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トカゲとヤモリ④ 脱皮こばなし
脱皮の神秘
多くの爬虫類、両生類は代謝の一環で脱皮を繰り返す。これは世界共通の認識だ。蛇などはよく、脱皮の皮をお財布に入れて金運アップ!なんて話も聞くし、それをメ〇カリなどで売る同居ホモサピエンスもいる。僅かながらも生命活動で経済を回している。さすが蛇様。
もちろんうちの爬虫類たちも例に漏れず、脱皮をする。しかし、そのサイクルや方法はまるで違う。人間とテングザルくらい違う。
こんぺい先輩ルート
先輩はオニプレートトカゲという種。鱗が1枚1枚独立して生えている(?)のが特徴的かもしれない。表面はワニを想像してもらえればわかりやすい。
彼らは少し特殊な例で、常に鱗がポロポロ落ちる脱皮手法を取っている。これは天敵に掴まれてもうまく滑って逃げられるように対応した、という説が唱えられている。
なのでか知らず、先輩は決して自分から鱗を剥がそうとはしない。私も脱皮まだかな〜とかいう心配もしない。ケージ内に散らばった鱗をこまめに広い集めたり、温浴の際にTシャツが鱗まみれになってちょっと面倒なだけだ。全く、すごく(人間にとっては)いいトカゲだ。幸せになってほしい。
あめちゃんルート
あめちゃんはクレステッドゲッコーというやもりだ。やもりなので、やもり作法に則って壁に張り付くし枝周りをチョロチョロしている。
彼らはごくごく一般的なイメージ通りの脱皮をする。凡そ一定の周期で皮が全身タイツのように浮き上がり、自分自身で剥がす。壁や枝に体を擦り付けたり、手足の皮を口で引っ張って剥いている姿はとてもかわいらしく、やもり道の歴史が感じられる。
件のあめちゃんはまだ生後2か月の赤ちゃん。いくら適切な温湿度を保ったとしても脱皮の度に残った皮を私がふやかし、そっと摘んで取ってあげていた。
しかし人間は考える。あめちゃんの脱皮周期は2週間くらい。ならばその前辺りから温湿度をじわじわ上げていけば良いのではないか。お腹や顔をゴリゴリ擦れるような、流木とは違うゴツゴツ枝を追加導入すればよいのではないか。素早く綺麗な脱皮は健やかな爬虫類の証。ホモサピは素材と暦読みに奔走した。
そして先程、ハンドリングして全身を見たが、皮の残りは全くなかった。大成功!
覆面レスラーのような顔の皮としっぽの1本皮が枝の下に落ちていた。
記念にとっておいたが、翌日にはカラカラのカサカサになっており、うっかりティッシュと間違えて捨ててしまった。