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【映画】天使にラブソングを2

今年はたくさん映画を見よう!と決意してから2本目に見た映画。
前作である「天使にラブソングを」は私の好きな映画ランキング1位。
何しろ、

★音楽良し
★話のテンポ良し
★最後は皆笑顔で大団円

という親しみやすい要素がたっぷりで、誰にでも薦められるし見たことのある人も多いので話が盛り上がりやすい。
何ならサントラも買った。

ところで、そんなに好きな映画なのに何故続編は見たことがなかったのか。

正直に言うと、怖かったのだ。


私の中で最高!とされる映画の続編で、私の中で息づくデロリス…もとい、シスター・メアリークラレンスを始めとした世界観が壊れてしまうかもしれない可能性が、そこに1ミリでもあるのが。

私もアラフォーになった。
美しきも素晴らしい世界に触れたり、
その反対に腐りきった人と接したり、
それなりに紆余曲折有った。
なんとなく、今なら見られるかもしれない。
思ったのと違ったとしても受け入れられる気がする。
Amazon primeに表示されたタイトルを見てそう思ったが吉日、腹をくくって本作を見てみることに決めた。

話の流れは、ざっくり言うと

破天荒な女性歌手が僧服に身を包み、荒れ果てた高校を音楽の力で廃校の危機から救う

というもの。
後からwikipediaで調べたら、デロリスが救った高校はデロリスの母校だったらしい。

前作でギャングと一騒動終えて、
ベガスで歌手として軌道に乗り始めたデロリスの元に修道院での親友3人が訪ねてくる…という場面から物語は始まる。
さすがに修道院長はベガスには来なかったが、頼み事をするのに電話や手紙で…ではなく直々に会いに来て「頼もうー!!」スタイルなのが今の時代とは違った背景で新鮮だった。

渋るデロリスを何とか説得して再び僧服をまとわせ、シスター・メアリークラレンスとして荒れ果てた高校へ赴任させるくだりは見ててニヤニヤしてしまう。

デロリスという人間は、何だかんだ言って親友の頼みは荒唐無稽でも受け入れてしまうのだ。

生粋の姉御気質というか、デロリスの義に厚いところや途中で見捨てない、決して投げ出さない姿勢に皆惚れ込むのだと思う。


自分もそういう人間になりたい。

引き受けた高校の生徒たちは、学級崩壊といった様子。
個人的に面白いな~と思うのが、学級崩壊しつつも皆制服は着ているという点。日本のヤンキーが出てくる漫画やドラマ、例えば「ごくせん」「ROOKIES」「GTO」なども登場人物(生徒)は学生服だ。

最近めっきりドラマを見ないので世代がバレそうなラインナップではあるけれど、

何だかんだ皆「居場所がほしい」のかもしれないな。

と、自身がオバサンになった今は思う。

不良・ヤンキーにとっての皆が手っ取り早く集う場所=学校なので、学生服を着ていないと学校にいられる資格が無い。というのは彼ら彼女らも薄っすら頭の中にあるのだろう。

皆、悪態をつき好き放題やってはいるが、学校という居場所が無くなるのが怖いのだ。

その恐怖心から制服だけは一応着る。

一丁前な脅し文句や屁理屈を捏ねても、中身は大人(というよりも社会か?)にビビってる子どもの部分がゼロでは無いのかもしれない。

話を作品に戻す。

デロリスが赴任した高校の生徒たちは、荒れてはいたものの音楽のセンスがあった。
休み時間には(授業中もだが)フリースタイルでリリックを刻む。


会話にメロディーやリズムがついているだけで、私が高校生の時の休み時間と本質的には一緒の光景が、そこにはあった。


型に嵌められた教育要綱が彼ら彼女らに合わなかっただけなのだろう。
デロリス以前に音楽を担当していたシスター・メアリーラザラスは元々が厳格な性格だったので、余計に生徒の反発心を煽ってしまったのかもしれない。

かと言って最初からデロリスが受け入れられていたわけでもないが。
(椅子に接着剤を撒かれて、そうとは知らず座ってしまい悲惨な目に遭っていたことも…)

紆余曲折あったが、皆デロリスがアレンジした讃美歌を歌わせてみればどんどんのめり込んでいくのだった。
夢中になれるものと居場所を手に入れられた若者のエネルギーたるや。

彼らは夢と安全基地と、揺るぎない信頼を置けるメンターを獲得出来たのだ。もちろん偶然の産物だけではなく、自分たちが真摯に「歌うこと」を通して「自分」に向き合った結果でもある。

…う、うらやましい~~~!!!!!

やはり見るのがアラフォーになったタイミングで良かった。
誰にも理解してもらえない、安全基地もない。
夢中になれることだけ(部活)があったのが救いだった10代の自分が見たら、羨ましくて再生を止めていたかもしれない。

家が安全基地ではない少女リタは、家庭不和から一時聖歌隊を脱退する。
親の教育方針では「歌では食えない」からだ。
リタ自身は歌が好きで、歌いたくてたまらない。しかし許されない。

夢と現実と親に挟まれて、思わず向き合うことから逃げ出すリタ。
しかし、彼女も最終的には自分自身、親、仲間やシスターたちと向き合って共に歌う道を選ぶのだった。

生徒たちの心をつかみ、聖歌隊を結成して大きなコンクールで歌うことで学校の評判を上げ、廃校の危機から生徒たちを救ったデロリス。
終盤、過去のスキャンダルが理事長にバレてしまい、コンクール当日に出場辞退するか!?という危機もあった。

しかし、デロリスはいつの間にか大人連中の心も掴んでいたようで、疎まれていたはずの彼女は同僚たちの見えないサポートもあって無事にコンクールで生徒たちを歌わせることが出来たのだ。

最後、デロリスが実はシスターではなくベガスのショーガール(しかもギャングの元愛人)という事実が生徒にもバレてしまう。

生徒たちが「シスター、本当はベガスのショーガールなの?」とストレートに問うが、デロリスの返しが格好良すぎたのでそのまま書きたい。


「私はショーガールなんかじゃない。大スターだ。」

あ~~~良いぞ、この最後のすっきり感。言ってやったぜ感。
わかりきっている展開なのに最後まで見てしまうし、求めてしまう。

ハッピーエンドで終わる映画は良い。清々しい気持ちになる。

映画の尺はもう少し長くても良いんじゃないかな?とは思った。
ちょっと人間関係の描写が希薄というか…問題を抱えているのはリタだけじゃないのにな、と。

ただ、満腹で胃もたれするような重厚さよりも、
あくまで映画を「娯楽」として楽しむ分には、余白というかこちらに色々想像させてくれるくらいのほうが丁度よいのかもしれない。

サントラ買っちゃおうかな…

この調子で今年はどんどん映画を見ていこう。

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