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「富裕層女性に刺さる」ブランド戦略【第15回利益を生み出すブランディング】

本記事はエイドリアン・スライウォツキー著「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか」をブランディングに応用した内容となっています。

利益アップにつながらなければブランディングに価値はない。「利益を生み出すマーケティング」というタイトルで、利益につながる実践的なブランディング手法を紹介しています。

第15回は「信頼関係がもたらす巨大なリターン-取引規模利益モデル」に基づいたブランディングを紹介します。

取引規模利益モデルとは、要約すると

①選択と集中により大口顧客との関係性を築き上げる

②最初の契約の扉を開いた時に集中する

という2つで構成されています。これを現代ブランディングに応用して説明します。

富裕層女性の一定セグメントに集中したブランディング

toCビジネスにおいて大口顧客とは富裕層ですが、ここでは特にブランディング的に重要である「富裕層女性」を考えます。今回の取引規模利益モデルを現代ブランディングに応用すると、「富裕層女性の一定セグメントに集中して刺さることができるブランド戦略」を考えることになります。

例えばアパレルブランドの「スナイデル」は女性がなりたい理想像を実現できるイメージを持たせ、著名人を広告塔に用いるなど、港区女子をはじめとしたファッションに多くのお金を使う女性の人気を集めています。

このような富裕層女性の中でも一定のセグメントに愛されるブランド戦略について紹介していきます。

富裕層女性は5つのタイプに分けられる

「第15回利益を生み出すマーケティング」でも言及しましたが、電通が定義した富裕層女性のクラスタリングを紹介します。

・しっとり・大和撫子タイプ

先祖から受けついた資産を守っている場合が多く、堅実で消費意欲は少なく、日本や和な事柄が大好きという特徴があります。教育や家庭のためには、お金をかける傾向があります。

・全力投球・人生謳歌タイプ

自分自身も多く稼ぐキャリアウーマンである場合が多く、仕事も趣味も全力で楽しみ、流行に敏感で、社会貢献意欲も高いのが特徴です。特に教育への熱意が高く、自分と同じかそれ以上の教育を子どもにも受けさせてあげたいと思っています。

・ふんわり・守られタイプ

夫が大きく稼ぐ主婦の場合が多く、「夫のおかげである」という意識をもち、魅力的であり続けないといけないという思いから自分自身にお金をかけるという特徴があります。将来への不安は大きめであるという傾向があります。

・キラキラ・ミーハータイプ

いわゆる「港区女子」もこのタイプに当てはまり、若い世代が多いのが特徴です。ファッションやメイクにお金をかけ、仕事とプライベートのオンオフを大切にし、趣味や娯楽を全力で楽しむ傾向があります。

・無自覚・隠れタイプ

育ちの良いお嬢様タイプの女性で、自分の家がお金持ちであるという認識を持たずに育てられてきた実家暮らしの独身女性の場合が多いです。現状にある程度満足していますが、年齢を重ねるにつれて将来の自分や親に関する不安や悩みを抱える傾向があります。

以上の5つのタイプのどこに刺さるようにブランディング施策を実施するか検討していきましょう。

商品サービスの強みを考える

ここでは商品やサービスの強みとして12個を挙げ、それぞれがどの女性をターゲットにすべきかを紹介します。

・将来にわたって価値を提供し続ける→しっとり・大和撫子タイプ

・購買によって子どもや孫のためになる→しっとり・大和撫子タイプ

・和風な世界観を持つ→しっとり・大和撫子タイプ

・知的で上品である→全力投球・人生謳歌タイプ

・時代の最先端をいっている→全力投球・人生謳歌タイプ

・高級感と清潔感を兼ね備えている→全力投球・人生謳歌タイプ

・自己研磨を促す→ふんわり・守られタイプ

・将来の不安を解決する→ふんわり・守られタイプ

・やわらかな雰囲気を持つ→ふんわり・守られタイプ

・理想的で憧れとなる→キラキラ・ミーハータイプ

・著名人やインフルエンサーを登用できる→キラキラ・ミーハータイプ

・ハイブランド寄りである→キラキラ・ミーハータイプ

・持っていればひと安心と思える→無自覚・隠れタイプ

・自分以外の家族のためになる→無自覚・隠れタイプ

・シンプルさを備えている→無自覚・隠れタイプ

自社ブランドの商品やサービスの強みを一つに絞り、その強みをどのセグメントに刺していけば良いのか検討する際に参考にしてください。

まとめ

今回は取引規模利益モデルに基づいて、富裕層女性に刺さるブランド戦略を解説していきました。

・富裕層女性は5つのタイプに分けられる

・商品サービスの強みを考える

以上の2点から「富裕層女性のどのセグメントをターゲットにするかを検討してブランド戦略を進めていきましょう。

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