名古屋城木造復元事業 自民市議「木材保管料年間1億円は誰のせいか」? 河村市長は明確に答えず
24/10/9に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城木造復元事業に対し、2016年度~2023年度で、88億4780万8000円(うち木材の製材等41億6370万9000円)したことが判明しました。
浅井正仁市議(自民)が「木材保管料年間1億円は誰のせいか」と河村たかし名古屋市長(当時)に質問しましたが、河村市長は明確に答えませんでした。
河村市長は指示書について「『そうやって書かないと前に進まない』から書いただけだ。損害賠償請求を河村たかしに出すとか、そういうのはやめてくださいよ」と述べました。
・24/10/9 名古屋市議会経済水道委員会配布資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-2.pdf
・24/10/9 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-1.pdf
・2015/8/24 指示書 名古屋市長 河村たかし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
経済水道委員会では河村たかし名古屋市長(当時)を呼んで質問しました。
以下やり取りの抜粋をまとめました。
浅井市議「毎年木材の保管料を1億円負担しているのは、そもそも誰のせいか」
河村市長「木材は当初強制乾燥するつもりだった。今は自然乾燥している」
局長「当初は乾燥料保管料込みで契約した。竣工期限を越えることもあり、令和4年からだったと思うが保管料は別出しにした。」
浅井市議「1億ずつ増えていくのは誰のせいか」
河村市長「誰とも言いようがない。市民集会でああいうことがあって残念だが、一定の結論が出るまで1年かかる。全部市長の責任なら市長の責任だが、議会の皆さんも含めていろんなことがあって遅れたのであればそういうことのせい」
浅井市議「市長と議会のせいという答えか」
河村市長「議会は乾燥料を含め議決している」
浅井市議「議会は附帯付けている。」
浅井市議「市長『全責任は私が取る』と言っていたのはデタラメか。」
河村市長「例えば1年遅れた、保管料が1億かかることについて私が個人的にその債務というか保証責任を負うと、そういうこととはまた違う。裁判で決着することになると思うが、厳密に誰の過失なんだということはちゃんと証明されてからのことになる」
浅井市議「ここに指示書があるが、大分ニュアンスがかわる」 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
河村市長「そんなこと言ってたら世の中で市長や知事をやる人は誰もいなくなる。
某観光文化局長がね、『名古屋城天守はコンクリートで耐震補強をやるという前提で昔進んでいた、そのぐらいのことを言ってもらわなければ、書いてもらわなきゃそれも文章で、進めれんから書いてくれ』ということで、なら良いよって」
浅井市議「書いてくれって言われたからって書くの、指示書を。そんな軽いもんなの。」
河村市長「書いてくれないと前に進まん。前に進めんというのであれば書きます。」
浅井市議「市長の全責任の意味がようやくこれで多分わかって、多分職員の人たちも顎外れたんじゃないかなと思う。
最後の質問 総事業費505億円の事業で、毎年1億ずつ増える現段階でもう入場料収入でまかなえないのではないか。」
河村市長「1億円かからないように、これは福祉の皆さんとも、いろいろお話をしながらなるべく早期に着工して、名古屋市民の宝になるように文化の、必死に努力している」
局長「当初から税金を投入しない形、入場料収入で賄うという収支の方針で掲げて進めてきた。考え方は現在も変わっていない。木材の保管料、職員の人件費が当初に比べて事業費が積み上がっているのも事実。竹中との協定上限505億円を守りながら事業を進めていきたい」
浅井市議「505億円は竹中に払う金か?」
局長「竹中との協定の上限が505億円。それ以外もかかっている。そういったことも含めて全て使用料で賄うという計画」
浅井市議「当初は耐震改修だったが、河村市長が木造復元をいいだして15年が経った。木造復元するためには丁寧な対応が絶対的に必要だと思っている。石垣の保全を含めた完成までのスケジュールについて、ちゃんとその時期、文化庁と協議していたのか」
河村市長「文化庁に竹中の図面を持っていったとき、素晴らしいと言っていた。課長だったと思う。経済界の人で2020年はええことだという人もいた」
浅井市議「文化庁はいいとも言っていないし、何のすりあわせもやっていない」
河村市長「竹中の図面は素晴らしいと文化庁は言っていた。出してくださいよという言葉があったかどうかあれですけど、ぜひ進めてくださいねというのはあったと思いますよ。」
浅井市議「最近市長は『あとは文化庁に資料を提出するだけ』という趣旨の発言をした。文化庁は名古屋市が資料持ってきたら、復元を認めると言っていいの、そういう意味で言ったの?」
河村市長「私には電話ですけど自信を持って復元で出してくださいと。ただし、200年後に国宝になるでしょうとしましょうと。だけど200年はいくらでも長すぎるわそれはって言って、そういう会話があったことは事実です。」
浅井市議「文化庁から言われたのか」
名古屋城総合事務所天守閣整備課長「令和4年度末でバリアフリーを除いてある程度まとまっていたが、バリアフリーがまとまっていない状況だったので、それを決めた上で文化庁にだす必要があったと認識」
浅井市議「バリアフリーが最後までネックなんだよね」
河村市長「ちゃんと理解をいただいてやれば」
浅井市議「もう資料はできてて、もう出したら、すぐ復元認めてもらえるみたいな言い方じゃ」
河村市長「自信を持って復元ということでしてくださいか、やってくださいだったかな。」
浅井市議「文化庁は何階まで持ってこいって言ってんだよ」
名古屋城総合事務所整備担当課長「文化庁としてはですね、設置階を決めて持ってきてくださいと、整備基本計画に取り込んで持ってきてくださいという解釈ご指摘いただいておりました。」
浅井市議「だからエレベーターが決まるまで持ってけない。松雄副市長が言ってたのはデタラメ。市長が言ってるのもこれでたらめ。市長本会議で何度もね文化庁の偉い人と話してると言ってる。こないだ衆議院の出馬表明のとき、『衆院議員になったら国の立場で名古屋城の木造復元を支援する』と言っていた。なんで今文化庁の偉い人がおるのにね、今名古屋市長の立場でその人に応援してもらえんの。」
河村市長「衆議院だったら、文教委員会がある。文化庁令和2年基準を立法化してもいいんじゃないか。超党派でやった方がいいと思うが運動してくる。文化庁のいわば応援団となって頑張るということ」
浅井市議「名古屋城の木造と関係ないじゃん」
河村市長「車いすの方も登れるようにすると、中の構造を変えないといけない。障害者差別解消法は合理的配慮しろと書いてある。名古屋城の場合はちょっと違う。別個の価値がある。」
浅井市議「さっきはエレベーターについては丁寧に理解を得るって言いながら、今は車椅子の人は入れんぞって言っている」
河村市長「熊野古道にもエスカレーターをつけるのか。犬山城にもエレベーターをつけるのかとなる」
浅井市議「飛躍しすぎ。本物の国宝の犬山城につけれっこない。今から建てるやつは新築、レプリカ。」
河村市長「文化庁が令和2年に出したのは、『一旦燃えたやつを復元するようなレプリカであるが反面』と文章続く。職務としては名古屋市長は終わるが、心はというか仕事は名古屋市のために全力を投球します」
浅井市議「新しい市長さんが、エレベーター付けるって言ったらどうすんの、市長。」
河村市長「仮定の話しとったってしょうがない。そうならんように全力投球する。5階部分は攻められたときに一番の武将のリーダーはあそこで人みんな集めていわゆる切腹する。エレベーターで多分4割3割4割5割まではいいかと潰れることになる」
浅井市議「解体申請を行政が打ち出したときに大反対した。本当になくなったら、名古屋城は建てさせてもらえない可能性があるから。
文化庁は『木造ありきなら一体で出してきなさい』となった。市長は『材木は金がかかるから損害が市民に行く』と言うことを言った。総括してから再発防止策を探ってはじめてやるのか、障害者に説明と謝罪をするのか」
河村市長「人権問題についてルールを決める。公共建築あるいは民間建築も踏まえて、ハンディキャップのある人が計画段階にも入ってもらって、世界一のバリアフリー都市を造るという提案をきちんとして」
局長「総括を早急に始めたい。その中で局としての再発防止策も講じる必要がある。それを成し遂げた上で、差別発言を受けられた方に局として謝罪をし、まず受け入れていただく。障害のある方も含めた市民全体に報告をし、市民全体の合意理解を得た上ではじめて対外的なしっかりした検討が再開できると考えている」
浅井市議「市長と違うんだよね」
局長「そこはすり合っていると思う」
浅井市議「どれくらいで作るのか」
河村市長「私は別天地に行くが、あんまり言わん方がええか」
局長「現時点で申し上げる段階ではない」
浅井市議「木が大切なら本物の角櫓を最初に直さなあかんのじゃないの」
河村市長「天守閣の一番上の5階の耐震値が0.14。ものすごく危ない。浅井さんは木造にして5階の一番上までエレベーターつけたいんでしょう。半分近くが違う構造になっても」
総合事務所長「今開発している昇降技術は、基本的には柱梁を切断しない形で開発を進めている。フロアの半分とか、4分の1が全てエレベーターになるようなことはないと考える」
河村市長「重量や防火、防煙。無理ではないか。1000年も引き継いでいかないといけない。社会的任務であって僕はそれを変更する権利はないと思う」
浅井市議「だったら技術提案やらなければよかった。デタラメなんだよあなたがやったことは。今になってエレベーターいらんなんて、それはMHIに対して失礼だ。俺こないだ見に行った。説明も受けてきた。あなた、見てもいない何にもいない、ただエレベーターが嫌なだけで、あなたがね想いだけで作るんじゃないよ、河村城を作るわけじゃないんだから」
河村市長「根本的な価値観がちょっと違っている。名古屋城が多分日本で復元できる最後の城。任務がある。それを変更する権利がないと今生きてる人間には。浅井さんみたいに違う人では、どうしようもならいんですよこれは。反対にもう一言、言わしてもらうと、エレベーター無しで本物をぜひ作ってくれと言う人たちはものすごいいる」
浅井市議「僕を否定する。アンケートでは5階まで付けてくれが一番多い。市長は自分の思い通りじゃないとダメだ。人の意見は聞かない。副市長は勝手に合意文書作った。市長の思いだけでみんな動く。」
河村市長「市長としての責任がある。選挙の時に提案し、議会も議決をもらってやっている。文化財が燃えたとしても復元を忠実にやった場合は別個の価値が与えられると令和2年に文化庁がそういう基準を作った」
浅井市議「同じことばかり言われても困る。毎年1億ずつ木材の保管料でかかっている。そっちは言わず、自分の給料だけ言って、これからどんどん増えていく」
小出昭司市議(自民)「一番の根源的な問題は、平成27年の8月24日の指示書。もし民間企業で社長が社員に対してこの文書を出したら、自分がその職をかけてでもやるんだという意味ですよこれは。そこで市長は何て言いました?僕これが今日一番びっくりしたことです。『そうやって書かないと前に進まないから書いただけだ』職員は無理して全部歯車が狂ってしまう。我々は是正しようとして市長に言っても全然理解してくれない。その結果現在全く動いていない。この発言は、市長は職員を裏切った。」
河村市長「毎年1億円のお金がかかるようになるという話の中でですね、そういうのをですね例えば損害賠償請求を河村たかしに出すとかね、そういうのはやめてくださいよとそういう意味で」
小出市議「この言葉を職員の皆さんは信じて命がけでやってきた。病気になった人も幾人か聞いている。そんなことをやってきたのに何だとこの、そんなことだったのかということが今日わかりました。」
今後の衆院選、市長選挙の参考にして下さい。
※24/10/11に開催された、名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会の文字起こし、配付資料は以下で読めます。
https://ombuds.exblog.jp/30497698/
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
https://ombuds.exblog.jp/i33/
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