第1回国勢調査のポスターがおもしろい
国勢調査は5年に1度、西暦年の末尾が0の年と5の年に行われます。去年2020年がその年に当たりますが、オンラインで回答できるようになったのはそのときが初めてです。私もその際に初めてオンラインで回答しました。
日本で国勢調査が始まったのは1920年(大正9年)、今から100年前です。さて、100年前の国勢調査はどんなものだったでしょうか。それが分かる場所があります。総務省統計局の敷地内にある「統計資料館」です。東京都新宿区、実は私の勤務校のすぐ近くです。
そこに展示してある「第1回国勢調査」のポスターがおもしろいのです。なにがおもしろいって、ほとんどの漢字に「ふりがなみたいなもの」が振ってあります。「みたいなもの」というのは、「読み方」を振っているのではなくて、「意味をわかりやすく」振っているのです。
上左のポスターから見出しを除く全文をここに書き写してみましょう。
漢字が読めない人への配慮だったのだろうと思いますが、漢語(=熟語=音読みの言葉)をなるべく使わずに、和語(=やまとことば=訓読みの言葉)を使っているのです。その点がとても新鮮に感じます。現代の感覚からいうと、むしろお洒落なんじゃないかと思います。
もう1つ、右上のポスターから抜粋すると、
もっといきましょう。
左上のポスターでは、
ところで、そのポスターには、
という優しい文面があります。かと思いきや、右上のポスターには、
という厳しい文面もあります。いろんな意味で時代を感じます。
ところで、この記事では上の4つを「ポスター」と呼びましたが、当時はそんな言葉はおそらく無かっただろうと思うのですが、さて、当時は上のようなものを何て呼んでいたのでしょう?
「広告」かなぁと思ったりしましたが、でも漢字が読めない人のために何て「ふりがなみたいなもの」を振るんだろうとまたまた気になって、そうすると「はりがみ」かなぁと思ったり。
一般の見学者がほとんどいないような小さな施設ですが、意外と楽しめました。
※ 実験的に使えるようになった「ルビ機能」をさっそく使ってみました。
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