スポーツ思考から「北京冬季五輪の政治的メッセージ 〜プーチンと金正恩〜」
北京冬季五輪が粛々と?!開会した。東洋的な美学を感じる開会式
は秘められた炎を雪の中に閉じ込めた。チャンイーモウ監督の演出
には哲学と美学が相乗し一つの愛を奏でていた。中国が一党独裁で
権威主義で人権蹂躙していると言われる中、たとえ一人でも、この
開会式に自然と人間への温かいな思いを込められる人が中国にいる
というだけでも救いがある。
五輪が開催されるということが人々の思想の裏側を表象する。それ
は、世界の政治的立場にも作用し、影絵のようにその思惑を映し出
す。
北朝鮮の金正恩総書記が中国の習近平国家主席に「保健分野におけ
る世界的な危機と、過去に例のない厳しい状況の中でオリンピック
が成功裏に開幕するのは、社会主義中国が成し遂げた大きな勝利だ」
と祝電を送り、ロシアのプーチン大統領は開会式に出席した。前日
に習主席との会談を行い「新時代の国際関係に関する共同声明」を
発表し両国の親密さが表象された。
政治的視点では、中国と政治的関係が良好な国が北京五輪を祝する
事象に過ぎない。まさか五輪が特別に政治的な作用を及ぼしている
とは見えまい。
しかし、オリンピズムの視点からは、五輪の休戦思想がこの状況に
大きく働いていると見える。北京市で開催されるオリンピックを実
現するために、オリンピック憲章とオリンピック精神を保証しなけ
ればならない習近平は、少なくとも大会期間中に戦争状況を起こさ
せたくはない。
ここから先は
858字
¥ 100
サポートいただければ幸いです。いただいたサポートはクリエーターとしての活動費にさせていただきます。