
哲学対話:練習会に向けて
明日、ダイナミクス・オブ・ダイアログ 主催の「哲学対話:対面実践練習会」に参加する。グループに分けて1日に4ラウンド、そのうちの1ラウンドで自分がファシリテーター(進行役)をやる。それに向けて準備中。ここに書いたことを引っ提げて、哲学対話のファシリテートに臨む。
哲学対話とは?
哲学対話とは「みんなで感性を持ち寄って、あるテーマについてみんなで言葉を繋ぎながら、自分についての理解と他人についての理解を深める活動」のことです。
そこで何が起こるか、何が得られるかは分からない。でもしばしば思いもかけない何かが飛び出してくる。そんな場をみんなで創っていくのが、哲学対話です。
典型的な哲学対話は「数名が円形に座って、みんなが順番に話し、一人が話すときは他の人みんなで聞き、そうやって話を進める」ものですが、自分についての理解と他人についての理解が深まるのであれば、広くとらえて良いのだと私は思います。
そこで何が起こるか、何が得られるかは分かりません。もしかしたら思いもかけない何かが飛び出してくるのが、哲学対話。そんな場をみんなで創っていきましょう。
グランドルール
▷ 新しい気づきは他者の言葉の中にある
┌ 耳で聞く
▷「聞く」には3つの意味がある ┼ 受け入れる
└ 質問する
▷ 詰まっても大丈夫、きっと誰かが繋いでくれる
たくさん羅列するようなことはしたくない。コンパクトにかつ効果的に表明したい。
1つ目と2つ目は、言い方を変えると「対話は聞くことから始まる」、「他人の話をしっかり聞こう」ということです。押し付けがましくなくて、参加者が自ら進んでそうしたくなるような言い方をしたつもり。
3つ目は「失敗を恐れずに、なんとか言葉にしながら、みんなで対話を創っていこう」ということです。
これまでの経験で厄介なのは「喋り続ける人」ですが、そんな人に対しても有効な言い方だと思うのですが、いかがでしょうか?
テーマ
▷「分かる」ってどういうこと?
▷「競争」から「共創」へ
▷「失敗の価値」を言い募る
この3つを提案して、この中からその場でのテーマを1つ決めたいと思っています。
1つ目は、いかにも哲学対話のテーマらしいもの。みなさん安心してくれるんじゃないでしょうか?
2つ目と3つ目は、多くの人がなんとなく感じているであろうことを意識化・言語化して、新しい考え方や価値観を形にしたいという野心に基づく試みです。心意気は「言い募る」です。考え方を先鋭化するのが目的ですから、ちょっと行き過ぎるくらいがちょうどいい。
※ 実はあと1つ、テーマの案を考えました。
▷ AIは共感するか?
参加者のみなさんはこれに興味を示すような気がしますが、実は私はやりにくいなぁと思っています。なぜなら私の中では一応の答えらしきものが出てしまっているからです。私がAIを使ってみて(少なくとも人並みには)「共感してくれている」と思っているからです。一方で「機械が共感するわけがない」と固く信じている(自明だと思っている)人もいそうで、かみ合わないだろうと思ってしまうからです。
対話の進め方
私はファシリテーターという役回りをすることになりますが、私も一人の参加者として対話に加わりたいと思います。
一参加者としての私に大切なことは、しっかり聞くことです。「新しい視点は他者の言葉の中にある」をもう一度私自身に言い聞かせて、それでは始めましょう。
これは、普段、学校で高校生とやっている哲学対話と同じスタイルです。
先に挙げたテーマ案のうちで、もし2つ目か3つ目のものに決まったなら、私自身の考えをある程度表明しながら対話の流れを多少誘導しても良いかなと思っています。
というのは、そもそも対話の場は「共創」の場であって、その場に「競争」は似つかわしくないと私は思うからです。対話の場で「失敗を恐れて」いては対話が弾まないのではないかと私は考えるからです。いや、私に限らず、そのように考える人が多いだろうと私が想定するから、いっそのことその場では「共創」と「失敗」の価値を高らかに謳いあげたいと思うのです。
以下、自分用のメモです。
「本質観取」のやり方
① 本質がわかると、どんないいことがある?
(なぜこのテーマで本質観取したいのか)
② さまざまな事例をあげる
(経験から具体的な例を出し合う)
③ 本質的なキーワードを見つける
(すべての事例に共通するキーワードを見つける)
④ 本質を言葉にする
(最も確信をついた言葉で本質を言葉にしてみる)
⑤ ①に答える
(見つけ出した答えが最初の問題意識の答えになっているか)