この動画でもっとも興味を惹いた部分を抜粋した。
成田さんいわく、現在の学問では「通貨」や「権力」といったものは、究極的には自明のものとして、あるいは、語りえぬものとして取り扱われすぎている。そのため社会を構成しているこれら各要素の統一的な概念を得ることはかなわず、研究をすすめるうえで、問題を引き起こしていると。
以下は、去年書いた私見を繰り返すが。
経済は「制度」と「取引」によって構成されている。例えばSNSも一種のエコノミーだが、そこでは制度の役割が大きく、取引=マネタイズに成功している人はほとんどいない。
ネット会社は私たちのコンテンツを利用しているが、その設計には各社の理念が反映されており、結果として混乱が生じることがある。しかし、この制度というものは人類史的に古く、その起源は解明されていない。ただ、人々が自分のアカウントを資産と考えているため、諍いが起こりやすいのは事実である。もしフェアな配分が定義され、明確な共通基準としての制度が設けられ、厳格なルールが明示のうえで運用されている場合、争いは減るだろう。
現代社会のダイナミズムを理解するうえで、今後、どのような概念を見出し、あるいは、「発明」しなければならないのか?