4月21日 豊洲の焼肉屋
行きたかった焼き肉屋に行ってきた。
豊洲駅からバスで5分くらい。駅前の繁華街とほんの目と鼻の先なのに、橋を渡ったその街は、全く別の顔をしていた。
ずらりと都営住宅が立ち並んでいるが人気はほとんどなく、とても静かだ。降りたバス停の目の前が朝鮮学校で、親に送ってもらってきたのだろうサッカー部員らしき男の子が、ちょうど車から降りてきてグラウンドに走っていった。
本命の焼肉。
本当に本当に美味しかった!まず驚いたのがタン塩のぷりぷりさ!歯を治療中の私でも噛めるくらい柔らかい!
焼肉は好きなのだが年々量を食べられなくなってきている。特にカルビなどの脂が多いものは「うっ・・」と気持ち悪くなってしまう。
なので「うっ・・」となる前に、一番好きなタン塩を一番始めに食べることにしている。
焼き肉屋における幸せの折れ線グラフがあるとしたらそこがピークで、そこから先のハラミやカルビに進むにつれて、グラフは緩やかに下がっていく。(それと反比例するように夫の肉の取り分は増えていく。)
・・と、通常ならそうなるところが、ここではずっと幸せだった。
ハラミにのった脂肪の甘いことったら!こんなに脂がのったハラミは初めてかもしれない。反対に、カルビを食べて脂っぽさではなく、赤身らしい肉の旨味を感じたのも初めて!
あぁ、良い経験をさせていただいた。ごちそうさまでした。
帰りは細かな雨がぱらぱら降っていた。とっぷり暗くなった街に漂う濃い緑の匂い。
朝鮮学校のサッカー部はまだ練習しているようだ。コーチの野太い声が、バス停まで届いている。
「少年たちが風邪を引きませんように。」心の中でそっと祈りながら帰りのバスを待つ。
雨足はいっこうに弱まらない。きっと今夜中降り続けるのだろう。
濡れたアスファルトが街頭に照らされ、黒々光っていた。