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童貞シリーズ

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童貞くんはいつもカノジョがいません。 なので、たくさんの女の人を見てはドキドキしてしまいます。 「あれこの人、僕のこと好きなのでは?」 と勘違いします。妄想のしすぎです。 ショー…
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2022年2月の記事一覧

トイレの子

 僕は持病で、よく腹痛が起こる。

 一度、症状がおきると、トイレをすぐに探さないとヤバい。

 失敗して、大惨事になってしまう。

 真面目な話、成人してからも、何十回と失敗している……。

 家の中ならそりゃキレイにしてしまえば、いいのだけど。

 外出中は本当に困る。

 特にデパートなんかが、一番困る。

 男女差別ではないのだけど、高層ビルのうち、1階が女子トイレのみ、2階が男女トイレ、

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レンタルの子

 僕はオタクだ。

 そして付き合っているカノジョもオタクだ。

 当時、動画サイトで流行っていたアニメを二人で見かけて、ハマッてしまった。

 カノジョに頼まれて、近所のレンタルショップに借りに行くことにした。

 お目当ての作品は、『スクールデ●ズ』

 ネットでも大人気。主人公がボロボロになるのが、おかしくてしかたない。

 お店につくと、しばらくその作品を探すが、なかなか見つからない……。

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バイトの子

 一時期、リサイクルショップでバイトをしていた時だ。

 仕事の内容としては、社員や店長が買い取った商品。主に服や家電が多い。

 それらの汚れなど落として、値札を貼り、棚に設置する。

 働きだして、数ヶ月経った頃。

 

 いつものように、ジーパンに値札を貼りつけていると、店長が僕を呼びつける。

「童貞くん! ちょっといいかな?」

「あ、はい」

 毎日ミスしてたので怒られるのだろうかと

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ナースの人

 20代の前半。

 腹が減れば、とにかく白飯ばかり食べまくっていた。

 多い時なんかは、大盛カップ焼きそばをおかずに白飯3杯も余裕だった。

 なのに、太らず体重は57キロ前後をキープするから恐ろしい。

 母がいないときは、男三兄弟なので、各々が冷蔵庫のあまりものを出して食べる。

 といっても料理は基本しない。

 生卵があれば、それを白ご飯にかけて醤油たして、卵かけごはんのできあがり!

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ナースの人 その2

 前回の続きです。

 まだ入院中の話。

 僕は若かったし、人見知りが激しかった。

 そんなんだから、看護婦さんとも中々うまくコミュニケーションをとれない。

 食事をとれず、点滴ばかりでシャワーやお風呂に入れていなかった。

 クーラーが入っていたとはいえ、真夏だ。

 それなりに汗はかく。

 だから、毎朝ひとりの看護婦さんにこう言われた。

「童貞くん、身体ふこうか?」

 そう言って暖

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当たっちゃう人

 母さんが還暦を迎えたころ、老眼鏡が必需品となった。

 だが、普段はメガネをかけない。

 本を読むときや新聞を読むときぐらいだ。

 だから、よく眼鏡を忘れがちだ。

 肝心なときに「あれどこやったかな?」と言っている。

 あと酔っぱらって、何回か電車に忘れてきたこともある。

 それを見ていた僕は、還暦の誕生日プレゼントはメガネの紐にしようと思った。

 しかし、母さん曰くダサいから好きじ

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バックの人

 とある年の暮れ……。

 僕はカノジョにプレゼントをあげようと考えていた。

 以前からカノジョは「新しいバックが欲しい」と言っていた。

 確かに持っているバックはボロボロだったから、彼氏としてかわいそうだなと思っていた。

 ただ、カノジョのリクエストはなかなかに難しい。

 革製のちょっと大人びたバックが良いなんて言うもんだから、彼氏の僕は探すのに苦労する。

 福岡県民の僕からすると、と

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狂戦士な子

 僕は中学生の時にその漫画と出会った。

『隻眼の狂戦士』

 惜しくも2021年、作者様が亡くなってしまった。

 この世で大好きなマンガベスト3の一つだ。

 中学生時代のころ、僕は主人公にめっちゃハマった。

 身の丈を超えるような大剣を振り回す黒き戦士。

 最高じゃないか。

 その主人公は、夜になるとバケモノに襲われるのだが、他のキャラがそれを心配すると、決まってこういう。

 背を向

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