクリエイティブサポート』があります。
「地方では、デザインや動画制作などのクリエイティブが不足している。チームで取り組んで、そのハードルを下げたい」と活動の背景を聞くと、仕事が無い・少ないことは不便でもあれば、仕事を創り出す“機会”にもなる。そう強く思わされます。
▼まーしーの活動の一部をご紹介▼
【個人としての仕事】
Orange Trip:暮らすひとが届ける観光プログラム
Orange Box:暮らしを届ける野菜通販
【会社としての仕事】
トマシバ:泊まれる芝畑
シゴト場カケル:鳥取大山のクリエイターや個人が集うしごと場
クリエイティブサポート:
Readyforのパートナーとして、クラウドファンディング実施時のグラフィック、動画、チラシ…などクリエイティブの制作を達成報酬型でサポート。
“おもしろがる”人に、人は集まる。
続いて、学生人材バンク中川から、
「おもしろがる人のところへ、人が集まる」
と、鳥取県内外をつなぐ20年近い活動内容や成果、地域との関わり方...など、鳥取のことやプロジェクトについてご紹介いたしました。
交流は、カニを食べながら
ここでお待ちかね。カニの登場です。
カニの登場に静まる会場。発言が少ないので、写真中心でお送りしました。
食べ終わるにつれ「インバウンド関係の仕事をしています。どのように地方で仕事をつくっていったんですか?」「鳥取にはどのような会社がありますか?」と気づけば時計は21時30分。終了時間を30分もオーバーするほど、各テーブルで話が弾んでいました。
「せっかくなので、最後は全員で一言ずつ感想を共有しましょう」と藤本さんの提案で、この場に参加して感じたこと、鳥取に関わるための提案を一人ずつ共有しました。
参加者:「地域内の人がいくら『こんなに素敵なんです!』と言っても、外の人からすると、地域に関わる最初の一歩にハードルの高さを感じていました。でも『食』があることで参加しやすかったです。外の人が関わる切り口に『食』はとても大事だと思います」
参加者:「『食』があるおかげで、とても参加しやすかったです。結果として鳥取の話しを聞くことが出来て、大山にとても興味を持ちました。行ってみたいです!」
*
まーしーの話を聞いて、重なったことがあります。世界100ヶ国をめぐり、先日結婚して話題になった鳥取出身タレントのイモトアヤコさんのインタビュー記事です。
「地元の鳥取が改めて好きになりました。帰ると、自然も含めて『あぁ、いい』って思うんですよね。地元は大山があって、日本海に近い。あんなに山と海が近い場所ってなかなかないんだなと思います。鳥取から東京に出てきた時より、東京から『イッテQ!』で世界を回り出してからの方が、より鳥取を好きになった気がします。 世界をいろいろ見てみて、外から見れば見るほど中がすごく好きになる。やっぱり出てみないとわかんないんだなあって思いましたね」
引用先:100カ国行ったイモトアヤコだから分かる「世界の変化」とは
鳥取出身、世界を巡り、外から鳥取の良さを知る。
東京出身、地方を巡り、中から鳥取の良さを語る。
たどり着き方は違えど、『今いる場所の外の世界』を知るからこそ気づく『良さ』があります。
『おもしろがろう、鳥取』では、今、『鳥取県外』にいる人へ、県外にいても人や地域のおもしろさを体感するイベントや地域に触れる観光、ボランティアなど、県外に住んでいても、鳥取の人やコトと関わる接点を紹介していきたいなと思います。
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撮影・執筆:藤吉 航介
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