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3年越しの家族写真

茨城県にある水族館でのエピソードです。
大混雑のお正月が終わり、魚たちの泳ぎも心なしかゆったりと見え始めた冬のある寒い日。
私たちのフォトスポットに4人家族のお客様がいらっしゃいました。

「あった! ここだ!」そう言いながら、入口から一直線に走ってきたご姉妹。
「撮影お願いできますか」と少し遅れてご両親も歩いてこられました。
「もちろんですよ! ありがとうございます。ここでは巨大サメオブジェと一緒に記念撮影…」私の説明が終わる前に、ご姉妹は撮影場所へと駆け出していきました。

ご姉妹の、特に妹さま(3歳くらいでしょうか)の高いテンションが印象的でした。
フォトブースに入るなりサメオブジェに抱き着く妹さま。サメ肌をザラザラ撫で始めたかと思えば、今度はバシバシと叩きます。「かたーい! かたーい!」と嬉しそうに笑いながらサメの歯をひっぱろうとしてご両親に止められていました。

これくらいのお子様の場合、怖がってサメに近づけない方も多いので珍しいなと感じつつ、私はシャッターを切りました。

撮影が終わり仕上がりをご確認いただきます。気に入っていただけたようで、ご家族からワッと歓声が上がりました。ご購入は撮影前から決めていらっしゃったようでした。写真を手に小躍りする妹さま。その様子を見て「サメが大好きなんですね」と思わず感想をこぼした私に、お母さまが教えてくださいました。

実は3年前にも一度ここで撮影し、写真を購入されたことがあるそうです。その頃はまだ3人家族、妹さまはちょうどお腹の中にいたのだとか。購入した写真は玄関に飾られ、その後妹さまが無事産まれました。


物心ついた妹さまは、玄関に飾ってある写真が大のお気に入り。自分はお腹の中にいてこの写真には写っていないけど、いつか水族館に行くんだ。サメとみんなで写真を撮るんだ。そして隣に飾るんだ。そう言っていたんだそうです。

念願叶って写真を手に小躍りしている妹さま。テンションの高さに納得がいきました。
「3年ぶりだから、撮影サービスが終わっていたらどうしようかと思ったのですけど。やっていてくれて良かったです」とお母さま。その後「写真も撮ったことだし、さっそく水族館を見て回ろうか」と去っていくご家族の後ろ姿を見送りながら、私は今回の撮影ができたことに深く感謝していました。

もしも今日、私たちの撮影サービスが終わってしまっていたとしたら、ご家族はどんなにがっかりしたことだろう、悲しんだことだろう。

それだけお客様が必要としてくださっていたことに喜びを感じるとともに、この日ご家族の笑顔と想い出を創り出せたことに自信と誇りをもって、これからもアミーゴとして精一杯頑張っていかなくてはという使命感を強く覚えました。

このあと何年経ってもまたリピートしていただけるように。撮影サービスがここに在り続けられるように。いつまでも皆さまの想い出創りのお手伝いをさせていただきたいから。

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