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250212_R.ワーグナー 歌劇『さまよえるオランダ人』序曲 R.ワーグナー 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第一幕への前奏曲 ほか
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オープニング
ここ数日 喉の炎症が出て 熱出したりして寝込んでなかなか本調子に入れずにおり ちょっと 気合の入るやつ聴いちゃろか
なっちゃんは 中学校のときに 吹奏楽部でホルン吹いてましたんで 少なからず思い入れもあってちょっとアガるはず というわけで 今日は ホルニスト感涙の この音楽から聴いていただこうと思います。
R.ワーグナー 歌劇『さまよえるオランダ人』序曲
カッコよくて力強い動機が曲の冒頭から 弦楽器のトレモロの荒波に翻弄されているシーンで始まる序曲 そのすごくカッコいい ドラマティックな部分が過ぎると こんな可愛らしい音楽が顔を出す
こちらのかわいらしい動機から説明すると 呪われてしまったオランダ人を 助けてくれる音楽 救済の動機
リヒャルト・ワーグナー 『さまよえるオランダ人』序曲
さまよえるオランダ人 というタイトルの オペラの 序曲
いまからこんなオペラはじめますよー っていう オープニングテーマ
「東京ラブストーリー」はじまりますよー ってときに 「ラブ・ストーリーは突然に」みたいな 分けることのできない組み合わせ
そのために書かれた音楽のことを 序曲 僕はいつも 序曲って まぁ種類あるとしても10’くらいで終わりますし 背景に物語がくっついてるから とっつきやすいし わかりやすい ので クラシック音楽何から聴こうかと思ってる方には 序曲のレコード買ってきたらどうですか っておすすめするくらい
冒頭に現れた 弦楽器のトレモロとか 弦楽器が上へ下へと すごく複雑な音階で上下する動きの上で 弦楽器の動きがあるから こう 荒れた海を翻弄されている姿が目に浮かぶ はじめに出てきたあのカッコよく力強い ホルンとファゴットの旋律 あれが「呪われたオランダ人の動機」
主人公のオランダ人は神に呪いの言葉を吐いてしまったために 逆に神に呪われて 死ぬことができなくなってしまって 幽霊船の船長として海をさまよっている というお話
さっきのかわいくてやさしい 救済の動機は オランダ人を愛してくれる女性の動機でもあり 呪われたオランダ人が 許されるためには 7年に一度だけ 彼が 陸地に上がったその時に 彼のことを本当に愛してくれる人間の女性が現れる という条件
陽気な民謡風の音楽 「水夫の合唱の動機」
序曲を通じて 荒れ狂う海の様子。 弦楽器による半音階進行の上昇と下降の繰り返し だいたいのワーグナーの音楽 この 弦楽器の背景がすごく難しく書いてあって ほとんどの弦楽器奏者はワーグナー大好きとは言わない原因になっている どっちが提案するかと言うとやっぱり派手でカッコいい ホルンとか トロンボーンTrumpet 金管楽器の人が演奏したがる演目 ワーグナーに関しては ほとんどの曲を通じて言える
2月13日明日 ワーグナー没日 ということで 今日はワーグナー
10分以上ある序曲だけでお腹いっぱいになりそうな気がすると思うんですけど これがオープニングテーマですから ここからオペラが始まって 休憩入れて全幕でだいたい3時間
それでも日本で上演される有名オペラに ワーグナーは欠かせないし
たぶんファンも多い
R.ワーグナー 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
今ホルンとか ワーグナーが大好きな金管楽器ドカーンっていう感じで聞こえたのが マイスタージンガーの行進の動機
この動機は第3幕 歌合戦のシーンでマイスタージンガーが登場するシーン ワーグナーとホルンと ホルンの演奏家に持たせた新しい楽器とかについても後ほど触れたい
まずニュルンベルクのマイスタージンガー っていう物語について
マイスタージンガー というのは 歌名人 という意味 主人公の旅の騎士ヴァルターはこの街で金細工の親方の娘エーファと出会って 恋に落ちる
お父さんの金細工師は ヴァルターがやってきた その翌日に行われる 歌合戦勝者 うちの娘エーファを 嫁にする そうなるとヴァルターは 歌合戦に勝たないと
エーファに思いを寄せる ヴァルターのライバルも当然登場 どうやって たった一日でこの歌合戦に勝利するか という物語
この話 3幕にわたって展開されて 開演から終演まで 4時間半 かかるとか 新国立劇場の 2021年の公演 休憩をはさんで およそ6時間の公演だった
そんなとんでもない規模の楽劇 彼は普通に オペラ 歌劇 と呼ばれる作品から 自分の作品は総合芸術であって 単なる 音楽を作って物語を上演する歌劇とは ワンランク違うのだよ と 自分の作品を楽劇と呼ばせるようになっていく
だいたいときを同じくして 序曲に関しても 単なる序曲とよぶのを辞めちゃいまして 後半生の作品の序曲は だいたい第1幕への前奏曲 と呼ばせてる 第1幕への前奏曲 という呼び方は 第1幕につながる自然な導入を考えた呼び方で 後期のワーグナー作品では前奏曲と呼ばせているという 『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『パルジファル』あたりでは 序曲と呼ぶよりも第1幕への接続を意識したということか
なので さっき聴いた さまよえるオランダ人は 序曲 今聴いてる ニュルンベルクのマイスタージンガー は 第1幕への前奏曲 と呼ぶのが正しい
ワーグナーの 特に巨大な作品 楽劇 ニーベルングの指輪 たまにこの番組にも話題にだけは出す 演奏し始めてから 歌手が 日によって交代できる環境で 4日 交代できなければ 要するに 続けて2日歌えないっていう演目がある
除夜 ラインの黄金
第1夜 ヴァルキューレ
第2夜 ジークフリート
第3夜 神々の黄昏
の4日間を想定されていて 全部通して聴くのが本来の聴き方
ワーグナーとホルンという観点でいうと この作品のために使われたのが ワグナーチューバ って呼ばれる ワーグナーが この作品のために用意した 特別な楽器 チューバっていう楽器があります だいたいの吹奏楽部で いちばんでっかい ラッパが上むいた形の ちょっと運ぶのイヤだなと思うくらいのサイズ感の楽器 あれがチューバ
それに対してワグナーチューバ ワーグナーはチューバが好きで チューバみたいな形のホルンがほしいとでも思ったのか
実際 チューバは管が太すぎて メロディを奏でるにはちょっと荷が重い よーしそうなったら ニーベルングの指環のために メロディがふけるチューバを作ろう そのチューバは ホルンの吹口 マウスピースをつけて メロディが吹きやすいやつがいいな って考えたと
それで出来たのが ワグナーチューバ これは今も オーケストラでホルンを吹く人が持ち替えて吹く楽器 ホルンと比べると 太い管から太い音が出るので その後の作曲家からも支持されて ワーグナー大好き作曲家の一人 ブルックナーとか ストラヴィンスキーとか リヒャルト・シュトラウスとかにも このワグナーチューバ採用されてる
ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。
『ニーベルングの指環』 第1日 『ワルキューレ』より『ワルキューレの騎行』
有名曲 ワルキューレの騎行
先ほど 演奏するのに 歌手が交代できる体勢で4日間 そのままのメンツでやろうと思ったら2日休みがいるので6日間かかるっていう ニーベルングの指環 っていう曲の話した あの 二日目
除夜 第1夜 第2夜 第3夜 の二日目なので 第1夜 ヴァルキューレ
その第3幕への前奏曲 っていうのが正式なお名前
ワルキューレの騎行 っていう曲名が一般的
運転しながら聴くと スピードを出したくなる音楽だと言われていて
なので FM八女車で聴いてる方は気をつけて
この音楽の カバー 今日はMJR Trio っていう ジャズユニットのカバーを聞いてもらおうと思う このみなさん プロフィールが調べられるところがなくて ベースとドラムとピアノの3人だっていうことくらいしか もしかすると レコードによっては人も交代してるのかもしれない
宇多田ヒカル、竹内まりや、平井堅、一青窈、中島みゆき、槇原敬之、山下達郎などの作品をジャズで演奏したアルバムがある
今日は その謎に満ちた MJR Trioの演奏で ワルキューレの騎行
番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。
オペラ 見たときの感想覚えてないんですけど 5時間も6時間も見て どう思うんだろう 東京ではそれなりに公演も行われてるんですが 福岡に住んでいるっていうだけで もうオペラファンになる条件をすでに削がれている感じは無くもない
で、 ここからの音楽なんですけど
先週 ツィターっていう楽器の 紹介し直しと ツィターは撥弦楽器で 打弦楽器じゃなかったっていう訂正と打弦楽器 ピアノのご先祖はこんなやつ っていうご紹介をした
ちょっと短すぎたかな 今日は 打弦楽器 弦を直接叩いて音を出す楽器 先週は お別れの音楽で聴いていただいた
揚琴 という楽器を演奏なさいます 佐賀県 多久市 に 中国から帰化してお住まいの 趙勇 さんの演奏から
島原の子守唄 / 趙勇 揚琴
旅愁 / 趙勇
赤とんぼ / 趙勇
お別れの曲
ARRIETTY'S SONG / 稲岡大介ハンマーダルシマー & 小場真由美ピアノ