名古屋城木造復元 松雄副市長「私の行動が結果的に障害者の分断を生んだ」
24/10/11、名古屋市議会で財政福祉委員会、経済水道委員会、総務環境委員会、経済水道委員会総務環境委員会連合審査会が開催されました。
まれに見る市議会委員会の追及の結果、松雄副市長は「私の行動が結果的に障害者の分断を生んだ」と認めました。
・24/10/11(金)名古屋市議会財政福祉委員会説明資料
障害のある人もない人も共に生きるための施策の推進について
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-1.pdf
・24/10/11(金)名古屋市議会経済水道委員会説明資料
名古屋城天守閣木造復元事業の進め方に係る現段階の考えについて
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-2.pdf
・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011keisui.pdf
・24/10/11(金)名古屋市議会総務環境委員会説明資料
名古屋市情報公開条例における行政文書について、名古屋市情報あんしん条例における行政文書について
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-3.pdf
・24/10/11 名古屋市議会総務環境委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011soumu.pdf
・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その1)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou1.pdf
・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その2)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou2.pdf
・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その3)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou3.pdf
・連合審査会開会申入れ書
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-3.pdf
財政福祉委員会では、2023/6/3に名古屋市が開催した、名古屋城バリアフリー市民討論会での市民からの差別発言を受け、名古屋市は「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」を制定する方針を示しました。
(文字起こしはもうしばらくお待ち下さい)
経済水道委員会では、名古屋城総合事務所は「2023/6/3以降、名古屋城木造復元事業についてはいったん立ち止まっている。2024/9/18に「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」から最終報告を受け取ったので、総括を行い、再発防止策を考え、当事者に謝罪した後でなければ、事業の再スタートを切れない」と明言しました。
総務環境委員会では、名古屋市情報あんしん条例上の実施機関には議長は入っているが、議員は入っていない。名古屋市情報公開条例では、「松雄副市長が作成した文書は、副市長が職務上作成し、組織的に用いるものであり行政文書に該当する」と明言しました。
午後に、松雄副市長が出席して経済水道委員会総務環境委員会連合審査会が開催されました。
松雄副市長は、24/9/24記者ぶら下がり会見で、「当該文書があるかどうかも答えられない。 浅井市議が議会で読み上げられた文書について、もし公開してはいけない文書に当たるものを公開していれば、浅井市議が条例違反になる。実在はしているが、公開しては絶対いかん文書。政策決定にあたっての文書。計り知れない影響が出る」と述べました。
今回、総務環境委員会に黒塗りの文書が提出されました。
松雄副市長は「私の方から提案したわけではなく、障害者の方から勉強会をしようよといった話があり、意見公開をしてきた。
どこまで合意、意見の一致ができたかまとめようという文書」「観光文化交流局には申し上げていないが、市長にはいろいろ経過は説明していた。私の単独で実施した」と述べました。
小出昭二市議(自民)は「恥ずかしい言い訳を聞いている方が辛い。担当局と考え方を共有して進めればいい。どうして裏工作のようなことをしないといけないのか」と述べました。
横井利明市議(自民)は「差別検証委員会で、市長、副市長、局がバラバラだから混乱につながったと述べている。
今回の文書の件も、観光文化交流局にもスポーツ市民局にも副市長が伝えなかったのがダメだ。
どうして人権の検証結果が出るまで待てないのか。どこが謝罪か。」と述べました。
さわだ晃一市議(公明)は時系列を確認しました。
時系列まとめ
・時期不明 松雄副市長がAさん(経済界)と接触
・24/3/29 松雄副市長がBさん(障害者)にメール
・24/3/31 Bさん(障害者)が松雄副市長にメール
・その後勉強会→松雄副市長が合意書案作成(松雄副市長と署名人ABC)
Cさん(詳細不明)は勝手に名前を使われる 松雄副市長は会っていない
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-3.pdf
はじめに障害者(Bさん)にメールを送ったのは松雄副市長というふうに答弁を修正せよと述べました。
横井市議から、秘密会の提案がなされましたが、秘密会にはなりませんでした。
佐藤ゆうこ市議(減税)から「黒塗り文書か黒塗りがない文書か、どちらかで統一して議論してもらいたい」と述べ、横井市議は「手持ちの資料まであなたが制約する権限があるのか」と述べました。
さわだ市議は「エレベーターなり昇降装置なりが最上階まであがると書かないと、A団体B団体C団体納得できない、合意文書として成り立たないとは推測できる。しかし辞める河村市長と意見が全然違う。勝算あったのか。」と述べました。
松雄副市長は「私自身が障害者の方々の意見を聞いて、同じレベルにたって市長に強く申し上げようと意図していた」と述べました。
渡辺やすのり市議(自民)は、「先ほどの総務環境委員会の中で、『浅井市議の本会議発言は条例違反ではない』と回答があった。松雄副市長は、浅井市議の発言は条例違反と思っているか」と述べました。
松雄副市長は「議員が入っていないことが分かったので、浅井市議には申し訳なく思うし、この場で謝罪させていただきたい」と述べました。
しかし松雄副市長は「(障害者団体と接触、文書案作成)は市の方針に逸脱して行った認識は持っていない」と述べました。
観光文化交流局長は「局が動けないなか、副市長が動いたと思っているが、困惑している。」と述べました。
スポーツ市民局長は「検証結果の最後に『市長、副市長、職員間でコミュニケーションを取る』と書いてある。検証の結果と異なると言えるのではないか」と述べました。
総務局長は「しっかりとコミュニケーションを取って意思疎通ができていることが本来望ましかったのではないか」と述べました。
小出市議は「(松雄副市長の一連の行動は)謝罪より合意が目的だったのではないか。市長とも相談していたのではないか」と述べました。
横井市議は「2024年2月議会で、松雄副市長は『検証結果を踏まえた上でないと前に出れない』と答弁した。(実際は)前に出ている。さらに、検証結果では『市長、副市長、観光文化交流局の意思疎通をしっかり』とある。」と述べました。
松雄副市長は「復元検討委員会にかけるような資料や、整備基本計画のとりまとめや文化庁に提出するなどは絶対いけないと思っていた」と述べました。
横井市議は「人権検証委員会に対する考え方が、松雄副市長は甘かったと思う。復元のために検証委員会やっていると思っているかも知れないが、失った市の信頼を取り戻すためにやっている」と述べました。
岡田ゆき子市議(共産)は「松雄副市長は、『完璧な木造化』を曲げない市長がいて、障害者団体に差別発言があり、自分がうまい形で答えを出していかないといけないという責任感があり、それが結果的にさらに溝を作ったという認識はないか」と述べました。
松雄副市長は「自分の職責を果たしたいという強い思いがあったのは事実。スタンドプレーというふうにいわれても仕方が無い部分もあったと思う」と述べました。
成田たかゆき市議は「なぜABC団体か。」と質問しました。
松雄副市長は「Aは経済界、行政の紹介をいただいてお会いした。Bはメールをいただいた方が会っていただきたいと言ったので会った」と述べました。
成田市議は「Aは明らかに松雄副市長からアプローチがあった。あきらかに主体的に動いている」と述べました。
松雄副市長は「Aにアプローチをした時期は記憶にない。4月頃だったと思う。Bは、名古屋城総合事務所への回答にメールが載っていたので、送った」と述べました。
みつなか美由紀市議(共産)は、「勉強会は誰が参加し、何回行ったか」と質問しました。
松雄副市長は「誰が参加したかは私は関知していない。3回か4回くらいではなかったか」と述べました。
成田市議は「陰でこそこそやって汚い。人権を名古屋城の御旗の元に全く失った。又混乱を呼んだ。」と述べました。
松雄副市長は「市長から強い指示も出ていたので、自分が主体的にやらないといけない。結果として議員、市民、障害者に迷惑を掛けたということであれば、局のあがってきたことをチェックしながら、いい方向に進めるような立場に戻りたい」と述べました。
浅井正仁市議(自民)は「どうしてこの文書が僕のところに来たか。この計画をぶっ潰して欲しかったにきまっている。
障害者はABとあと複数だけなのか。水面下でこそこそとは嫌だった。また分断を生んだ。障害者の分断を生んだ。
答弁来るの夜中。毎回夜中の4時5時に僕は市役所から出る。挙げ句の果てに答弁が変わる。あほらしくなってくる。松雄副市長は『私にもやっぱり人権がございます』と発言したが、民主主義、二元代表制の否定。僕の人権はどこにあるのか。」と述べました。
また、浅井市議は「副市長が作成した文書は、誰が行政文書に当たるのか判断するのか」と質問し、担当課長は「局に下ろされた文書は担当課が管理して判断する。今回は副市長が保有しているので副市長ご自身で判断する」と述べました。
浅井市議は「そんな馬鹿な話があるか。Cの人は何も知らない。個人情報保護法に抵触するのでは。」と質問し、情報課長は「どういった状況で提供したか個別の状況が分からないので明確に言えない」と述べました。
以下感想
名古屋市長選挙は24/11/10(日)告示、24/11/24(日)投開票です。
https://www.city.nagoya.jp/senkyokanri/page/0000179690.html
名古屋城木造復元事業については、市民に公開されていない情報が多すぎます。
市長候補者も知らない情報がまだまだ埋もれていると思います。
A,B,C団体とはだれか?だれがいつどのようにアプローチしたのか?AとBと「差別発言を直接受けた人」との関係はどうなっているのか?
学習会参加者はだれか?松雄副市長が参加していたのに、参加者名をぼやかしたのはどうしてか?
そもそも、市民説明会「サクラ」疑惑も解決していませんし、市議会の附帯決議を無視してまで木材購入した経緯も不明です。どうして年間1億円の保管費を払うことになってしまったのでしょうか。
耐震性、耐火性、2方向避難問題をはじめ、資材高騰による竹中工務店との「505億円」協定もどうなるか不明です。
これだけ市議会が追及しても、文化庁の本音、竹中工務店の本音、MHIの本音が出てきていません。
名古屋城木造復元に関わった歴代担当者も、いろいろ言いたいことがあるのではないでしょうか。
新市長は、まず全ての情報を市民に公開した上で、今後どうしていくか判断すべきではないでしょうか。
24/10/11 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第62回)配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-4.pdf
2024年11月2日 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
河村市長がいなくなり、これで名古屋に木造の城が建つことになるのでしょう
https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11674/
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
https://ombuds.exblog.jp/i33/
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