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耳をふさげば
スイッチを入れたいときには、耳をふさぐ。
ここ数年間における、自身の生活革命は「耳栓」だった。気を張ってるつもりはないのに、ちょっとした音が気になって、そこに思考を奪われる。寝てるときでさえ、猫たちが近づくとすぐに目が覚める。スマートウォッチで測るようになって気づいたが、ずっと深い眠りにつけずにきていたようだ。
30歳を前に多動症気味であることを自覚したおかげか、聴覚過敏という性質は自分の特性なのだと理解するようになった。先のように困る場面はたくさんあるのけど、接客においてはこの耳がが役にも立っている事実もある。物事は一長一短だ。
で、その”短"の部分を理解し、補うための方法として見つけ出したのが耳栓だった(気持ちが弱いとかの精神性をはじめて捨てられた頃でもある)。きっかけは、イヤホンしてるときなんだか調子がよく、集中力が上がっているようで、没頭できる時間が多いように感じたこと。最初は、「音楽」の影響かと思っていたけど、そうじゃなかった。シンプルに「耳をふさぐ」ことに意味があった。
いろいろ調べてみて、見つけたのが「LOOP QUIET」という耳栓。2021年7月に初めて購入してから、計4つも再購入している(何度も出張のタイミングで無くしていて……_| ̄|○)。
ライティングや資料づくりのような作業を進めるとき、寝るとき、銭湯でのんびりするとき、さまざまな場面で耳を塞いでいるが、時間が融け、ただただ充実を感じる。完全に音を遮断するわけでもないスペックもよい。都内の駅近の宿に泊まっても熟睡できるのもよい(都会は"いる"だけで驚くほどのノイズに囲まれていることにも気づけた)。
去年の12月に新たに買い替えたときには、「2」になっており、耳のフィット感が良くなっており、ますます手放せないアイテムになっている。2021年から毎年変わらずぶっちぎりの「ベスト・バイ」だ。
生活の中にあたり前にある音、無意識的なものだからこそ一度意識的に捉え直してみると変わるものがあるかもしれない。たかが音なんだけど、ぼくの場合、その付き合い方(距離感)をちょっとズラしただけで日々の愛おしさが増した。
耳をすまさなくてもいろいろ聞こえてきちゃうので耳をふさぐ。これでいい。これがいい。
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