ヤモリの鳴き声
十年ほど前にメキシコを、友人とフリー旅行したことがある。どこの町かは忘れてしまったが(カンクンかもしれない)、ホテルのオーナーが自ら建てたのでは? と思うような、ドアや窓があまりない宿に泊まったことがある。壁は白だった△
夜になって寝ようとすると、キュ、キュ、とも聞こえる、何かの鳴き声がすることに気がついた。何だろうと思った。友人の彼女はヤモリだと思うと言った。え、ヤモリ? 言われてみれば、トカゲっぽいモノを宿の壁で目にしたような気がしてきた△
「ヤモリって鳴くんだよ」初めて知ったことである。そういう、トカゲのような爬虫類系の、彼らが、鳴く…。そうと分かって聞くと、かわいく思えてくるから不思議である。後から知ったと思うが、ヤモリは家守と漢字で書くそうで、家を守ってくれる△
人間にとっての害虫であるクモなどの小さな昆虫を食べてくれ、ヤモリ自体は人間に害をなさないそうである。また人間目線だ。あの外見も人間にとって益ならば、気にはならないのだと肩をすくめる△
存在は知っていたが、日本の家では見たことがなかった。けれど遠い異国で、出会うことが出来た。開放的な作りの宿と土地柄のお陰か。遺跡では大きなトカゲ、イグアナなどがうじゃっといるところを見た。見かけはいかついが、性格は大人しいとかで、確かに彼らは観光客には無関心、岩の上でのんびりとしていた△
数年前に近所の建物の壁で彼らに会った。鳴き声を思い出した。
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これより上は、天声人語のルール(603字/6段落)に沿って書いてみる、に勝手にただ今挑戦しています。お読み下さり、ありがとうございました^^!
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