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4 「スカラムッツァの足跡をたどって」第2章 その2
こんにちは。音楽で人と世界をつなぐ!ピアニストの岡田真季です。
アルゲリッチが幼少期にアルゼンチンで習っていた、名ピアノ教師 スカラムッツァの教えを、孫弟子にあたるマリー=クリスティーヌ・カルヴェ氏が書いた著作「スカラムッツァの足跡をたどって」を、ご本人の許可を得て岡田真季が日本語訳でお届けしています。
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では、第2章の2回目、参りましょう!
鎧をつけた手、どうやって?
鎧をつけた手を習得するのに、ピアノに手を置く必要はないんだ。まずは手のひらをひざの上に平らに置いてみよう。指は曲げずにまっすぐだよ。そして2の指(人差し指)から始めるよ。
指先を少しずつ手前に引き寄せていくと、手にアーチができただろう。簡単だ!
同じことを3の指(中指)そして4の指(薬指)でもやるよ。
4の指、気をつけて!他の指と同じように、丸くするんだよ。
指を全部アーチにできたら、その鎧をつけた手を膝から鍵盤に移動させるよ。
指はどれも弓なりに曲がっているかな?小指はまっすぐ立っているかな?親指は人差し指とOの形をしているかな?
もしYesなら、手はちゃんと鎧がついているみたいだ。鍵盤に置いても、この形をもう絶対に忘れてはいけないよ。
1.第1関節を手前に引き寄せていく
2.もっと引いてごらん。第2関節も立ち上がってくるだろう。
3.今度は手の頂点を立ち上げるんだよ。これで最後の関節を築き上げたことになる。最後のステップ、それは第3関節(中手骨)だよ。
骨と骨の仕組みを使って、手のアーチを築き上げたね、ブラヴォー!
鎧をつけた手、知ってるよ!
鎧をつけた手を鍵盤に置いたら、何音か弾いてみて、何が起こっているのか、もっと近づいて見てみよう。
どの指も、弾く前にはアーチの形を保っておくんだよ。指先に意識を集中しているときだけ、その形を守ることができるんだ。というのは、建物でも、揺るがないしっかりした基礎の支えがなければ、柱は立たないし良い構造も得られない。もしその基礎がもろいと、建物のすべてが崩れてしまう危険性があるんだ。
そして指は、音を押しこむのではなく、自分の方へ引き寄せるんだ。はじめに膝の上でやったようにね。そうすればアーチの形を保ち続けられるだろう。
鎧をつけた手を持つということは、つまり音を押しこむのではなく「取る・つかむ・とらえる」ということなんだ。
音を鳴らすとき、指は立ち上がり、音を「つかんで」いるんだよ。
片手ずつ、単音で簡単な音をいくつか弾いてみよう。鳴らす前に少し指を上げて、鍵盤に置いたら自分の方へ引き寄せるように押す… だんだん慣れてくるさ。すぐに指を離してしまわないで、音を鳴らしている指がアーチの形を保てているか、しっかり注意しよう。他の指でもやってみてごらん、もう片方の手もね。
少しずつ、鍵盤を「つかんで」弾くことができるようになったね。何よりも音を鳴らすとき、指が安定して、鎧をつけられるようになった!ブラヴォー!
手が疲れたなと思ったら、無理して続けずに休めてくださいね♪ (岡田真季)
本内容は、Marie - Christine Calvet氏の著作「Sur les traces de Scaramuzza」を、本人の許可を得て岡田真季が日本語に訳してお届けしています。無断で内容を改ざん・コピーするなどの行為はご遠慮ください。挿入イラストは「いらすとや」から拝借しました。手のフォームのイラストは岡田真季がトレースしました。
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