いいものを先に知る

お酒が好きな人に
「今までで一番美味しかったお酒はなんですか?」と聞くと、覚えてない、飲めればなんでもいいと言った返事を多く受ける。(もちろん、ちゃんとした名前で返事をしてくれる人もたくさんいるのだが)

「普通は、だんだんいいものを、、の順で飲むのがいいんだろうけど、後半になると酔っ払って味も名前も全部忘れちゃうから最初に一番いいもの飲まないと意味ないと思うんだよね」と昨日、この質問をしたお酒が大好きなお姉様に言われた。


いいものを先に知る


これは、私が普段怖がっていることである。
いいものを知るといいもの以上でしか楽しめなくなるから、と思って私はケチケチ生活をしている。

バイト先のしゃぶしゃぶ屋は一人前が8000円〜となっている。

しゃぶ葉の食べ放題ランチを5回ほども楽しめる値段だ。
子供セットなどは特に設けていないため、幼稚園生くらいの子もこの値段のものを食べている。

こんな小さい時にこの値段のものを食べたらどうなっちゃうんだよ・・・と、嫉妬がゆえに「悪い子になってほしい」と期待を込めていつも冷めた目で見てしまう。
(改めて文字にするとひどい話だ)

しかし、この前、銀座のお寿司に連れて行っていただいたおじさんからは、

「若いうちにいいものを食べないと、私みたいにバカ舌になっていいものを食べられなくなりますよ」と言われた。

この方はかなりの偏食で、卵かけご飯を主食とし、コース料理はほぼ残し、寿司に行っても絶対かんぴょう巻きしか頼まないらしい。凝った料理など一切食べない。目の前にどんな食べ物があろうと、「食べたい」とも思えず、無理やり食べたとしても、「美味しい」と思えないようだ。

「安い食べ物で舌が慣れてこれでいいやとなってしまったから、もう何も食べ物を受け入れなくなってしまった。」というのだ。


私としては、若いうちにいいものを食べすぎると舌が肥えてしまうからいいものは立派な大人になってからでいいのでは?と考えていたので、「安いものを食べ続けていると安いものしか食べられなくなる」とはかなりの驚きだった。

高級なものなんて、食べられる機会があるならあればあるだけ食べれるだろうと思っていたのに、必ずしもそうではないのだ。


いいものを知るのは、「お金を持ってから・・・」「定職についてから・・・」と考えて、贅沢やいいものを知らないで今のままずっとケチケチ過ごしていたら、もしかしたら一生このままかもしれない。


デザイン力を身につける本で、「まずは自分自身の衣食住にこだわりを持て」とあった。確かにそうだ。センスがある人、オシャレな人は必ず自分自身の衣食住にこだわりを持っている。


なりたい自分になるために、背伸びすることも大切なのかもしれない。

贅沢は勿体無いのではなく、自己投資。いいものを知らないでいい人になんてなれるはずがない。

と言いつつも、長年のケチケチしすぎた生活習慣を変えるのは難しく、スープストックに行ってみたいと思いつつ、いまだにいけていない。スープに1000円も払うなんてと思っちゃうし、ハンバーガー屋でハンバーガーを食べたいけどつい朝マックの一番安いやつにしちゃうし、納豆も豆腐も安いやつ基準で選んでいる。ケチケチを早く脱出しないと、ケチケチの沼にこのまま落ち続けてなかなか這い上がれなくなってしまうだろう。

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