臨時休業を呼ぶ女が考えた秘策とは。
臨時休業に好かれる体質、というのがおそらくこの世に存在するんだと思う。
ふと思い立って、行きたかったお店にご飯を食べに行こうと車に乗ること1時間。
近くに駐車場がないので、コインパーキングに停めてお店に歩く。
腹減った、喉乾いた、そんなことばかり言いながら一歩も二歩も前を歩く夫。
その時、夫の声が聞こえた。
「うみちゃん…(わなわな)」
そのわなわな感は嫌な予感しかない。
入り口の前でわなわなしているときは大体そう。
「臨時休業させていただきます」の貼り紙を見つけた時だった。
頼りにしているGoogle先生も、その日臨時休業してるかどうかまではわからない。
どうあがいてもわたしは、臨時休業に好かれ自然と寄ってくる体質だ。
京都で有名なたまごサンドが食べたくて、真夏の暑い中汗ダラッダラ垂らしながら命懸けで歩いて本家まで行ったらその日がたまたま東京出店の初日で臨時休業だったり、
暑い時臨時休業エピソードはまだまだあるし。
旅行で島に行った時は、怒涛の臨時休業祭りが開催(!?)されていた時もあった。
あの時は、お腹が空いてもう歩けないよ…という状況に陥り、カバンに入れていたちっちゃいお菓子に救われたこともあった。
この前だって、モーニングを食べに行った先でまだオープン時間になっておらず
車の中で時間潰しをしてオープンぴったりにわくわくでいざ入店すると
数日前に営業形態を変えて、モーニングはもうやってないんです…と言われた。
臨時休業だけではなく、そう言うことだって起こってしまう。
そんな体質だから、行く前に公式のホームページをみて、定休日をしっかりと調べて行っているつもりだ。
今日だって、年中無休の文字をきちんと確認した。
まさか、土日の稼ぎ期に、年中無休の飲食店が休むとは思わず…
理由は店内の清掃と書いてあった。
じゃぁ、次に行く時には綺麗でピカピカの店内で美味しいご飯が食べられる。
うん、それはよかった。
そう思っているのはわたしだけで、夫はまだわなわなしていた。
「なんでうみちゃんといるといつもこんなことが起こるん?いっつも臨時休業やん。」
おーーーこわっ。
空腹時って、真の人間性が出てしまうもの。
いや、わなわなするのは勝手だけど、わたしのせいじゃないんだ。こればっかりは。
のっぴきならねぇ、お店の事情なんだから。
GWに沢山働いたからということで、もしかしたら清掃を理由に少しお休みしたいだけなのかもしれない。
年中無休と謳っていたって、そんな日もある。
あまりに早い戻りだったおかげで、コインパーキングに自分達が停めた場所の番号を入れると、0円ですの表示が。
これでまた、料金が発生しようもんなら夫ブチギレ案件。よかった。
0円。臨時休業の神様からのせめてものギフトだった。
帰り道の反省会で夫の提案は、
「今度から、家を出る前にやってますか?の電話をしよう」と言う。
うん…いいと思う、思うんだけどさ。
年中無休のお店に、「もしもし、今日やってますか?」と電話するのは忍びない。
営業中にそんな電話がかかってきたら、わたしなら「えっ?やってますけどなにか?」と返すかもしれない。
だから、ちょっと一捻り。
「今日の営業時間は、ホームページに書いてある通り20時までということでよろしいでしょうか」
どや。この質問ならお店の人も、
そうです、もしくは、いいえ、○○時までです。と自然に教えてくれるだろう。
「お忙しいところ大変申し訳ありませんが、わたしは臨時休業を引いてしまう女なので、今日やってるかやってないか、教えてください」なんて、言う必要はない。
あくまでも自然にさりげなく、お店の営業状況を知れる電話はこれかもしれない!と
思いついたけど、わたしはそもそも電話が苦手だ。
そこまでして行かなくても、だったら近所でいいよと思ってしまう。
だからいつか、空から衛星がキャッチしてネットから臨時休業が知れるそんな便利な機能が出来ないかと願っている。
脳みそが足りないわたしは、頭のいい人たちに託すしかない。
いつかいつかと言っていても、案外すぐ未来の話かもしれないし。
帰り道、食べようと思っていたものと同じようなものが食べられるお店に入る。
駐車場だって完備されていたし、安定のおいしさを知っているお店だ。
結果、人生に無駄なことなんてひとつもないんだ!
と、当たり前のようで当たり前じゃない
そんな再確認ができて有意義な一日だった。
と思ってるのはやっぱりわたしたけで、夫は思い出しわなわなを隣でしているのだった。
結果、今日も平和ってこと。