今年の6月。友人からの誘い。
「最近テニス始めたから大宮も一緒にやろうよ」
スポーツの相手として僕を選んでくれたことが嬉しくて、迷わず誘いを受けることにした。テニスは全くやったことがないけれど、初めてのことに挑戦するのは大好きだ。その代わりというか、飽きるのも早い。まあそれは置いておこう。
赤羽の桐ケ丘体育館での初日。繊細なコントロールが必要なスポーツなんだと直感。軽くさわっただけでどっかへ飛んでいってしまう。2回目、3回目もショートラリー。テニスっぽい位置でラリーをしようとしても数回しか続けられない。4回目あたりでそろそろ(いきなり)試合をやりたくなってきた。しかしどうしてもサーブが入らない。なので、僕に限っては「サーブは手で投げてもOK」というルールを採用。このルールのおかげで一応ゲームらしいことができるようになった。テニスボールは手で投げるとゆっくりとしか飛ばないので相手は容易に打ち返せるようだが、それでも一度、ネットの相手側ギリギリに落ちた僕のハンドサーブを拾えずにサービスエースになったことがある。「ラケットにボールが触れることなく得点する」のは、もしかしたらこれがテニス史上初なのかもしれない。無論、これをテニスと呼ぶのであればだけれど。
以来、練習らしい練習もせずに試合ばかりやっている。2球に1球はサーブが入るようになったし、ときには「おお!!!」と声をあげてしまうようなカッコいいシーンもお互いのプレーのなかに登場するようになった。友人はテニススクールにも通うようになり僕よりも格上だ。3ゲーム先取を5試合やったら、平均して2勝3敗くらい。いや、もうちょっと負けてるかも。いずれにしても、挑むくらいが一番面白いと感じる性分なので相手が強いのは万々歳。
テニスは今日で10回目。"夏の初めに葉山の別荘で御令嬢と出会っちゃうようなテニス感"とは相入れることのない侘しさを味わいながら、埼京線の十条駅から歩いて向かうは北区の中央公園テニスコート。
一応ライトがついてナイターらしくなってきた。小雨のなかでのスポーツなんていつぶりだろう。
遊んだ。帰路。そろそろ経堂駅に到着しそうなので結論。運動はアッパー。サウナは暑い。将棋を指しながら中華を食べるときは指先の油分に注意。
アドレナリン寄りの夕暮れを心置きなく楽しめるのも遊び方を心得た仲間あっての事。有難い。ありがとう。雑なまとめも全部許して、僕はまだ笑いたいんだ。明日もまた生きたいんだ。