春日良一

上智大学哲学科卒。体協、JOCを経て、スポーツコンサルティング会社「ゲンキなアトリエ」を設立。同代表。スポーツイベントプロデュース、アスリートサポートを手掛ける。メルマガ「スポーツ思考」を主筆。五輪専門家としてテレビ出演、執筆にも活躍中。

春日良一

上智大学哲学科卒。体協、JOCを経て、スポーツコンサルティング会社「ゲンキなアトリエ」を設立。同代表。スポーツイベントプロデュース、アスリートサポートを手掛ける。メルマガ「スポーツ思考」を主筆。五輪専門家としてテレビ出演、執筆にも活躍中。

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スポーツ思考録 批孔 子曰く、未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らんや。スポーツ思考曰く、死を知りて生を知る。未だ死を知らず、焉んぞ生を知らんや。スポーツとは死の学習の場である。故に生を知る場となる。孔子はスポーツを知らぬ。スポーツ音痴という他はない。 明日香羊

    • 世界平和構築へのNOCの役割 その2〜国連総会でのバッハIOC会長スピーチから〜

      今月初旬、国連総会は、「持続可能な開発の促進者としてのスポーツ」と題した決議を193の全加盟国のコンセンサスで採択し、スポーツが持続可能な開発に果たす役割を重要とする決意を表明した。 決議A/79/L.10である。オリンピックとパラリンピックが差別のない平和的な競技を通じて世界を一つにするという「共になる」使命を支えるものだ。 国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長はこれを受けて11月12日国連総会で演説した。来年に任期を終えるバッハにとって恐らく国連での演

      • 世界平和構築へのNOCの役割〜ANOC年次総会でのバッハIOC会長スピーチから〜

        10月30日ポルトガルはカスカイスでANOC(国内オリンピック委員会総連合)の年次総会が開催された。各国や各地域にある国内オリンピック委員会(NOC)が年に一度一堂に介してオリンピック運動を語り合う場である。今回は第27回目の総会となった。その席でバッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が行う挨拶に私は注目していた。 というのもパリオリンピックが閉会し、オリンピック休戦を主張してもウクライナの戦争もガザの紛争も終わりを見せていない状況について、私なりの分析をし、オリンピッ

        • 選挙活動のモラル〜IOC会長選挙指針に学ぶ〜

          10月15日の衆議院の解散によって衆議院議員の小選挙区選挙と比例代表選挙が、10月27日に行われる。政党各党選挙活動に精魂費やしているが、彼らの訴えを聞く度に気分が悪くなる。その原因を追求してみて気がついたのが、誹謗中傷合戦となっているからだ。 ソーシャルメディアで誹謗中傷がやっと問題視されるようになったが、政党代表による演説が他党を批判することについては当然のように容認されている。彼らは「批判だ」と言うかもしれなが、批判というのが自己の主張を展開するためのものであるのに対

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        スポーツ思考録 批孔 子曰く、未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らんや。スポーツ思考曰く、死を知りて生を知る。未だ死を知らず、焉んぞ生を知らんや。スポーツとは死の学習の場である。故に生を知る場となる。孔子はスポーツを知らぬ。スポーツ音痴という他はない。 明日香羊

          ガザ紛争を考える〜オリンピック休戦の利用方法〜

          パリ五輪のオリンピック休戦はイスラエルの政治を変えることはできなかった。ロシアの政治も変えることができなかったように。 10月17日イスラエルはハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワルがイスラエル軍によって殺害されたと発表した。昨年10月7日のハマス武装集団によるイスラエル襲撃では約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。その首謀者とされたシンワルが殺害されたことで、ガザ紛争は一つの転換点を迎えているが、イスラエルとパレスチナの問題は根本的に混沌としている。 私は197

          ガザ紛争を考える〜オリンピック休戦の利用方法〜

          秋風荒ぶ日本の五輪運動〜オリンピックの費用対効果〜

          やっと小さな秋が見えてセンチメンタルな感情にひとときの安息を思う。そこにどこからともなく秋風が吹いてきた。スイスはローザンヌの方からだった。 10月1日にブリヂストンが今年限りでオリンピックの最上位スポンサー(TOP)を降りると発表した。トヨタ、そしてパナソニックに続いて「石橋お前もか?」と逆説的ギャグの一つも言いたくなる。(ブリヂストンの創始者石橋は自らの名前を逆立ちさせて会社名とした)2014年にブリヂストンはまさに「石橋を叩いて」TOPに参入したのだった。前年の東京五

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          バッハの最期の一刀〜年齢制限の逆手切り〜

          9月15日に候補者届出が締め切られた国際オリンピック委員会(IOC)会長選挙の行く末を私は9月20日発売の日刊ゲンダイ9月21号に特別寄稿した。恐らく裏表紙トップを飾る渾身のコラムだったが、スーパースター大谷翔平が51−51を達成し、「初の」50−50クラブを創設した彼の偉業が掲載紙の表も裏も飾った。完敗?!である。 しかしコラムの内容はまさにこれからIOCに起こるだろう「初の」歴史的事件を予見するものであった。五輪史上「初の」女性会長、「初の」アフリカ出身会長、「初の」ア

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          ゲンダイ9月21日号『「IOC会長選でバッハの後継は?日本人も初名乗り、五輪史上初「大きな出来事」の可能性も』が掲載された。IOC会長戦の分析。発売日前日、大谷翔平選手が51−51を実現し、我が渾身の特別寄稿も中に封じ込まれました。 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/360853

          ゲンダイ9月21日号『「IOC会長選でバッハの後継は?日本人も初名乗り、五輪史上初「大きな出来事」の可能性も』が掲載された。IOC会長戦の分析。発売日前日、大谷翔平選手が51−51を実現し、我が渾身の特別寄稿も中に封じ込まれました。 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/360853

          本日発売の日刊ゲンダイに特別寄稿しました!「IOC会長選の行く末」について分析しています。短いコラムで複雑なスポーツポリティクスを表現するのに苦心しました。是非、買ってみてください。

          本日発売の日刊ゲンダイに特別寄稿しました!「IOC会長選の行く末」について分析しています。短いコラムで複雑なスポーツポリティクスを表現するのに苦心しました。是非、買ってみてください。

          パラリンピックの勝利至上主義〜オリンピックのパラレルワールド〜

          パラリンピックのスピードはオリンピック以上だ。もちろん期間の客観的長さの違いにもよるが、時間は相対的である。パリオリンピック・パラリンピック組織委員会(COJO)のパラリンピックへの集中度がこの相対性に影響しているように思われる。3回のオリンピックを経験しているパリにとってもパラリンピックは初体験なのである。その初々しい向き合い方が充実した時間を生み出していたのかも知れない。 国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長もCOJOのトニー・エスタンゲ会長

          パラリンピックの勝利至上主義〜オリンピックのパラレルワールド〜

          2024パリ五輪 徹底!実践五輪批判 最終話 渡辺守成氏はバッハに「I LOVE YOU!」…次期IOC会長の有力候補2人は両極端だ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/359794 今後のIOCを見つめる視座

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          パリはまだ燃えている 〜ロシア人ジャーナリストは消された〜

          パリ五輪は閉会したが、明日(日本時間8月29日午前3時に開会式)からパリパラリンピックが始まる。オリンピック休戦期間はパラリンピック閉会7日後までであるから、休戦の実現をまだ諦めてはならない。呼びかける声を消してはいけない。  バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長は閉会式で「戦争や紛争で分断された国同士であっても互いを尊重し、平和の文化をつくった。世界中の何十億もの人々は心を動かされた」オリンピックは平和と作り出すことはできないが、平和が何であるかをデモンストレーショ

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          五輪の友情を保つために 冷静かつ有効な論説だと思います

          五輪の友情を保つために 冷静かつ有効な論説だと思います

          徹底!実践五輪批判 「終わらないメダル狂騒曲…選手の頑張りを東京五輪汚職を洗い流す『メダルウォッシュ』にしてはいけない」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/359448

          徹底!実践五輪批判 「終わらないメダル狂騒曲…選手の頑張りを東京五輪汚職を洗い流す『メダルウォッシュ』にしてはいけない」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/359448

          オリンピック選手村のこと〜そこは本来聖苑であった〜

          パリ五輪最終日に行われた日本代表選手団の総括会見を見ていると今回の選手団の雰囲気がほのかに伝わってきて面白かった。私が選手団本部で頑張っていた頃からもう30年も経っているので、何をか言わんやと思われるだろうが、あの独特の雰囲気はおそらく1932年のロサンゼルス五輪からも変わっていないのではないか? バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が再三強調するように選手村はオリンピック理念の肝である。世界から集まった選手たちが共に暮らし、交流を深め、友好を分ち、人類のハーモニーを

          オリンピック選手村のこと〜そこは本来聖苑であった〜

          徹底!実践五輪批判 第15話 「上機嫌で自画自賛のIOCバッハ会長が忘れてはいけない 国家と政治を超えた選手の姿」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/358847 アップするのを失念していました。

          徹底!実践五輪批判 第15話 「上機嫌で自画自賛のIOCバッハ会長が忘れてはいけない 国家と政治を超えた選手の姿」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/358847 アップするのを失念していました。