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【映画】ジョン・ウィック
大きな仕事を終えた後すぐ、最愛の伴侶を亡くしてしまったら。
私には耐えられる自信が無い。
そして、その伴侶からの「最後の贈り物」を壊されたりしたら。
きっと私も壊した奴を殺しにいくだろうな。
それが叶うかどうかは別として、多分地獄の果てまで追いかける。と思う。
ラッシュアワー楽しかったっす!なんて話を職場でしたら、
「話の導入が結構暗いけど、ガンアクションまじでかっこいいから」
と、おすすめされたのがコチラ。
えぇ、それはもう格好良くて脳が痺れましたとも!!!!
以下、ネタバレ有ります。
愛する妻を病で亡くし、失意に沈む元殺し屋のジョン・ウィック。
そんな彼の元に一匹の犬が届けられる。
亡き妻からの、最後の贈り物だった。
もう、子犬ってだけで無条件にかわいい。頬が緩む。
主演キアヌ・リーブスの子犬を見つめる優しい顔といったら…
しかし、子犬は早々に元上司(ロシアンマフィア)の息子に殺されてしまう。犬の悲鳴が辛い…本当に怖がってるとき、あぁいう声出すよね、犬。
この息子ってのが中々クズで、一気に嫌いになる。
だって車パクる時に、煩いからって理由で犬を殺すんだもの。
息子の親(=元上司)も初動がダメ。
電話したはいいものの、謝罪が1ミリもない。
まぁ、マフィアなので一般常識を持ち込んでも仕方ないか…
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「やられる前に、やる」のが、ロシアンマフィア。
敵がジョンの家に潜入してからは目まぐるしいアクションの連続で、呼吸がついつい置いてけぼり状態に。
銃撃有、格闘有で5分の間にどんだけの人間を始末したのか。
多分10人~20人弱は仕留めているんじゃなかろうか。
さすが、仕事は必ずやり遂げる男。ジョン・ウィック。
そしてジョンが敵を殲滅させたところで出てくるお掃除部隊が、これまた仕事人集団でカッコいい。
洗練された動き。これぞプロ。
こういうシーン、大好物。
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ナイトクラブに潜入したジョンは、クズ息子を探して地下へ。
さすがに多勢に無勢で流血しつつ大乱闘。
この乱闘シーンがもう、本当にカッコイイ。
ナイトクラブが舞台だからバックにEDM流れているのはある意味自然なんだけれど、クラブミュージック+銃撃+アクションの化学変化は初めて見た。
1+1+1=3ではなく、300くらいになっていた。
しかし2Fから突き落とされても銃撃できるとか、不死身か。
どんだけ強いんだジョン・ウィック。
クズ息子を捕り逃し、ズタボロになって根城のホテルへ帰ってくると一息つくまもなく美女とのMMAが始まる。
格闘技が好きな私にはとても眼福だったこのシーン。
特にサイドポジションとってから腕十字に移行する動き、おぉ!!と興奮してしまった。あまりにも滑らかで、オープンフィンガーのグローブが見えた気がしたもの。
銃撃は正確。体術も達人。
無敵か!と思っていたが横から車に跳ねられて意識を失うあたりで「一応、彼も一人の人間。」ということを思い出させてくれる。
そういえば、思い返せば敵に撃たれたり、刺されたり、彼が完全無欠ではないことを観る者に知らしめるシーンは結構あったかもしれない。
強すぎてすぐに忘れてしまうのだが。
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終盤、逃げる元上司に追いつくジョン・ウィック。
カーアクション+銃撃戦は、またも呼吸を忘れる緊迫感。
最後は肉弾戦でケリをつけ、新たな希望を手に入れたジョンは静かにその場を去っていく…という場面で映画は終わる。
暗くて重くて血生臭い空気が漂う全編において、最後の最後に光が一筋差し込んできたのは救いだった。
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この映画のキャッチコピーは
「見惚れるほどの、復讐。」
超人的な強さを持つけれど、人間らしい喪失感や怒りを抱えた主人公が繰り広げる正確で無慈悲な銃撃や殺人術。
子犬を愛おしく撫でたその手が躊躇なく人に向ける、銃口。
そのギャップに最初から最後まで目が離せない。
人がガンガン死んでいくのに、それすら芸術的に魅せる撮り方もすごい。
私に語彙力があれば、この「すごい」を事細かに説明出来るのに。悔しいなぁ。
流血シーンは多く、万人受けする映画では無いかもしれない。
けれど、洗練されたアクションが好きな人には絶対におすすめしたい映画だと思った。
「スーツでキメた男が繰り広げるアクション」は呼吸を忘れるほどカッコイイって、ずっと昔から相場が決まっている。
それにしても、ナイトクラブでの大乱闘シーンはBGMも相まって本当にカッコよかった…サイケデリックな色をした照明の具合も絶妙なのだ。
シリーズ物だからまだまだ彼の活躍が見られることが、とても嬉しい。
次は自分の血を失いすぎないといいね、ジョン。
新たな希望としばしの休息が、どうか彼の救いとならんことを。