【感想】あらばしり 1話

わたしはお酒を積極的に飲まない。年に一度くらい飲んだりはするが、これといった感想は出てこない。そんな舌のせいか、ワインや日本酒の味を言語化したコメントは基本的に信用していない。どんなにフルーティーって言ったって、お酒なのだ。ワインはワインであって、ウェルチではない。
しかし、本当にそんな味がするのかと気にはなっている。一口飲んで、そんなに言葉が溢れてくるものなのだろうか。教えてくれ。

というわけで、ただいま絶賛行きたいお店がある。
都会の外れに佇む、看板のない店。「必要としている人にしか見つけられない日本酒店」だ。

日本酒の擬人化ドラマです。
先ほど挙げたお店は、この作品の舞台となる酒屋。古民家風で、一見したら酒屋とは想像し難い。営むのは伊藤吟(いとう・ぎん)という名の若い男性で、演じるのはTHE RAMPAGEのパフォーマー・藤原樹さん(ものすごい猫好き)です。
擬人化ブームに乗っかった漫画をイケメン揃えて実写化しましたという作品ではない……はず……。だって、漫画の原案には日本酒通として知られるEXILEの橘ケンチさんが関わっているし……。

ところで日本酒の擬人化ってどんな感じかなと思ったのですが、吟が客に合った日本酒を選び、何か不思議な力を使うと、一升瓶が成人男性に変身します。なるほど刀剣乱舞方式。ということは、このドラマが大大大ヒットしたら、全国の銘酒を集めて悪の組織と戦う日本酒乱舞というゲームがリリースされるかもしれません。
話が逸れたので戻します。
先述の通りわたしはお酒をほぼ飲まないので、悩んだ時にお酒を飲む発想がありません。でも、何かに悩んだ時バーで物思いに耽ったり、お酒を飲み交わしながら話を聞いてもらったりする描写はよく見かけます。この作品だと、客にぴったりの日本酒を提供し、身も心も開放して自然と笑顔になれるようにしてくれるそうです。

第1話に登場したお酒は「一歩己(いぶき)」。「いっぽおのれ」と読みました、すみません。
福島県にある豊国酒造さんで造られている日本酒だそうです。
仕事でミスをして凹んでいた「ゆり」という女性が1話の客なのですが、ゆりは日本酒に詳しくないはずなのに、一歩己を一口飲んでたちまちに自然の景色を思い浮かべ、「美味しい。遠くまで広がる若草色の水田みたい」と玄人すぎる感想を述べました。
どうしようこのお店、行ってみたいけどハードルが高いな……。
遠くまで広がる若草色の水田なんて、瞬時に思い描けるだろうか……。
わたしの舌では「アッ、美味しいスね、へへ……」が限界です。そもそもそれ以前に「スンマセン日本酒苦手で、烏龍茶あります?」と吟に追い返されそうなことしか言えない気がします。
南アルプスの天然水なら、「南アルプスの雄大な景色が広がります……」と言えるかもしれない。

でもいつか、日本酒をちびちび飲んで夜を過ごす日が来るかもしれません。
その時そばにある銘柄は、一歩己かもしれないし、ドラマでこれから出てくる日本酒かもしれない。はたまた別の日本酒という可能性だってあります。
飲めないけど、知識だけは吸収させていただきます!

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