森信三の世界

「教育とは流れる水に文字を書くような儚い仕事なのです。しかし、それをあたかも岸壁にのみで刻み付けるほどの真剣さで取り組まなければなりません。教師がおのれ自身、あかあかと生命の火を燃やさずにいて、どうして生徒の心に点火できますか。教育とはそれほどに厳粛で崇高な仕事なのです。民族の文化と魂を受けつぎ、伝えていく大仕事なのです、、、」 いつ予約していたかも忘れてしまっていた本「森信三の世界」は冒頭こんな文章で始まります。なぜ予約したのかも覚えていませんが、この本が私の手元に来たのも、何かの縁なのでしょう。波乱万丈な生涯を教育にささげた森信三。晩年は神戸大学教育学部の教授を務めました。日本にはこんな教育者がいたのかと、感心しながら、まだまだ知らないことの多さ、出会わなければならない世界が広がっていくのを感じています。 さて、今週は文化祭があります。私は文化祭が好きです。一年で一番この仕事をしていてよかったと思える日です。それはきっと中学生のエネルギー(特に内面的な)をじかに感じることができるからでしょう。そのエネルギーを正しい方向に向かわせることも、間違った方向に向かわせることもできる、自分の携わる仕事の責任とやりがいを再確認させてくれる日でもあります。『水にのみで刻む』とは本当によくいったものです。この行動の繰り返しに、少なくない教師が虚無感を抱くのも無理はありません。しかし、実際の子供たちは水ではなく、我々の教育は無限の可能性を秘めています『民族の文化と魂を受けつぎ、伝えていく大仕事なのです…』嗚呼

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