お仕事ネタ/採用面接で必ず聞く、人となりを見るための3つの質問
はじめまして、40手前で、何の縁もゆかりもない三重県は菰野町というところに移住したmitaniです。
今回は、普段のお仕事(人事)のネタです。
採用面接で、人となりを見極める
採用の仕事に関わり始めると、「人を見極めるのは本当に難しい」と感じます。
そりゃたかだか30〜60分で測れるものなんてたかがしれてるわけで、ある程度場数というか色んな人に会ってきたら、なんとなくこの人ってこういう人かな?っていうのはわかるようにはなりますが、「判断」というレベルで見極められるかと言えばものすごく困難。
で、現場の方に面接とかをお願いすると、基本的にはこれまでの経歴とかスキルとかに関する再現性を確認するような質問に終始しがちで、「こういう経験はありますか?」とか「志望動機は?」とかそんな感じになりがち。
それも確かに大事なんですが、ある程度採用面接とかだと一般的に絶対聞かれることなので、対策もしやすいし、「できること」「やってきたこと」「やりたいこと」はわかるけど、本質的にその人がどういう人なのかはあまり掴めない。
本来現場の目線としては「この人と一緒に働らけそうか」とか「一緒に働きたいか」とか、それくらいのシンプルな判断でいいんじゃないかなって思ってたりするのですが、不思議なもので面接官をやる側になると、妙に「批評家的」というか、評価をしようとするんですよね。
当然、人を採用する=人材に対する投資ではあるので、その人が対価に相応しいパフォーマンスを発揮してもらえるのかっていうのは経営的な視点で判断する必要あるのですが、「成果」や「能力」に投資するのであれば、正直アウトソーシングでもよいわけで、特に日本のように安易に解雇ができない場合、ノイジーな社員が入社してしまうと、そこにかけたコストや時間だけではなく、組織の衛生状態にも悪影響が出るので、「組織の中で一緒に働けそうか」っていうのは特に現場の目線としては重要。
でも、それを見抜くのはものすごく難しい。
変な話、恋人でも週に1度しか会わないとかだと、週1だけカッコつけ続けさえすればよいわけで、同棲した途端に幻滅するパターンとかよく聞くくらいなので、毎日一緒に働く人の人間性をたった数十分の限られた時間で見抜くなんて、よっぽど色んな人に沢山会ってきたとかじゃない限り、自然にはできないこと。
ネガティブなものから逆算する
ポジティブな回答を期待するような質問をすると、必ず自分をよく見せようとするので、それだとその人の本質は見えない。
例えば、「好きなもの」とか「得意なこと」とか「やりたいこと」とか。
面接の場だから、どうしても答え合わせしにいこうとするので、よっぽど素直な人でなければ、ポジティブに聞こえる回答しか返ってこない。
だからこそ、あえて「ネガティブ」な答えを引き出す質問をします。
僕が面接に出る時に必ず聞く、ネガティブを引き出す質問は以下の2つ。
一緒に働きたくタイプの方はどんな人か
ストレスが溜まる瞬間はどんなときか
1は、そもそも嫌なタイプの人と同じような行動はしないだろうという意味で、その人自身の人間性の確認であり、なおかつ職場に馴染めるかどうかの判断材料にもなる。
もちろん、「嫌なタイプ」が「近親憎悪」みたいに自分をみているようでイヤだって可能性もありますが、それは別の質問で答え合わせします。
2.については、やりたいことは、面接の場であればある程度会社理解などを通じて、それなりにその企業にとって「正解」らしさのある回答を作ることはできるけれど、「やりたくないこと」って、本質的に明確にあるものだと思う一方で、面接の場でストレートに言ってよいものかと思う人もいるはず。
やりたいことがぼんやりしてる人はいるけど、やりたくないことが明確じゃない人ってほとんどいないんじゃないかな。。。
だからこそ、「やりたくないこと」を取り繕わずに話せる人は信頼できると思いますし、業務とか組織/文化とのギャップについてもそこで測ることもできる。
中には「とにかく、好き嫌いせずに本当になんでもやります!」って人もいるかも知れないけど、大半はそんなことない。中途採用で転職とかだと尚更。
仮にそうだとしても「嫌いなこと、苦手なことだからこそ、先に経験しておきたい」と言えるかどうか。
そして、もしそこで自社の中で該当するものがもしあれば、そのときは素直に話ししてしまうのがよいです。
取り繕ってしまって入社されても、結局いずれはわかってしまうことですし、その人にとっては裏切られた感があるので、そこで無理なら無理って思わせたほうがお互いのためです。
また、これらの対する答え合わせとして、もう一つの質問に繋げる。
仲の良い同僚とか古い友達から、どういう性格って言われますか?
自分の思考とか性格って意外に自己認知できていないことが多いし、就職活動の中で自己分析とかをちゃんとやってると、面接映えするような言語化ができちゃってる場合もある。
よくある「強み/弱み」を聞くパターンへの対策ですね。
そうではなく、「他人からどう見られているのか」という客観的な視点で、その人を引き出していく。
なんだったら本人の認識と、ズレてるかどうかも合わせて聞けるとより多面的に見ることもできます。
そして、上述の2つの質問に対しても、客観的な他者からの視点を通じて矛盾がないかの確認ができるし、面接官が感じてる印象との答え合わせもできたりします。
当然、これらだけでその人の本質が見抜けるかといえば、不十分かもしれませんが、少なくとも面接官自身が「一緒に働きたけそうか」は、より解像度高められると思います。
面接する側は、自社の環境や業務や組織側が見えてるので、候補者が嫌だと思ってることがあるかどうかは判断できますし、自分が感じている印象への答え合わせや発言の矛盾などにも気づくことができます。
話して10分くらいで、直感的に「この人と働きたいな!」と人間性で感じ取れることも場数踏むことで、わかることもありますが、そんなときにも少し冷静に「合う/合わない」をみていく上でも有効です。
他人を評価する面接はそもそも難易度が高い
人が人を評価するのってものすごく難しい。
例えば人事評価とかも毎日四六時中一緒にいて、一緒に仕事してたら、その人がどれくらいの能力があって、どれくらい成果を上げてるのかわかるので評価しやすいですが、現実にはそんなことはできないから、MBOやOKRのようなフレームワークで測るわけで、それですら様々なバイアスによって正しい評価が困難。
なのに、たかだか数10分の時間の中で、その人がどういった能力があって、どれくらいの成果をあげれそうなのかを判断するなんてなかなか無理ゲーなわけです。
評価力=マネジメント能力に直結しているので、無理にそこだけで判断せず、そこは更に上席のマネジメントに判断を委ねるのも、一つの手段。
だけど、シンプルに「同僚や部下として、同じ会社、同じ組織で一緒に働けそうか、働きたいか」は面接時の軸としては持っておくべきだと思いますので、そこは現場の目線で確認するような引き出し方をしていくほうが、結果的に「組織づくり」としての採用に貢献することになるのではないでしょうか。