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人も映画も、出くわす、悦び

 酔った。大学同期、1年振りくらいの友人とアメ横付近で飲んでいた。少し早めの16時くらいから19時まで、きっかり3時間。それからそそくさ秋葉原にとった宿に戻って、夕寝を挟んでいたら、もうこんな時刻である。

 ちょっと時を戻そう。今朝、根津の宿を出てから、1日ミスって予約していた映画『ぼくのお日さま』を観るべく、吉祥寺に向かった。駅中のロッカーに荷物を預け、少し時間があったので吉野家でサッと朝食をとり、コーヒーでもどっかで飲もうと思って、ぶらついていた。

 すると、奇跡的に見知ってる人を見つけて、ついつい声をかけてしまった。チャンキー松本さんだ。大山で毎年行われてる芸術祭『イトナミダイセン』の前身となるアーティスト・イン・レジデンスの企画で、大山にいらしていた方。ぼくはたまたまその滞在中、ちょうど大山に拠点を移したタイミングで寝泊まりする場所が同じだった、ただそういっただけのご縁。

 いっしょに温泉に連れていったもらっただけのくせに、街でみつけた嬉しさのあまり、声をかけてしまった。そしたら、ちゃんと覚えてくださっていて、コーヒーまで誘ってもらい、おごってまでもらってしまった。感謝しかない。

 30分ほどの一瞬のひとときだったけど、間違って、映画を予約した意味を噛み締めた。予期せず、ばったり出会う、こういう時間・体験はたまらない。

 その後、しっかり映画を観た。とにかくよかった。

 ちょっとした感想はこんなもんとして、 どんな映画かも下調べせずにとりあえずドタ参的に観て、観る中で少しずつ物語や映画の肝を理解してゆく過程はやっぱりいい。コスパタイパ時代だから「面白さが保証されてないと観たくない」とかそういう言い分はマジでどうでもよく、観るなら観るで面白さは自分で見つけたいし、つまらなかったとしたら、そのつまらなさが面白いものだとしたい(というのは、みうらじゅんさん的発想の受け売りではあるのだけども)。

 さて、映画を観たあとは、吉祥寺滞在パターンとしての武蔵野珈琲に立ち寄り、黙々と映画のことを振り返っていた(この時間が好きだ)。最初に行くようになったのが、20歳のときだったと思うが、今日は(今日だけかもしれないが)スタッフの入れ替わりのようなものを感じた。人が店の雰囲気を固めていくんだなぁと思いながら、甘ったるいウィンナーコーヒーを啜っていた。

 その後は、武蔵野珈琲前後の井の頭公園散歩であるボートを漕げる池のまわりを1周して、ベンチに腰掛け、ボーッとするのがいつものパターン。自然も程よくあって、学生時代の自然不足を補う場所であったことをよく思い出すし、人を観る場所しても楽しい場所だ。今日は路上パフォーマーがいる日ではなかったけど、表現者がちらほらいて、そういう空気感も好みだ。

 公園を後にしてから、かるくカフェで作業して、そのまま秋葉原の宿に向かう。ほぼ15時にチェックインし、シャワーを浴びてから、御徒町へ。やべちょい遅刻だ、と連絡を送ると、さきにお店で待ってくれていた。

 冒頭に書いた通り、ひさしぶりではあるんだけど、おたがいいい意味で?おたがいに興味がないっぽく、懐かしさもなく、淡々と話が進んでいく。同じなのは、大学のゼミが一緒、年が同じくらいなもんで、男女の違いを感じならも、仕事、パートナー、余暇に関することをつらつらと話した。仕事は部活だと言い切る彼女は、週末に何か発表会みたいなものがあるらしく、その打ち合わせがこれからあると去っていた。さっぱりとして、これまたいい時間だった。

 ハイボール4杯ほどだったけど、ペースが心地よいとほどよく酔う。秋葉原まで歩いて、酔いを冷ましたつもりになっていたけど、宿に着いたらへろへろで、ソッコー寝た。で、1時ごろに水が飲みたくなり、むくりと起きて、コンビニへ。妙に元気になっちゃったので、勢いのままに日記をつけている。

 今日も一日おつかれした。明日(あ、もう今日か)が最終日。予定としては、仕事で呼ばれないかぎり、年内はこっちに来ないだろう。リサーチのために寄りたいお店に寄りつつ、観たいもの、会いたい人に会って、退散しよう。

 しかしまあ、はやく猫たちを撫でたい。焚き火がしたい。

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