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トカゲとヤモリ③ ヤモリ編

とりあえずお迎えパートは完結させたい

ヤモリは英語でゲッコー

ヤモリへの憧憬

私は爬虫類が好きだ。特にトカゲやヤモリのような、ドラゴンタイプ!とか恐竜の末裔!みたいな四つ足のヤツらが好きだ。

という、いわば""癖""で私はこんぺいを迎えたのだった。

こんぺいはとてもよいこで、餌は好き嫌いなくバクバク食べるし、温浴でも大人しく歯ブラシされているし、ケージの掃除は少し嫌がるけど暴れないし、トカゲ作法に則って朝はバスキングする。水の中にうんこするが。掃除しやすいからよしとしよう

この模範生のようなトカゲによって私は爬虫類飼いの新入生として門をくぐらせてもらったのだ。非常に世話のしやすい彼を飼っている、ということが経験者としてカウントされるのか分からないところはあるが、一応爬虫類同居ホモサピだ。1年半経った。

そしてこの間、爬虫類の知識が身に付くうち【ラコダクティルス(旧定義)】というヤモリたちに惹かれるようになった。彼らはニューカレドニアに生息するヤモリたちで、ダルもちな体が特徴的。2012年の研究でオウカンミカドヤモリ、マモノミカドヤモリは分類定義から脱退することとなるが、旧定義の4種類はひとつのアイドルグループのように有名だ。全員南国育ちの穏やかな性格、外敵が少ないために人に慣れやすい まさにグループアイドル。ヤモリ界1番人気絶対的スタアはヒョウモントカゲモドキ、ニシアフリカトカゲモドキだが、ラコダクもまた、マニアから根強い人気を得ている。

その中でも圧倒的アイドルセンスを誇るのがオウカンミカドヤモリ、またの名をクレステッドゲッコー(以下クレス)。私は元々ツギオミカドヤモリ(以下ジャイゲコ)推し。宝くじでも当たれば迎えたいと思っているのだが、このクレスもオウカンと言われる目の上から走るヒダヒダが可愛らしいのだ。まつ毛みたい。ジャイゲコと同じくらい迎えたいと思っているヤモリだった。

タイミングと準備と

ある時私はこんぺいの餌を買いにめちゃくちゃ久しぶりに爬虫類倶楽部へ行った。ついでだし〜と私はいつか暮らすジャイゲコのリアルな姿を見たい、と店内を見ることにした。かわいかった。ダルもちの極み。ぅぁぁかわいい〜!!ほんとうにかわいかった。語彙がない。そしてその隣にはクレスたちが沢山いた。

彼らはレオパ程ではないが国内外でブリードが盛んに行われており、様々なモルフ(模様等の細かい区別)の個体を多頭飼う人もいる。クレスならハーレクインというモルフが好みだった私はついつい探してしまった。そして見つけてしまった。ハーレクインの赤ちゃんだった。

爬虫類の不思議なところで、迎えたいな〜とぼんやり思う種が手の届く範囲にいると、急に現実味を帯びてくる。お迎えができるならいつがいいだろうか。やらなければならない事が一通り終わって、生活が落ち着いたら迎えよう。その間給料日が何日でそれまでにこれだけは買って用意しておこう。そしたら幾ら残るからそのお金を来月に回して生体のお金にしよう。家族にはいつ頃相談しよう。など"いきなり黄金伝説"にでも出とるんか、というくらい頭が回る。国家予算とか任されてたらこんな感覚なのかな。

そんなこんなで猫が手遊びする程の素早さでタスクを処理し、官僚も目を剥く完璧な予算を組み立て、あわよくば贅沢に保温器具などボカスカ買えるような(運用費は継続的に稼ぎます)くらいの余剰を生み出してしまったのである。なお、それによってマリアナ・タンス海溝のそこが少しスースーしたのは仕方ない。着なかった布の化石が眠っていたので、業者に引き取ってもらっただけだ。

そして今回も少しづつ備品を集めた。しかし、保温に関してオニプレとクレスでは勝手が違う。店員さんにめちゃくちゃ色々聞いて買った。セカンドオピニオンどころではなかった。トリプル。挙句の果てにはバイト終わりに通い過ぎて店員さんに顔を覚えられてしまった。「そういえばこないだもクレス見てらっしゃいましたよね?クレスならこっちより云々」す、すごい。めちゃくちゃ早口。実はクレスガチ勢だった。ついでに(多分布教だ)ハンドリングもさせてもらった。子どもは元気だ。

はいずる行動力

そしてである。私は決行に移った。バイトではミッションインポッシブルの続編に出ている気持ちでレジを打ち、幼なじみの結婚式に乗り込む気持ちで電車に飛び乗った。お店の周年セールに合わせて購入する予定だったので、他の人に嫁いでしまえばそれ迄。惚れたハーレクインはいないかもしれない、というドキドキもあった。

いた。店に。いた。お店の人はイベント最終日で忙しそうだった。私は床材を買った。ちくしょう、言い損ねた。こんなところでコミュ障を発揮するんじゃあないよ全く。とてもきっと不自然な形でなんとか「クレス見せてもらっていいですか…」と声をかけた。今回は餌食いも見た。やはり元気だ。

「この子にします。」

決まった。かっこいいな私。あれよあれよで今回も書類を書き、コオロギも貰い、袋に入れられ、帰路。途中で観葉植物も買った。今ではお気に入りスポットになっているようだ。

天体と甘味

このクレスは2020年9月産まれ。プロの赤ちゃんだ。モルフはピンストライプハーレクインダルメシアン。詳しくは画像検索してほしい。名前は何にしよう。ハロウィンナイトにブルームーンの日だった。空に関係する名前にしたいな。ハーレクイン から レイン をとり あめ と名付けた。トリックオアトリートにも関係し、天気にも関係し、更に こんぺい 先輩とセットにしても糖類ということで完璧だ。フフフ。
楽しい帰り道だった。朝からアドレナリンどくどくで疲れたけど。

あめちゃんは帰りのパックでうんちをしていた。元気だ。

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