まい泉のカキフライを買っただけで修学旅行気分を味わえた話
カキフライがずっとずっと食べたかった。
私はフライの中で1番カキフライが大好きだ。
スカスカじゃなく、シジミみたいに小さくなっていなく、肉厚で濃厚なカキフライが食べたい。
いや、もはや、牡蠣は高いのでスカスカでもシジミくらいの大きさでもいいからカキフライがどうしても食べたかった。
思い続けて半年、何度も諦めてきて今日やっと、美味しい美味しいカキフライを食べれた。
しかも、私の永遠の憧れまい泉のカキフライ。
同じ値段で3個パックに入っているスーパーのカキフライでもよかったけど、ここであえてまい泉をチョイスすることで私が人間としてレベルアップできるのではないかと思い決断した。
結論から言うと、もう最高だった。
値段が高く、一つしか買えなかったので、購入時はどうせ一個じゃ足りない。と思っていたけれど、旨味が濃縮されすぎていて、牡蠣もしっかり大きくて一個でも十分に満足できた。親指くらいしかないカキフライ一個で一食満足できるとは。自分自身が1番驚いている。
まだカキフライを食べ終わって5分も経っていない今、21時に揚げ物。だけど幸せすぎて大興奮。興奮状態のまま私とカキフライの短時間の幸せな思い出を残しておこうと思う。
私にとって、そのたった二口のカキフライは、修学旅行のようだった。楽しすぎて一瞬の出来事だけど、濃い時間で、幸せな感情が長続きする。そんな気持ち。
買ってすぐ、ショーケース越しでしか会えなかったカキフライが自分の手元に来て、自分のものとなった瞬間、パックから取り出してすぐ口の中に入れたくなったが、せっかく買ったのだからここは食べ歩きをしてなるべく多くの人にアピールしながら高級カキフライを食べたい。
興奮で震える手と開けたくなる衝動を必死に抑え、人とたくさんすれ違うであろうエスカレーターの上で食べることにした。
しっかり手洗い、アルコールをして準備万端。
エスカレーターに乗ろうと歩いている段階でパックのゴムを取って、乗ってすぐにカキフライを取り出した。この段階ですでに何度も落としそうになっているし、エスカレーターの上で食べるなんて片手塞がって危ないし、そもそも自分自身は止まっているため「食べ歩き」になっていない。
カキフライを落とさないことに意識が向きすぎて、これではカキフライを全力で堪能できない。
「こんなところで食べなければよかった。」とだいぶ後悔したが、カキフライを手に持ってしまった以上、口に入れずに再び戻すという選択肢はもうない。
大きさ的に言えば、一口で全然収まるので、一口で食べようと思ったのだが、せっかくの機会を一口で終わらせてしまっては勿体無いと思い、二口に分けて大正解だった。
私は、モノによって一口の大きさを変えていかなければいけないことを学べた。
学びがある点においても、修学旅行と同じだ。
そして、今回の一番の学びは
食べ物の価値をお腹いっぱいになるか否かだけで考えてはいけない。
ということだ。
本当に自分が食べたいモノ、少なかろうが本当に食べたいモノ、腹満たされないだろうなと見た目では思っても本当に食べたいモノを選ぶべきだと学んだ。
「こんな小さいモノかっても腹満たされないからそれならおにぎりやパンを買った方がいい。」
とか思ってしまうけどそんなことより自分の心が満たされる食べ物選びの方が大切だ。
今回のカキフライは、1つ216円+税。
238円もあればパンが2つも買えるし、カップラーメンでお腹いっぱいになることもできる。
物の価値をお腹いっぱいになるかどうかでしか考えられない私にとって、小さくて高くて主食にならないカキフライを買えたことは大きな快挙なのだ。
閉店間際だったため、割引されていたおかげもあり買えたということが大きな要因でもあるが・・・・。
しかし、238円の80円引きだとしても、結局150円くらいかかってしまう。安くなっていたとしても、お店の閉店間際ということで他のものも割引されていたので他にお腹いっぱいになるものを買ってもいいはずだ。そんな中でカキフライを選べた自分に大きな拍手を送りたい。
今までの私は、まい泉のカキフライを見るたび、食べたくてたまらなくなるが、しかし、「こんな小さい一個だしなぁ。」と思い、悲しい顔で店員さんを見て去ることしかできなかった経験が何度も何度もある。
そしてカキフライを目にした日は毎回毎回、帰る時の電車の中でも、家に着いてからのお風呂も、寝る前寸前までカキフライに思いを馳せていた。忘れれなかった。買えばよかったといつも後悔した。
なんでも高いものばかりで舌が慣れてしまうのも嫌だが、安さや大きさにばかりとらわれず、たまにはいいものをゆっくり、その分たくさん口の中、体全身で堪能して食べるのもとても素晴らしいし、満足する食事になると学んだ。
私とまい泉のカキフライの旅はこれで終わった。たくさん学ばせてくれてありがとう。