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6「スカラムッツァの足跡をたどって」第3章「バランス」その1
こんにちは。音楽で人と世界をつなぐ!ピアニストの岡田真季です。
今日からは第3章「バランス」に入ります。
第1章「落下」や第2章「鎧をつけた手」をベースに進みますので、ここまでの章を読み逃してしまった、もう一度復習したい、という方は下のリンク先でぜひお読み下さいね❣️
第3章を始める前に、第2章「鎧をつけた手」のまとめを簡単に。
それは何? 頑丈に構築された手。
なぜ? 弾けるようになるため。
どうやって? アーチを作って。
できた! 敏腕な手になった!
バランス、それは何?
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60665434/picture_pc_ac6bdfecb2ff262755ab44610feb9cda.png?width=1200)
何らかの物が「バランスの取れた状態にある」という時、それは、相反する2つの同等の力が互いに力をかけ、その合計がゼロになっている、ということだ。
その状態では物は動かず、バランスを保っている。
膨らませた風船を例に挙げてみよう。テーブルの上に置かれた風船だよ。もし指で軽く風船を押したら… そのくらいの力では風船の形は変わらないね。じゃあもっと強く押したら?指の力が、風船の空気圧を上回ったら、風船の形は変わるはずだね。
同じことがピアノでも言えるんだよ。
第1章で見たように、腕がリラックスしていれば、重みは下へ向く。そして第2章で見たように、手が形づくられていれば、てこのように上向きに持ち上げられる。
これら2つの要素が組み合わされて、下向きの力と上向きの力、 2つの力はバランスの取れた状態にある、というわけだ。
ピアノにおけるバランスとは、2つの同等かつ相反する力… 脱力による腕の重みと、それに反応する手の形が、セットになることなんだ。
脱力した腕と、鎧をつけた手を持つピアニストこそ、バランスの取れたピアニストなんだ。
バランス、なぜ?
なぜアンバランスではなく、バランスが取れていた方がいいのか?
良いポジションを保とうとする時、バランスの取れた状態だと、最小限の力しか介入してこられないんだ。
何よりもまず、バランスの取れた状態はとても自然な状態だし、エネルギーの節約と利益にもなるんだ。例えば歩く時、足をもう片方の足の前に出すだけで事足りる。なぜなら骨格が床の上に真っ直ぐになるように筋肉が働くから、いちいち細かい命令を出さなくても良いよね。
筋肉の緊張は、体の重みに自然に反しているんだ。「まっすぐ立つ」ことは、世界でいちばんシンプルな例だ!
ピアニストにバランスは必須なんだよ。ムダな努力を避けるためにね。バランスが取れた状態から始めれば、自身の重みに妨げられることなく、楽に自由になって動くことができるんだ。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60708347/picture_pc_da725b09977928b9c9bea86a38c13624.png)
本内容は、Marie - Christine Calvet氏の著作「Sur les traces de Scaramuzza」を、本人の許可を得て岡田真季が日本語に訳してお届けしています。無断で内容を改ざん・コピーするなどの行為はご遠慮ください。挿入イラストは「いらすとや」から拝借しました。
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