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建築士「名古屋城木造整備基本計画(案)は史実に忠実と言えず、大義名分がない」

「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は、23/5/20(土)に学習会「建築士が読み解く!名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)」を行いました。
動画は後日会のホームページで掲載します。

・配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230520.pdf
 
名古屋市は、23/3/24に開催された特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回)に特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)を提案し、検討会議は「3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)は今後検討する」としたものの、一応了承しました。
・23/3/24 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回) 配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230324-1.pdf
・23/3/24に配布された特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230324-2.pdf

講師の渡邉正之建築士は、上記整備基本計画(案)を読み解き、この整備基本計画(案)が、はたして「史実に忠実」な木造天守復元 と言えるのかまとめました。


木造天守の中に人を入れるには、現行法の法整備という高いハードルを乗り越える必要がある。
しかし以下4項目で史実に忠実ではない
・バリアフリー 穴蔵階-1階だけで、全館バリアフリー化に至らず。スロープでは避難ルート確保は不十分。
・構造計画 天守台石垣背面は、昭和再建時に相当破壊されており、史実が不明。基礎構造は決まっていない。
・建築材料 屋根下地防水対策に仕様変更を行っている。
・防災避難計画 二方向避難経路として不適切。スプリンクラー、消火栓、階段、救助袋は史実にない

はたして上記で現行法整備が達成されているのか。博物館機能が放棄されており、バリアフリーや消防避難設備も不完全。基礎構造は先送り。

今こそ、現天守改修案と真剣に比較すべきだ。内装を工夫すれば、「史実に忠実内装仕上げ」ができる。
・木造天守(積み残し・先送り多数)+別棟博物館 600億円
・現天守改修 50億円

木造天守は大義名分はなく、説得力がない。

今後、名古屋市はバリアフリーについて市民意見を聴き、石垣部会から意見を聴いて石垣保全方針をまとめた上で、文化庁に整備基本計画(案)を提出する予定です。(基礎構造は先送りの予定)


会場から活発な意見が出ました。

「せっかく世界公募までした新技術公募だが、1階までしか行けなかった。名古屋市はこっそり無作為抽出市民アンケートを行い、23/6/3にアンケートを受け取った人だけを対象にシンポをするという。その結果次第で、もしかしたら1階までのバリアフリーすらやめにする可能性もある」という情報もありました。

なお、Twitterをみて学習会に参加してくれた方もいました。
ぜひ情報を広めて下さい。

・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle


・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm

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