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行き先が決まらない旅③(旅行記編)

2022年6月3日 岡山駅周辺 ホテル

朝4時に目が覚めて
それでも、行き先は決まらなかった。

とりあえず、大浴場に向かい、
誰もいない朝風呂を堪能する。

それでも行き先は決まらない。

ただ、時間は過ぎていく。

5時を過ぎようかというところで、
部屋に戻ってまた転がって、

幾度となく開いた乗換案内をみていると、
7時台だろうが、5時台だろうが、
どこに行くにしても到着時間はそう変わらないことに気づいた。
中継地点で何分まちぼうけするかだけの話だった。

これで焦る必要はなくなった。
7時までのんびりできるぞ。

そんな感じでだらだらとアニメを見たり、
各地の観光情報見たり、
天気予報見たりして。

あっという間に時間はすぎて、

結局、最終目的地を決めることなく、
ただ、山陰か、広島か、
いや、山陰に行こう、ということだけを決め、

6時半からのモーニングビュッフェに一番に突撃して、
たまごかけご飯だけをかっこんで。

7時05分 岡山発 やくも号に乗ったのだった


2022年6月3日 やくも号 車内

とりあえずなのだが、
切符は安来まで購入した。

というのも、出雲に行くにせよ、松江に行くにせよ、
あるいは、境港に行くにせよ、まぁ、いい位置にあるのだ。

どうせなら米子でもよかったのだが、
足立美術館が安来から行くことができるというのも、
一つの理由だった。

そんな風に適当に切符をかって、
のんびり電車に乗って、
わたしは携帯で気になったことを検索しはじめた。

やくも号は50周年を迎えるらしいのだ。

特急「やくも」50周年記念! 381系が国鉄色リバイバル色に…! | 鉄道ホビダス (hobidas.com)

JR西日本「やくも」381系に国鉄色リバイバル編成、上下各2本を運転 | マイナビニュース (mynavi.jp)

伯備線、運転開始50周年の特急「やくも」。
駅のポスターで知ったのだが、2022年は記念すべき年だった。

50年前というと、日本はどんな時代だったのか。

1972年の重大ニュース

Editorial | 時事通信フォト (jijiphoto.jp)

いやいや、すごい年だ。
・沖縄返還
・田中角栄首相
・イタイイタイ病、四日市ぜんそく訴訟
・浅間山荘事件
等々・・・。

こんな年にやくも号は運転を開始した。
そのころ岡山駅から山陽新幹線も運転開始しているので、
中国エリアの電車事情のターニングポイントだったのかもしれない。

こういう、
普段なら思いもよらない世界について考えるのも、
わたしがひとり旅好きの原因の一つだ。
ひたすらこんなことを考えたり調べたりしているので、
もし同伴者がいたらかわいそうなのだ。

さて、
そんな50年走り続けている路線の風景を窓から眺め、
わたしはそろそろ焦りだしていた。

どうするんだ
どこ行くのわたしは。

やくも号が岡山を抜け、山陰地方に入るには時間がそれなりにある。
なので、のんびりと構えていたわけだが、
電車が中盤にさしかかるとそうも言っていられなくなる。

だが、焦りも半分あり、
そして検索疲れもあり、
朝4時起きだったというのもあり、

わたしはここに来て
電車の心地よい揺れを感じながら、
うつらうつらとしはじめた。

まぁ、ようは、
焦りよりも眠気に負けたのである。

(見出しの画像はyk317ss様にお借りしました。感謝!)


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