孤児院訪問
週2回孤児院で活動しようと決めて、先日2回目の訪問に行ってきた。
私の通う孤児院は0歳から5歳までの子どもが入所していて、中には生後数週間しか経っていないような新生児まで見受けられる。
5歳を過ぎると、親元に返されたり養子縁組に出されたりするらしい。
縁組先はベナン国内ももちろんだが、多くはヨーロッパの親元へ縁組されることがほとんどとか。
私自身、卒業論文で国際養子縁組について研究していたので、ベナンで行われている養子縁組は大変興味深い。
ここで日本の養子縁組制度について少し。
日本には普通養子縁組と特別養子縁組の二種類に分かれるが、ここでは特別養子縁組について話をする。(違いについては各自で調べてね)
日本では家庭に恵まれない子どもたちのほとんどが児童養護施設などの施設で生活しており、里親などの家庭に近い環境で暮らしているのは全体の1割程度に過ぎない。アメリカでは約7割、韓国でも5割近くが里親に委託しているのを比較しても、日本が低水準であることがわかる。
(データは私の大学卒業時のものです。悪しからず。)
国際養子縁組とは子の国籍と異なる親の元へ縁組を行うことで、子が家庭を得られる選択肢が増えるというメリットがある。
日本では不妊治療の延長で養子縁組を希望する夫婦が多い中、欧米では子の福祉を前提とした縁組が行われているのが大きな違いと言える。
話をベナンに戻して。
孤児院の所長さんに実際にイタリアへ渡った子の写真を見せてもらった。イタリア人の両親とともに、すっかり大人になった子が笑顔で写っているのが印象的だった。
国際養子縁組は人身売買の危険性もあるが、所長は「お金は一切もらっていない」と語気を強める。
日本でもっと養子縁組が発展するといいのに…と思いつつも、ここまで定着しないのは制度や倫理観など複雑な障害がたくさんあるんだろう。
ベナンでの養子縁組を通して、日本の児童福祉について今一度考えさせられる一日になった。
2022年10月13日
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