![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154997808/rectangle_large_type_2_51c94dc189c3ed2e808f6f6979221329.jpeg?width=1200)
ケンタッキー・チキンフィレバーガー作りに挑戦
カーネル・サンダースをはじめて見たのは、ブラウン管のなかだった。
いま、まさに道頓堀に投げこまれる姿だった。
白いスーツが放物線をえがき、黒い河に飛びこみ、どぼんと音をたてた。
残酷なことをする、と幼心におもった。
そののちに、駅のちかくにカーネル・サンダースが笑顔でたっていることに気づいた。
そして、大学の授業でカーネル・サンダースの伝記を読んだ。
順風満帆な人生なのかと思っていた。けれども、カーネル・サンダースの人生の前半は、きびしいものだったと知る。
カーネル・サンダースが運営していたレストランやガソリンスタンドは順調だったが、さまざまな不運がかさなり破産した。
そして、アテにしていたもらえる年金がすくないとカーネル・サンダースは知った。
あかん、これでは暮らしていけない。
そこで、レストランやガソリンスタンドで好評だったフライドチキンのレシピを売ることを思いつく。
カーネル・サンダースは、世界中を歩きまわりレシピをひろめた。
その結果、鶏が羽をひろげるように、ケンタッキーは全世界にひろがった。
どこかの日本の議員が、「年金は80歳から」とのたまわった。
われわれ日本人もカーネル・サンダースのように生涯現役でいる覚悟をもたねばならぬ。
話かわって、頭と手を日常的につかっていると、ボケないといわれている。
人生80年にそなえ、頭と手をうごかしてみようと考えた。
そこで、いままで作ったことのない料理作りに挑戦してみようと思う。
ケンタッキーさんからのお題だ。であるならば、やはり、もっとも有名なフライドチキンを再現するべきか、と思った。
けれども、ケンタッキーさんのフライドチキンは、圧力鍋をつかい調理している。
一般人が、圧力鍋で揚げ物をクッキングすると御用されてしまう。
なにか、ほかに挑戦しがいのあるメニューはないかとケンタッキーさんのHPをながめていた。
ケンタッキーさんは、ハンバーガーも提供されていた。
そこでケンタッキーさんの、チキンフィレバーガー作りに挑戦してみる。
バンズ作り(魚焼きグリル使用)
まずは、ハンバーガのパン。パンといわずに、パンズというそうですよ。
パンが、ふたつ。英語は複数形にSをつける。
だから、パンズになるのか、それは知らない。
noteを読まれたかたに教えてもらいました。
Paではなく、Baだと、つまり、パンズでなく、バンズです。
![](https://assets.st-note.com/img/1726812520-eUMV430Evy5lZx1IrpTznFGk.jpg?width=1200)
バンズをつくったはずが、オヤキができた。
バンズをふくらますには、イーストが必要だと、挑戦することで知った。
気をとりなおして、ふたたびバンズをつくる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726812591-aUPqzg4X825EniNv7JZ0OTGo.jpg?width=1200)
強力粉:100g
牛乳:60g(人肌に温めておく)
塩:ひとつまみ
砂糖:大さじ1
バター:大さじ1(溶かしておく)
ドライ・イースト3g
ドライ・イーストをいれないと生地は膨らまない。
ドライ・イーストをいれないと、異世界転生した主人公が食べて閉口する硬いパンになる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726812744-AN8thEZmfL0oDBkrUiPYl69s.jpg?width=1200)
はじめのうちは、ねちょねちょするので、ゴムベラや木べらなど生地をはがしやすい用具で混ぜるとよい。
![](https://assets.st-note.com/img/1726813157-MpUb8r73aDAcFg6yZTmilPxn.jpg?width=1200)
生地をまるくまとめる。
生地の表面が、ぼこぼこしていても大丈夫。
時間とドライ・イーストが、生地の表面を美容整形するように滑らかなものにしてくれる。
乾燥しないように濡れ布巾をかぶせたり、密閉容器にいれたりしたのち生地を寝かせる。
できれば、20~30度ほどの暖かい場所で熟成させると、ドライ・イーストが元気に活動してくれる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726813333-KGjzisfJ2ENLY3Ix80Wo4FgX.jpg?width=1200)
1時間から2時間後、生地のなかの空気がふくらみ、倍ほどの大きさになる。
生地のなかの空気をぬく。ぷしゅ~っと音が聴こえてくる。
バンズ作りで一番たのしい工程かもしれない。
![](https://assets.st-note.com/img/1726813412-VwQkC6x7pAd3UOaP0GeT4z5h.jpg?width=1200)
まるく整えた生地を二次発酵させる。
いきなり焼きにかかってもらってもかまわない。
魚焼きグリルを強火で10分ほど温めたのち火を消した。
魚焼きグリルにいれバンズの生地をいれ30分ほど寝かせた。
![](https://assets.st-note.com/img/1726813894-Vb2mkzUcS1KiMOgCEdwPvteL.jpg?width=1200)
二次発酵させた生地を焼いていく。
アルミホイルをかぶせないと上部が炭化してしまう。
魚焼きグリルで15分焼いた。
魚焼きグリルの性能や火力のちがいから焼く時間は変わる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726813987-gMEeZWz61VSOUn9iJ5ANsKbk.jpg?width=1200)
焼いたバンズは、半分に切っておく。
チキンフィレ作り
![](https://assets.st-note.com/img/1726814431-MTZYruUoRG29VijmQ4Pvt6l8.jpg?width=1200)
おそらく、チキンフィレは胸肉だろう、ということで鶏の胸肉をつかう。
鶏の皮は、はいでおく。
![](https://assets.st-note.com/img/1726814478-Zex3Q68KnqgNsILhTjDAvcXE.jpg?width=1200)
鶏の胸肉を柔らかくしあげるために、胸肉に穴をあけておく。
フォークなどお家にある用具をつかってね。
胸肉をたたいて柔らかくする方法もある。
けれども、ケンタッキーのHPの写真をみるとチキンフィレはブ厚い。
そこで、たたく方法は選択せず。
![](https://assets.st-note.com/img/1726814641-vDyCHlhSgrMEapcUYwnxL6ue.jpg?width=1200)
穴をあけた鶏の胸肉をビニール袋にいれる。
そして、鶏の胸肉をしっとりとした肉質に変身させる魔法の水もビニール袋にいれる。
魔法の水とは。ブライン液とよばれるものです。
ご家庭にあるもので作れますのでご安心を。
水:100gに塩と砂糖5gをいれて作る魔法の水。
200gであれば、塩と砂糖は10gいれる。
この魔法の水に漬けこんだ胸肉は、温泉からあがった肌のようにしっとりする。
そしてパサリ、バサバサといった鶏の胸肉にありがちな擬音語は、針が落ちた音ほど聴こえなくなる。
長いあいだ漬けこめば漬けこむほど、鶏の胸肉はしっとりと潤む。
魔法の水がこぼれないようにビニール袋をしっかりととじる。
そして、ビニール袋ごと冷蔵庫にいれ、鶏の胸肉を魔法の水に半日ほど漬けこんだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726815707-apvi32PA1GI8jLgko5ZNU67H.jpg?width=1200)
つぎに魔法の水に漬けこんだ鶏の胸肉をビニール袋ごと沸騰したお湯にいれる。
グラグラと沸騰させる必要はない。
鍋肌に細かい泡がでてきたら火をとめる。鍋にフタをする。
さらにお湯が冷めないように、鍋を毛布などでくるむ。
ゆっくりと鶏の胸肉の芯まで火をとおす。
鶏胸にあらかじめ火をとおしておき、さっと油で揚げる作戦である。
衣に色さえつけばよい。高温の油で鶏の胸肉が、パサパサになることがないのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816086-ELwgnoAVKNet4skMBbpZj6Or.jpg?width=1200)
しっかりと中央まで火がとおったのを確認する。
そして食べやすい大きさに切りわける。
鶏の胸肉のなかまで火がしっかりと通っているか確認しよう。
赤色、桃色だったときはもう一度ゆでる。
つぎからの作業が、もっともメンドクサイ。
鶏の胸肉を液体につける、つぎに粉をまぶす作業にとりかかる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816172-t4mx98UXjyb1cZdnwNgDVQ63.jpg?width=1200)
米の粉と水で天ぷら粉のような液体をつくる。
作った感想としては、粉の分量をおおめにしたほうが、ケンタッキーのようにザクりとした食感の厚い衣になる。
米の粉は、強力粉をつかってもらってもかまわない。
米の粉は、グルテンがすくない。冷めてもベトベト、ベチャベチャにならず、パリッとした食感を維持してくれる。
米の粉をつかうメリットとして、水を冷やしておいたり、炭酸水をつかったり、ビールを使う必要がないことがあげられる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816266-xXloVyjBPvIDQgA6hUqM3NWn.jpg?width=1200)
つぎに鶏の胸肉にまぶす粉は、強力粉をチョイス。
そして、家のなかにあるだけの香辛料や調味料をかきあつめる。
ケンタッキーのホームページには、11種類のスパイスを使用と書かれているが、わが家にはこれだけのスパイスしかなかった。
五香粉はあったのだけども、いれてしまうとアメリカンから中国料理になってしまうのでいれず。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816577-hcz51xNXbEtT2n6JdWi9GyBP.jpg?width=1200)
強力粉と香辛料をボウルにいれる。
分量は、お好みで。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816611-bv82HyTcRzIfxa74wthNG63B.jpg?width=1200)
チリパウダーとパプリカ、一味などをたくさんいれるとスパイシーチキンフィレになる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816718-uKnO3sfcYl5SPiq0TFr8HZN4.jpg?width=1200)
さて、ここからの調理手順は、鶏の胸肉に米粉を水でとかしてものにつける。
つぎに、強力粉と香辛料をまぶしつける。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816765-WPLAHc42bNXesjGTJd8kBIh9.jpg?width=1200)
液体につけ、粉と香辛料をまぶした鶏の胸肉を180℃の油で揚げる。
鶏の胸肉のなかまで火がとおっている。
なので、衣が狐色になれば鶏の胸肉を油からあげる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726816967-IVcud5KC64fWogqJF3Lnx1v9.jpg?width=1200)
肉厚のチキンフィレ。
このまま食べてもらっても十二分においしい。
11種類にはとどかないが、香辛料の香りが、つんつんと舞い。
衣はパリッと軽快な音をたて跳ねる。
鶏の胸肉は、ふっくらと充実している。お汁たぷんたぷん。
歯が音もたてずに、肉厚な胸肉に沈みこむ。
衣と香辛料と混ざりあい、丸い円がとじるように、チキンフィレの味は完成する。
にんにく醤油チキン
![](https://assets.st-note.com/img/1728180060-BsTx45Jm0Fji7ArDOdZSfuHo.jpg?width=1200)
ブライン液のかわりに、ニンニクとすりこみ、醤油をいれると、にんにく醤油チキンになる。
そして、胸だけでなく、モモでも作れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1728180082-Wa8CnV1i7HbPmxD5XgwfsRoJ.jpg?width=1200)
醤油がもれないように、しっかりと袋をしめておき、モモ肉をビニール袋のうえからモミモミしておく。
3時間から半日ほど醤油とにんにくの風味を鶏肉にしみこませておく。
![](https://assets.st-note.com/img/1728180112-gJXpN3hM8j7cyzDYvd4FfqrQ.jpg?width=1200)
そして、70℃ほどのお湯のはいった鍋にしずめ、ゆっくりと火をとおす。
![](https://assets.st-note.com/img/1728180131-32qlwVOsYMD95zPjpQLtxuaE.jpg?width=1200)
衣は、ハーブをいれずにシンプルなものをまぶした。
![](https://assets.st-note.com/img/1728180157-WfcvNupTnGi7FAwbYdxESRQe.jpg?width=1200)
180℃に熱した油に、衣をつけた鶏モモ肉をいれる。いい塩梅の色になるまで揚げる。
![](https://assets.st-note.com/img/1728180176-ivP4w87DHfOL5JCF6aZzbmXQ.jpg?width=1200)
にんにく醬油チキンの出来上がり。にんにくと醤油、チキンがあれば、にんにくと醤油が焦げた香りが漂うチキンをお家で堪能できる。
チキンフィレバーガーをしあげる
チキンフィレバーガーはシンプルな構成だ。
マヨネーズとレタス、そして、チキンフィレ。
マヨネーズは、公式HPでオリーブオイルいりマヨソースと書かれている。
![](https://assets.st-note.com/img/1726817234-R0PXcKdl6iyIF7OE8bhWeCLN.jpg?width=1200)
オリーブオイルだけでとすこしクドく感じられた。
ワインビネガーを少量たらしこんだ。
ペッパーなどをくわえてもいい塩梅になると思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1726817319-MYEvwhjrOk7u0Gl5SdBVf431.jpg?width=1200)
パンズは、よくいえばドイツのパンのように堅牢。
わるくいえば、ボソボソしている。
食べごたえがあり、お腹が猛烈にふくらむ。
堅牢なパンズのすきまに、ソースがしみこむ。
スパイシーな微粒子の香りが、バーガーのうえを舞う。
さらに、揚げ物から発せられるあの蠱惑的な香りも漂っている。
堅実なパンズと柔和なチキンフィレ。
OUTはかたく。INはやわらかい。
がっしりとした食感のあとには、やわやわなチキンフィレのほどけるような柔和な食感がある。
朴直、実直なパンズと穏健、温柔なチキンフィレの対比の妙。
挑戦してわかったこと。
ドライ・イーストをいれないとパンはふくらまない。
11種類の香辛料をそろえるのは大変。
液体をつけて、衣をまぶし揚げるのメンドクサイ。
家でもチキンフィレバーガーを作ることはできる。
さいごに、一言。だれか、このレシピを買いませんか?