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「むらさきでさんかくのりんご」に花丸をあげた話。

皆さん、お元気ですか〜?

あっという間に社会人3ヶ月目に突入しようとしているあこです🍋

そしてそんな今だからこそ、気づいたこと・経験を振り返ったことがあり、備忘録がてら誰かに伝わったら嬉しいなと思い、noteを執筆します。

今回お話ししたい〈教育〉とその背景

現在はIT企業に勤めている私ですが、大学生時代は、本専攻・副専攻とは別に日本語教員課程を履修しながら、家庭教師や日本語クラスのアシスタントティーチャーとして活動していました。

今回は、その日本語家庭教師時代に経験した、生徒とのやりとりから考えた〈教育〉に対する思いを綴っていきます。

〈ステータス〉
 私:子ども好きが転じて日本語家庭教師アルバイト/大学では教育学専攻/日本語教員課程修了
生徒:インターナショナルスクール在学中/人見知り/絵を描くことが好き/日本語は平仮名レベル



「りんごは何色なのか?」

ある日の授業で、りんごを説明する課題をしていました。

当時、生徒の日本語力がとても伸びていたので、簡単すぎるかな?と思いつつも、「りんごは何色?どんな形?」と尋ねると、


「りんごは、むらさき、さんかく!」


と答えられて、咄嗟に「違うよ」と言いそうになりました。

しかし、本当にりんごは紫でも三角でもないのか?否定の言葉を口に出す前に、そもそもの課題の目的を考えてみると、私は日本語家庭教師として、

“りんごが何色なのか”ではなく、色の名前や形容詞を日本語で教えること

が求められています。

であれば、「りんごはむらさき」でも正しい回答になると判断しました。もちろん、目の前に赤いりんごがあって、それを「むらさき」と言われたら指導しますが、当時のその場面では不正解になる理由がないと思ったんです。

red-紫と認識している可能性もあるため、「紫のりんごもいいね!じゃあsnow whiteのりんごは?」と聞いてみると「あか!」と回答。このことから、色と日本語の組み合わせを間違えてるわけではないことが分かります。

ただ、彼女の世界観ではりんごが紫ということなんですよね。

このようにして無意識のうちに《教育》と称し、大人が子どもの世界観を侵略していってるのかもしれないと思いました。

この課題の中では、りんごは赤だって、紫だっていいのに。



「りんごは三角ではないのか?」

「りんごはさんかく」という回答もすごく興味深く、「私は丸だと思ったけど、どうして三角なの~?」と聞いてみると、絵で説明してくれました。笑

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全く問題ないです。

りんごはさんかく。花丸をあげます。

ちなみに、この会話の中で〈丸〉という表現を使うことで、○を三角と認識しているわけではないという生徒の理解度も確認しています。


〈教育〉は常識を押し付けることではない、ということ

この気付き以降、インターナショナルスクールに通う生徒たちにとって、なんのために日本語が必要なのか、どのように生徒の成長にコミットするのか、課題設定とその意図まで熟考しながら家庭教師として勤めました。

なぜこの経験を社会人2ヶ月目の今、突然振り返っているかというと、ちょうど先輩社員と「私の将来像」について話し合った際に、

「あこちゃんはそう考えるんだね、私は〜と考えているよ」

と、私の世界観や価値観を否定せず、むしろ大切にしながら、成長を促進させるためのコミュニケーションをとっていただいて、とても嬉しかったからです。そして、自分もこのコミュニケーションの仕方を忘れずにいたいな、と思い、noteに勢い任せで書き込んだ次第です。笑

自分の考えに引き寄せるのではなく、相手の未来のために自分の知識や経験を提供できる人で在りたいな、と改めて強く感じました。

おーしーまいっ!

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