出産育児記録 #さよなら、母乳さん〜忘れたくないこと〜
数ヶ月の育児中、脳内シェアの大部分を占めていた授乳のこと。
特に母乳育児については、どうやったらもっと良く出るか、続けるかやめるか、でも困った時のおっぱいは無敵なんだよな…など、なんだかんだずっと心に引っかかっていたが、約5ヶ月でその役目を終え、完全ミルクに移行する。
さっさと完ミにすればよかったのだけど、授乳中の我が子の可愛さと愛しさに負けて今まで続けてきてしまった。母性なのかホルモンなのか愛情なのか、とにかく本能に突き動かされるがままここまでやってきたように思う。
途中、母乳からじゃないと粉ミルクを飲んでくれない赤ちゃんらしい想定外な期間も過ごし、内心「求められてる〜!」という嬉しい気持ちになるも、身体的にはしんどい母乳育児ならではの経験もさせてもらい、母乳さんにお別れをする。
断乳に向けては、1週間に1回ずつ母乳の授乳回数を減らし、2ヶ月ほどかけて断乳するスケジュールだったが、赤ちゃんも回数を減らし始めて2週間ぐらいで粉ミルクしか飲まないことも増えてきた。同時に母乳の量も減ってきて、そうなったらそうなったでちょっぴり寂しい。あ〜もうあの愛しい授乳の姿を見られないのか…
育児中は、常に相反する気持ちの間で揺れ動いている自分がいることに気づく。
自分の意志で断乳をするのだけれど、授乳の幸せな思い出はずっと忘れずにいたいし、いつか子どもにも伝えられる日がくるといいな。
【忘れたくない愛しい思い出】
生まれた日、生まれた直後におっぱいを吸わせたとき。
小さな小さなお口で、口いっぱいに含めてくれた。
いきなり始まった授乳はお互いに不器用のかたまりだった。
吸てつ反射で、おっぱいを探そうと顔を振るしぐさ。
勢いよく咥える時の「はむっ」という声。
美味しそうに細めながら飲むお目目。
広げたり、握ったり、無意識に動く小さな手。
お顔に右手をあてる姿は、お腹にいた時からの癖。
授乳クッションにおさまるちいちゃな身体。
横たわる後ろ姿のぷりっとしたお尻と投げ出した足がたまらない。
飲みながら寝落ちして、ぽうっとした形のまま離れてしまったお口。
満足そうに眠り、持ち上げて離すとパタっと落ちる脱力しきった腕。
少し大きくなってきて、咥えたり、離したり、ママの顔を見てニヤッと笑って乳首で遊ぶやんちゃな笑顔。
手で胸をぐっ、ぐっと押し返しながら、必死で飲んでくれたな。
あまり母乳の出は良くなかったけれど、稀に出が良くてむせかえり、びっくりして目をまんまるにした。
ゴクン、ゴクンと飲み込む音が聞こえてきた時は無性に嬉しかった。
授乳タイムは、よく頭を撫でた。ヘアブラシで髪を整えたり、耳掃除もした。
頭の形が気になって、優しく優しくマッサージした。
この授乳もいつか終わると思いながらも、スマホやテレビをみてしまっていたこともある。
授乳に時間がかかることがしんどかった時もある。
だけど、ふと目を落とすと、目を瞑ってごくごく飲んでいる様子がなんとも愛おしい。
長い睫毛に見入ったりして。
授乳後は吐き戻し防止で抱きかかえているうちに2人して寝落ちした。
腕の重みと温もりでハタと目覚め、ひやひや。慌ててベッドに寝かせたことも何度もある。
終始、安心しきった様子を見て、この子を守らないとと強く思った。
こうして少しずつ母にしてくれてありがとう。
文字にしてみると、苦労もあるけど、ほんとに幸せな時間だったな〜としみじみ。
今後また子どもに恵まれることがあっても母乳・混合育児を選択するかも、出来るかもわからないが、どちらにしても、この幸せな時間のことを忘れずにいたいと思う。
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