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Flowersはいいぞ(switch版ネタバレなし感想)

  初投稿です。幼少期に自分でプレイできない百合ゲーの感想記事を読むのが好きだったので、自分でも書いてみたいとずっと思っていました。

  今回書かせていただくのは任天堂switch版のflowers四季のクリア感想でこのゲームの良さと、switch君のノベルゲーム再生機器としてのポテンシャルについて語っていきたいと思っています。読んだ人にもプレイしてほしいのでネタバレは無しですが、何の事前情報なしでプレイしても楽しいゲームなので、百合ゲーが好きならぜひ買ってプレイしてください。switchとPS4で販売しているflowers四季は、2014年から順次発売していたflowersの春、夏、秋、冬の四部作が全部プレイできてお得です。

(残念ながらPC版は無く、今回お勧めするのはswitch版)

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   値段は私が買ったダウンロード版でも7000円以上はしますが、4作品分なので、早回しでやっても40時間分ぐらいのボリュームがあるのはノベルゲーとしては凄くお得だと思う。しかも文句なしのフルボイスに歌唱パートまである!!

(googleで検索したらトップで20時間弱とか出てきましたが、4部作を一通りプレイしてる人じゃないとそうはならないのでご安心を、私は60時間はプレイしたし)


 分類としては百合系ミステリー作品で、閉鎖的な学院で起こる様々な事件を解決しながら、季節を廻ってゆく。

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 恋愛要素の強い作品ではあるものの、ギャルゲーではないため、攻略対象は基本的にメインヒロインで固定になっている。選択肢で主人公の意中の相手が変わることは基本的にない。IFルートとしてのサブヒロインルートもあるが、あくまでも非トゥルーエンドの一つという扱いで、カップリングが明確に決まってるタイプのゲーム。

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画像は春編で恋愛模様を繰り広げる女の子達

 そのため、百合的な展開もルート分岐先で変わるという訳ではなく、共通ルートの時点で爆弾展開が飛んでくる作品でもある。その辺はいい感じにミステリー要素とかみ合っており、長丁場の作品でありながら退屈のしない作品であってくれた。

 CGの数は特筆して多い作品ではないが、作品内での立ち絵表現の幅や表情差分などが多く、文章をひたすら追ってゆく中でアクセントになってくれる。それ以外にも作中劇やバレエパートなど、純粋に見ごたえのあるシーンは多い。

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 こういう漫画的な吹き出し表現をノベルゲームに差し込んでくるのは、なかなかの独自性だと思う。回数はそこまで多くないけどすごく印象的。

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 各章の最初には、グリム童話や日本の民話などを引用した独白パートがあり、キャラごとに個性豊かな解釈を語ってくれたりもする。(好き)

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 本編中にも、「こいつら何歳だよ……」ってなるような、様々な映画、文学作品を引用して話し出すシーンが多い。中学生が持ってていい知識量ではない。(古い作品から引っ張ってくるのもあって筆者的には、8割理解できなかったが、偶に知ってる作品が来ると嬉しい)

 そしてこの作品の一番の特徴ともいえるのが……

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 季節ごとに主人公が変わることである

 この車椅子の女の子が夏編の主人公、春編の恋模様がひと段落つけば、新たな主人公で新たな恋愛模様が展開される。

 ちなみにこの子は、名前を出すだけで春編のネタバレになる???ちゃん

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コンフィグ画面でこの子の名前を見た時は隠しキャラか何かなのかと思った

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 主人公が???ちゃんに変更されることにって、春編で視点を共にしていた白羽蘇芳を第三者視点から見つめ直してゆけるので、飽きずに新鮮な気持ちでプレイしてゆくことができる。

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 視点が変われば地の文の言葉遣いも変わるし、物事への価値観も大きく変わるのは、本作の愉しいポイント。勿論、主人公によって女の好みも違うし、恋愛観も違う。(???ちゃんは結構男っぽい口調を使う)

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 秋編の主人公は、学園の生徒会長的な立ち位置を務める八代譲葉。美人で女の子にモテるタイプの彼女の恋模様はなかなかパンチが効いていて、本作の百合的な一番の盛り上がりポイントだと思う。

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 作品全体としての主人公である白羽蘇芳の人間関係からすこし離れた立ち位置にいる譲葉の恋模様は、特殊な立ち位置であることからもメタ的な展開の予想ができないのも佳い。展開や結果が読めないというのは好奇心をかき立ててくれた。一番プレイしてほしい季節(春編夏編があってこその秋編なので全部プレイしてほしい)

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 冬編は何を話してもネタバレなので触れないけど、ミステリー要素的な盛り上がりポイントのあるの冬編で、これまたパンチの効いた展開をお出ししてくれる。怖い

 なかなか個性豊かな四部作で構成された本作は、なかなかボリューミーな作品であり、全部プレイしたら少なく見積もっても40時間ぐらいはかかるため結構大変だと思うが、百合好きなら後悔はしないのでぜひプレイしてほしい。百合作品の入門編としてもお勧めできる。勿論このゲームにも手放しに評価できない点もあるがそれを込みでもプレイしてみて欲しいというのが筆者の願いである。(春編の謎解きが異様に難解だが、夏編以降では改善されている。)

 百合作品は名作であっても短命な作品が多いため、ここまでボリューム感のある作品はそうそうないというのが現状である。この作品に触れていられた時間は筆者的にも充実した時間だったので、頼むから続編を出して欲しい。(可能性はあるので)

 ここまで触れてきた内容はまあ私個人の主観と贔屓の混じったものであるし、プレイした人によって評価はそれぞれなんだけど、flowers君には手放しで絶賛できる評価ポイントがありまして……

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 充実したコンフィグ画面!!

 操作設定画面が凝ってる作品は名作という言葉があるが、私は結構当たっていると思っている。製作者さんが、「実際に操作するプレイヤーに対してどれほど気遣いをしてくれているか」というのが見て取れる部分であるからだ。

 正直こんなに設定画面が充実していても、弄りたくなるところはあまり多くはない訳だが、一つ便利な設定があって、ボイス再生を、「停止しない」に設定し直すのを私はオススメする。

 そうすると、キャラのセリフの再生中にページ送りしてしまった場合でも、次のページが地の文な停止せずに再生してくれるようになるため、2週目とか多少読み飛ばししながら読んでいる際であっても、セリフを聞きながらプレイできるし、普通にプレイしていてもセリフの語尾だけぶつ切りになってしまうという、ソシャゲのストーリー再生とかでありがちな現象から解放されるからだ。これだけでも相当ストレスフリーになる。

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 勿論ログ機能もあるし、セリフを聞き逃したとしても、遡ってボイス再生をできるのだが、正直ログ機能を使うことはほとんどないだろう。

 その理由として

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とても便利な巻き戻し機能があるからだ

 画像みたいに前の選択肢まで巻き戻せるのはもちろんのことLボタンを押すだけで1ページ前の画面にすぐ戻ることができるのだ。この機能は単純ながらも感動的なまでに便利な機能で、つい大事なシーンを飛ばしてしまった際でも、Lボタン一つでなんのストレスもなくページ調整をできるのだ、全てのノベルゲームで採用してほしい機能である。

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 好きなセリフを保存できる謎機能まである(結構便利)


 また、結構長丁場なプレイ時間になる本作において、任天堂スイッチというハードウェアは相性が素晴らしく、起動が早い、スリープモードにできる、寝転んでできる、片手で操作できると、快適な要素がてんこ盛りだ

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 しかもスクショも片手間に取り放題なのも素晴らしく、気に入った場面を手癖で保存していった結果1500枚にも及ぶスクショを取ってしまっていた。(このnoteを書こうと思った要因でもある)

 過去に「屋上の百合霊さん」という百合ゲーム(神ゲー)を20時間以上かけてプレイした際、首と肩を致命的に痛めながらプレイした私としては、すごくありがたく感じた。2019年11月という中々最近に発売されたノベルゲームであるという本作の利点が発揮されていて、最新の操作性の素晴らしさを存分に発揮してくれている。任天堂スイッチはノベルゲームとめっちゃ相性がいいと思う。百合ゲー100本ぐらい発売してほしい。

 それと2019年の6月に発売した某百合ゲームはflowersの爪の垢を煎じて飲んでほしい、ストーリーがそれなりに良くても操作性が地獄すぎた……

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  小説版がよかっただけに残念(続編出てほしいのに)


 まだまだ書き足りないという心境ですが、ネタバレ無しの範囲で済ませたいのでこの辺で締めさせて頂きます。

 気が向いたらネタバレ全開の感想も書くかもし知れないのでその時は宜しくお願い致します。


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