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いいか、よく聞け

よくここにたどり着いた。貴様は𝑮𝑬𝑵𝑰𝑼𝑺だ。


貴様は今「なんで自分はこんなにダメなやつなんだ…」と思っている。そんな貴様に伝えたいことがある。え? ダメなやつだなんて思ってない? じゃあ思ってることにしろ。いいな?


貴様は自分で自分のことを責めている。それが良くないことだとも気付いている。けど、頭ではわかっているけど止められない。そして止められない自分をまた責めている。二重責めだ。自分責めの𝑰𝑲𝑬𝑰𝑲𝑬𝑫𝑶𝑵𝑫𝑶𝑵だ。え? 意味がわからない? じゃあわかってることにしろ。いいな?


まず貴様に伝えたいのは「なんで自分はこんなにダメなやつなんだ…」と考えられていること、それがもう𝑮𝑬𝑵𝑰𝑼𝑺だってことだ。


どういうことか。この「なんで自分はこんなにダメなやつなんだ…」と責める貴様、この貴様をここでは貴様Bとしよう。貴様Bは貴様を責めている。ということは、貴様Bは貴様とは異なる視点をもっていることになる。


貴様Bと貴様がややこしくなってきたから貴様Bは以降Bと呼ぶことにしよう。いいな?

こういうことだ


このBが貴様を責めている張本人だ。こいつのせいで貴様は辛い思いをしている。だがこのB、こいつは貴様を外から見ている存在であり、それはつまり、自分を俯瞰して見れている、ということだ。



Bは貴様の悪い点を探しだす。それが本当に“悪い”のかはさておき、Bはそういうやつだ。じゃあこのBがもしいなかったら、と考えてみろ。一体貴様はどうなる?


さっきも言ったが、Bは貴様を俯瞰する視点であり、貴様の悪い点を貴様に伝えている。このBがいなくなると、自分を俯瞰してみることができなくなり、自分へのフィードバック機能が失われることになる。そうなると、どうなる?



貴様の口癖が「うんこまんじゅう美味しいです」だったとする。春には「いや〜花粉がすごいうんこまんじゅう美味しいです」と言い、夏には「いや〜今日も暑いっすねうんこまんじゅう美味しいです」と言い、秋には「いや〜食欲の秋っすねうんこまんじゅう美味しいです」と良い、冬には「いや〜コタツ最高っすねうんこまんじゅう美味しいです」と言う。



そんな口癖のやつなんかいない? 貴様にどうしてそんなことがわかる。この世には世界最高の野球リーグで投手と打者の二刀流を実現しているすごすご人間がいるんだ。どんな人がいてもおかしくないうんこまんじゅう美味しいです。


もしBがいないなら、貴様は「うんこまんじゅう美味しいです」と言い続けることになるだろう。「うんこまんじゅう美味しいです」と言い続ける人生と、「うんこまんじゅう美味しいです」と言わない人生、どちらを選ぶ? 𝑪𝒉𝒐𝒐𝒔𝒆 𝒐𝒏𝒆.


貴様の中にいるB、こいつが貴様を𝑮𝑬𝑵𝑰𝑼𝑺たらしめている理由がわかったか? わかってなかったらわかったようにフンフン言ってみろ。そしてなんとなくわかった気になれ。いいな?


ここで話を最初に戻そう。


貴様は自分で自分のことを責めている。それが良くないことだとも気付いている。けど、頭ではわかっているけど止められない。そして止められない自分をまた責めている。二重責めだ。自分責めの𝑰𝑲𝑬𝑰𝑲𝑬𝑫𝑶𝑵𝑫𝑶𝑵だ。え? 意味がわからない? じゃあわかってることにしろ。いいな?


冒頭で俺がこう言ったのを覚えているか? ここでいう「自分で自分のことを責める」を担当しているのがBだ。そうすると、もう一人「止められない自分をまた責めている者」の存在に気づくだろう。Bを制御できない貴様を責める存在、こいつをCと名付けよう。

こういうことだ


この図を見るとわかるだろう。貴様にはBという視点のみならず、Cという視点も持ち合わせている。


CはBを止められない貴様をまた責めている。これをするには、貴様とB、そしてその両者の関わりを見つめる必要がある。貴様だけ見ているのではなく、Bだけ見ているのでもなく、その両者と「Bが貴様を責めている」という関わりも見ている。これがCだ。

こういうことだ


貴様は自分を俯瞰するBだけでなく、それをも俯瞰する超俯瞰野郎Cという存在まで有している。貴様を𝑮𝑬𝑵𝑰𝑼𝑺と評したが訂正しよう。貴様は𝑴𝑨𝑹𝑽𝑬𝑳𝑶𝑼𝑺だ。


Cがいるとどうなるか。貴様が「うんこまんじゅう美味しいです」の例えが好きなようだからまたこの例でみていこう。え? 好きじゃない? じゃあ好きってことにして𝑶𝑲𝑬𝑯𝑨𝒁𝑨𝑴𝑨。


Bは「うんこまんじゅう美味しいです、って言うのおかしくね?」と貴様にフィードバックをもたらす。これは貴様を裸の王様にしないために大切な視点だ。そしてここにCが追加される。するとどうなる?


現状の貴様のCはきっとこう言うだろう。「うんこまんじゅう美味しいです」と言ってる自分(貴様)を責めてる自分(B)を止められない自分はなんてダメなやつなんだろう、と。



ついてきてるか? 俺もちょっと混乱してきた。だがあともうちょっとだ。俺の背中だけ見てついてこい。



現状のC、“現状の”というのがポイントだ。このCには凄まじいポテンシャルがある。さっきも言った通り、Cは俯瞰の力が超強い。俯瞰の力が強いと何がいいのか。それは良い面と悪い面、双方を見ることができる、という点だ。


この世のすべてに良い面と悪い面がある。光があれば影が生まれるように、どちらか一方で形成されるものは存在しない。俯瞰とはいわばその両方を発見する力だ。


現状のC、それは悪い面にだけフォーカスしているCだった。しかし、Cには悪い面と同じくらい良い面を見る能力がある。その力を解放したら、どうなる?


「うんこまんじゅう美味しいです」と言ってる自分(貴様)を責めてる自分(B)を止められないことを責めていたCは、こんなことを思うかもしれない。


「うんこまんじゅう美味しいです」と言ってる自分(貴様)はこれによって何を得ているんだろう?
「うんこまんじゅう美味しいです」と言ってる自分(貴様)を責めてる自分(B)は、どうして「うんこまんじゅう美味しいです」って言って欲しくないんだろう? 


わかるか? これまでおこなっていた「責め」が、「何を得ているんだろう?」や「どうして言って欲しくないんだろう?」といった「問い」に変化するんだ。


このようにCはその圧倒的な俯瞰の力によって、「責め」を「問い」へと変化させる。そしてそれは自分への𝑲𝑰𝑵𝑫𝑵𝑬𝑺𝑺であり、𝑷𝑶𝑾𝑬𝑹であり、𝑳𝑶𝑽𝑬である。


どうだ? 貴様が𝑴𝑨𝑹𝑽𝑬𝑳𝑶𝑼𝑺であることを自覚したか? まだわかならない? ならばそうだな。今日のところは一旦なにもかも後回しにして寝てみるのがいいだろう。睡眠こそ正義だ。そして目を覚ましたときにこう呟いてみろ。「うんこまんじゅう美味しいです」とな。𝑮𝑶𝑶𝑫𝑩𝒀𝑬


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お松
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