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今日も今日とて、運貯金。〜月と火星とおにいさん〜

小さなトラブルとは切っても切れない縁だから、少しでもシアワセが続いてしまうと怖くなってしまうのがわたしの性分。

「シアワセ過ぎてこわい」

このセリフはドラマの中の話かと思いきや、実はわたしの生活の中にも生きている言葉だ。

ある日のわたしは、朝から全てがうまくいきすぎていた。

ポイントカードはいつも貯める派。

使うと言っていないのに、貯めた運貯金が勝手におりて来る日もある。


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朝ご飯に食べた2日目のおでんがとてもおいしかった。

欲しかったものを、とても素敵な店員さんに接客してもらって買うことが出来た。

大好きな回転寿司でランチを食べる。

そして、そのお寿司屋さんのガチャガチャが当たり1番欲しかったキャラクターが出た。

行きたかったケーキ屋さんでかわいいケーキをテイクアウト出来た。

前に見た時には売り切れていた100円ショップの商品が、運良く再入荷していた。

何気なく立ち寄ったお店では食べると運気が上がると言われる『大寒たまご』を買うことが出来て
今年の健康運と金運はばっちりって思った。

また食べたいと思っていたお弁当屋さんのお弁当お夕飯にテイクアウトして

コーヒーショップのラテがめちゃくちゃ体に染み渡った時、今日のこれって…

「シアワセ過ぎてこわい」

運貯金体質なわたしの口からはめったにでない言葉が自然と口から出た。


その時、隣にいる夫が一言。

「そういう時大体何か起こるから気を引き締めていかないと」

「わかってる。早く帰ろう。シアワセだけで今日を終えたい」

その日は月と火星がコラボするという天体ショーが見られる日。

車から降りて、空を見上げて探した。

見つけた。
お月様の横に、火星がちょっこり並んでいた。

大満足で車に乗り込もうとドアを開けた…と同時に激しく違和感を覚える。

時すでにお寿司。

「なに!?!?だれ!?!?だれ!!!」と言われるわたし。

「ごっ、ごめんなさいー。まちがえました!ごめんなさい。失礼しました!!!」

と、ドアを閉めた。


なんの迷いもなく
隣の車の助手席のドアを開けてしまったうっかりものは誰だい。わたしだよ。


人間の一生の心拍数は23億回だなんて言われているから

もしかしたら、わたしのせいであのお兄さんの寿命を縮めてしまった可能性も。


わたしも、相手の男性も。


一日寝たくらいじゃ疲れがとれないくらい体力を消耗した。


時を戻そう。
落ち着いて考えればわかる。

運転席の座席は倒れていたし

ナビにはテレビが映っていた。

色が黒ということ以外、全然うちの車ではない。

慎重派のわたしがそんな間違いを犯すわけがないはずだった。


でも、心当たりがある。

朝から全てがうまくいきすぎていた。


その昔、カラオケボックスのドアを間違えて開けたこともある。

あの時のグループの皆さんは
「一曲歌っていけば!?」なんて言ってくれてたけど。

カラオケのノリと、一人で車内でくつろいでいる時のテンションは違う。

「一緒に、街中華の特集みていけば!?」とはならない。

(テレビには中華屋さんが映ってた気がする)


寝転んでくつろいでた運転手さん。 
怖い思いをさせてしまい申し訳ありません。

びっくりしてこぼれ落ちそうだった目ん玉が、こぼれなくて本当によかった。

今回は逆にあのお兄さんに運貯金をちゃりん。
どうか、あのお兄さんにシアワセすぎて怖い明日がやってきますように。
情けは人の為ならずなわたしは、なんてラッキーガール。
(言葉の使い方合ってないだろ)


今日も今日とて、運貯金。
運を貯めて貯めて貯めまくって、いつかでっかい何かの時に貯金をおろすわたしの物語。

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星野うみ。
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