Omotenaインターンシップ!京都市観光協会堀江様へ取材しました!vol.2
こんにちは!京都産業大学の久山、石黒、北、川島です!
私たちは今、Omotenaのインターンシップ生として活動をしています。
今回は、前回から引き続き、取材内容についてお届けいたします。
取材を受けていただいた方は、京都市観光協会マーケティング課DMO企画マーケティング専門官の堀江卓矢様です。
前回の取材記事はこちらから↓
それでは、引き続きをどうぞご覧ください!
旅行者向けオンラインサービス「Omotena」について
学生
「次の質問よろしいでしょうか?私たちは、インターンシップで旅行者向けオンラインサービスであるOmotenaのマーケティングにチャレンジしていますが、京都観光への効果や、堀江さんの率直なご意見をお聞きしたいと思います」
堀江さん
「はい。もともとこういうC to Cで観光客と地元の人、ユーザー同士で情報交換をできるようにしていく仕組みは、あったほうがいいなとずっと思っていたことなので、これに対応するサービスを開発していただいているというのはすごく良いことだと思っています。可能性を感じます。」
学生
「ありがとうございます!」
堀江さん
「というのも、これまでの何十年の観光業は、旅行会社が旅行商品を作り、観光客は駅や転倒にあるパンフレットをとって電話をかけて予約し、旅行に行くというモデルでした。これだと、観光客は限られた情報のなかで、どうしても目で見てわかりやすいところ、有名なところを選んでしまう傾向があるので、それがオーバーツーリズムの原因の一つにもなってきたとかんがえられます。」
学生
「確かに、有名な観光地を旅行商材としますので、みんな同じところに足を運ぶようになりますね」
堀江さん
「それが必ずしも悪いこととは言いませんが、テレビとか雑誌とかインターネットとかでみんなが知っている場所に行くのではなくて、個人間で、おすすめの場所を教え合っていくようなスタイルが増えていくと、おのずと行き先が分かれて混雑などの問題は解消するんじゃないかと思います。
そのような情報交換が個別にできるような場所をどんどん増やしていくことが、観光課題の解決につながります。」
学生
「個人の関係性の中でのおすすめであれば、有名な観光地だけでなく、京都の色々な場所に分散していく可能性がありますね」
堀江さん
「あと、この手のサービスでは、ネットワーク効果が重要です。旅行者側からするとなるべく多くの地元の人に相談ができるようになって、多様なアドバイスがもらえることが重要です。地元の人からすると、るべく多くのお客さんからの質問が届き、回答できる機会が頻繁にあることが望ましいです。まずは京都からサービスを始めるということですが、なるべく多くのエリアでサービスが展開できるかどうかが重要です。」
学生
「旅行者側も、旅先のアドバイスをする側も、ユーザー数を増やすことですね。」
堀江さん
「フェイスブックやツイッターも同じですよね。これらのサービスは、特定の地域だけではなく、世界で使われているから成功しています。」
堀江さん
「あとは、アプリ内でのポイント付与の仕組みが機能するかどうかも気になります。僕も似たようなことを考えたことがありますが、一筋縄ではいきません。なのでYahoo知恵袋みたいに、オープンなプラットフォームをつくって、ポイントは付与せずに、なるべくユーザーの自発性に任せて情報交換をしてもらうほうが実現性は高いかなと思っていました。」
学生
「堀江さんも考えていたのですね!」
堀江さん
「ただし、オープンなプラットフォーム運営を行う場合は、リスクが伴います。なので、Omotenaのようにある程度クローズドなサービスであることの
優位性もあると思います。その分、ユーザーの審査も大変だと思いますが、うまくいくことを期待しています。」
京都の隠れざる穴場スポットにいきたい方へOmotenaを使ってもらうには?
学生
「ありがとうございます!課題については、私たちも考えていきたいと思います!次の質問にうつりたいと思います。このOmotenaは、京都に何回も観光に来ていて、京都の穴場的なところを求める層が使うと考えていました。事前学習として調べたデータでは、観光客の13%が穴場を求める人たちでした。そういう人たちに使ってもらいたいと考えているのですが、穴場を求める層の特徴などあれば教えていただきたいと思います。」
堀江さん
「一般論かもしれないですが、比較的シニアの人が多くなると思います。当然、年を取るほど入洛経験が多くなるので、穴場を探す傾向が強くなります。ただ、そういう人ほどOmotenaのようなサービスになれていないというジレンマがあるかもしれないですね。」
学生
「たしかに、以前私達の事前学習で調べたことで、京都に訪れた人の中でも2回以上来ている人のほとんどがシニア世代でした。」
堀江さん
「あと、穴場と言っても、マニアックな場所に行くことだけが穴場とは限りません。たとえば有名な清水寺であっても、朝6時にいけば空いていて、ある意味穴場なんですよね。そういう穴場観光をしている人もいると思います。」
学生
「確かに、穴場という定義は、場所だけとかではなくて時間っていう見方も考えた方がいいですね。」
堀江さん
「季節の観点もありますね。そういう穴場観光の提案をしたときに、比較的受け入れてくれやすいのは、平日も休みがあるシニアの人たちです。あともしくは一人旅であったり、学生なども。逆に小さい子供がいて家族旅行する世代は、基本的に土日が休みで、子どもが起きている時間じゃないと出かけられないので、混んでいると分かっていても、昼間に行くしかないということもあります。穴場を求める人の特徴が何かを考えるよりも、穴場に誘導したときに、ついてきてくれる人はどんな人なのかということから考えていくほうが良いかもしれません。」
学生
「ついてきてくれる人は誰なのかということですね」
堀江さん
「とはいえはじめから穴場に行きたいと思っているユーザーは稀です。まずは、ターゲットにしている人たちが、普段抱えているニーズに応えるようなサービスを提供しないと、絶対使ってくれません。ニーズに応えるサービスの延長線上で、結果的に穴場に誘導されていた、という体験を作る必要があります。はなから穴場に行きたいでしょ、教えてあげるよというスタンスで臨むと、失敗すると思います。ファミリー層を穴場へ誘導したいとかなら、ファミリー層が普段何に悩んでいるかっていうところから逆算していくことです。たとえば、子供が言うこと聞かないからどうしたらいいかみたいな悩みが多いのであれば、京都市内で子育てしているコーディネーターをたくさん用意して子供連れて行っても安心して遊べるところを提案できるノウハウを増やし、提案する過ごし方が結果的に穴場観光になっているのが理想です。」
学生
「なるほどです。私たち学生も旅行に行く時に必ず悩みなどもあると思います」
堀江さん
「若年層は普段何に悩むんでしょうか。彼女に喜んでもらえるデートスポットとかも一つ考えられますよね。割とリーズナブルだけど雰囲気のあるディナーができる場所とかでしょうか。地元の学生がよくデートで使っている場所とかは聞きたいかもしれないですね。自分が違うの地域の学生だったら普通に調べていくより地元の学生が行っているところとか。そういう提案が、結果的に観光客の分散化につながりそうですよね。」
学生
「初めから穴場で考えるのではなくて多くの人の需要にこたえられるように広げていくってことですね。」
以上が第2回目の取材内容でした。
Omotenaについて、とても詳しくお話しいただき、私たちもとても勉強になりました。
次回がラストとなります。ぜひお楽しみにしてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?