名古屋城バリアフリー新技術 自民市議「このまま契約せず、MHIがやめたと言うことを恐れる」
23/10/2に開催した名古屋市議会経済水道委員会で、浅井正仁市議(自民)は「名古屋城木造復元のバリアフリー新技術で最優秀提案を受けた株式会社MHIエアロスペースプロダクションとこのまま契約を先送りにしておくと、『もうやめた』というかも知れない。
河村市長が『技術者がいなくなった。エレベーター・昇降機無しだ』と言って一番喜ぶと思う。それを一番恐れる」と述べました。
・23/10/2 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231002.pdf
現在、名古屋城に3つの隅櫓が現存(江戸時代に建築・すべて重要文化財)しますが、耐震改修をしたのは西南隅櫓のみで、西北隅櫓と東南隅櫓は特に何もしていません。
浅井市議は、「現大小天守は耐震補強していないから閉鎖した。どうして耐震改修していない2隅櫓を開放したのか」と質問しました。
名古屋城総合事務所は「最上階の3階には係員を含めて9人しか入れなくし、期間を限定した特別公開とした」と述べました。
浅井市議は「では、現大小天守も人数制限は考えなかったのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「隅櫓は、本質的価値をできる限り見ていただきたい。
天守閣はIsのような詳細な調査結果で、耐震性がないという判断が示されたので閉館した」と述べました。
浅井市議は「重要文化財は直下型が来たら終わり。現大小天守を閉めてから、隅櫓の耐震を検討したのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「耐震の状態もさることながら、経年劣化がひどくなっている。今後重要文化財の保存活用計画の策定を進めていく。」と述べました。
浅井市議は「まだなにもやっていないということ。家康が建てた、名古屋城で一番価値があるのではないのか。それを何もせずに大小天守を木造木造というのはいかがなものか」と述べました。
また、次に名古屋城バリアフリー新技術について、浅井市議は「総務環境委員会説明資料で、2022年12月に最優秀提案を市長に伝えたら、『市長はMHIの提案を認めないとあった。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230629.pdf
MHIの提案自体なくなる。決裁は取れたのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「市長の決裁を取れている。令和5年度中に契約するものと考えていた。
令和4年度は予算の見積もり、取得、協定、協議を進めていた。現在は協議が整ってきた」と述べました。
浅井市議は「このままMHIとの契約を先送りにしておくと、『もうやめた』というかも知れない。河村市長が『技術者がいなくなった。エレベーター・昇降機無しだ』と言って一番喜ぶと思う。それを一番恐れる」と述べました。
佐治観光文化交流局長は「技術的な側面から何階まで設置できるのか、技術開発をした上でしっかり市民の皆様の意見をお聞きして、市の方針を決定することが重要であるというふうに考えている。
実際のところ何階まで設置できるかは、垂直昇降装置自体の単体で決まるものではなく、建物との取り合いの関係で複数の要素が関係するものというふうに考えている。
そうしたことから、垂直昇降設備としては技術開発を進めていく中で、公募要項で求めているように、可能な限り上層階を目指していきたいと考えている。そういった方向で契約を結びたいというふうに考えている」と述べました。
浅井市議は「竹中とのすりあわせが一番の課題になると思う。最上階を目指すのが、名古屋城総合事務所に課せられた課題だと思っている」と述べました。
2016/4/28名古屋市議会経済水道委員会で、「名古屋大と広島大が発表した活断層地図に、名古屋城の真西に活断層が走っている」と指摘がありました。
・名古屋市防災会議地震災害対策部会 平成29年1月24日
名古屋市付近に推定されている 断層に関する報告書
○名古屋市街地の地形と活断層(「杉戸信彦・後藤秀昭,2012,名古屋市街地を縦断する活断層の変動地形学的検討,日本活断層学会 2012 年度秋季学術大会,O-1.」より抜粋)
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/cmsfiles/contents/0000094/94205/02honbun.pdf
それ以来、7年間も隅櫓の耐震補強を何もしていなかったことになります。
結局、やり取りを聞いてもMHIと契約を令和5年度中に結ぶのか結ばないのか分かりません。
そもそも、名古屋城総合事務所が答弁すると、MHIや竹中工務店の現状がよく分かりません。
実際どうなっているのか、MHIや竹中工務店を議会に呼んで発言してもらうことが必要ではないでしょうか。
また、河村市長は、「公募で選定された最優秀技術に、市長の決裁を出した」にもかかわらず、「最優秀提案は認めない」と発言するなど、矛盾する行動を取っています。
(河村市長が「聞いていない」と言い出すのは今回に限りません)
それが名古屋城をめぐる混乱を引き起こしているとしか思えません。
そもそも、小型昇降機について、日弁連は「あえてエレベーターを設置しないということは差別されない権利・利益を侵害している」としています。
https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html
差別発言の検証も終わらないまま、MHIと技術開発することがよいのか、そもそも小型昇降機でよいのか。
名古屋市は市民への説明を尽くしていません。
今後の予定
・23/9/27-10/31 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」(動画)
https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11011690
・23/10/4(水)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
・23/10/6(金)13時半- 第2回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000167672.html
・23/10/28(土)14時- 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
・23/11/13(月)15時半~ 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201207.html
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201213.html
・23/11/25(土)14時- 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
・23/12/16(土)14時- 「市政出前トーク」名古屋城天守閣の整備 市政資料館
https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm