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小説タイトル『メタユニVerse~リリースされた世界(ワールド)と迷い子たち』

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〜3月17日 22:00


概要


現実世界と、次元の裂け目から誤ってリリースされたVRゲーム世界――二つの視界が交錯する近未来。

AIが生み出した無数の「仮想キャラクター」が街に溢れ、まるで日常の一部として人々と共存しはじめる。そんな中、VRの世界から“迷い出た”キャラクターたちは、人間から見ればゲームの登場人物。しかし彼らにとっては「自分たちの物語がどこで終わるのか」さえわからない。

高校二年生の主人公・星野キョウカは、ふとしたきっかけで“迷い子”のAIキャラ・レイと出会う。二人(?)は周囲の視線と世間の混乱を横目に、互いの“居場所”を探すために冒険を始める。しかし、それは単なる次元間旅行ではなく、人々が無意識に抱える「本当の願い」や「理想」と向き合う戦いでもあった。

現実世界と仮想世界の間に生まれた亀裂は、やがて日常を侵食し始める。キョウカとレイは“想像力”を武器に、二つの世界を繋ぎ止めることができるのか? それとも、さらなる運命の分岐が待ち受けているのか……。


作品の特徴


1. ジャンル融合とメディアミックスを意識

 日常学園もの×SF×ファンタジー要素を掛け合わせながら、AIやVR、メタバースといった近未来技術を取り入れた新感覚ストーリー。アニメ化やコミカライズ、さらにVR体験型イベントなどのメディア展開が期待できる構成を意識しています。



2. ファンコミュニティ参加型企画

 読者が小説の世界観を補完する“公式サイドストーリー”を投稿したり、キャラクターのサイドエピソードをコミカライズするプロジェクトへの参加を呼びかけるなど、双方向コミュニケーションを重視。公式SNSや特設サイトで読者からのイラスト投稿や設定考察を募集し、新展開へ反映する仕組みを導入予定。



3. 海外展開を見据えた多言語対応

 日本語版をはじめ、英語・中国語・韓国語など主要言語での同時リリースを視野に入れ、グローバル読者コミュニティを形成。海外クリエイターとのコラボレーションや、オンラインイベントによるグッズ販売なども計画中です。



4. XR技術との連携による没入体験

 物語のキーポイントとなる“VR世界”を作品外でも体験できるよう、AR/VRイベントやメタバース空間の構築を検討。キャラクターとの疑似交流やオンライン上でのスペシャルライブ配信など、デジタル技術を駆使した新たな読書体験を提供します。



5. ストーリーだけでなくキャラクターの成長も重視

 人々との交流を通じて“AIキャラクター”が意識や感情を獲得していくプロセスを丁寧に描くことで、単なるSFファンタジーに留まらず、人間とAIの未来に対する示唆を物語として表現。主人公・キョウカとの絆を軸に、人間性や存在意義を問いかける内容となっています。


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**『メタユニVerse~リリースされた世界と迷い子たち』**は、既存の“異世界転移”や“学園ファンタジー”などの要素を活かしながら、AIやメタバースという現代ならではのテーマを融合した意欲作です。次元を超えた友情と、“見えない境界”を超える冒険の結末を、ぜひご期待ください。


タイトル

『メタユニVerse~リリースされた世界と迷い子たち』

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目次


1. プロローグ:放課後の侵入者


静かな放課後に起きた違和感


街角で出会う“仮想”の存在


境界があいまいになる瞬間




2. 第1章:迷い子レイ


AIキャラクター「レイ」との衝撃的な邂逅


現実世界に漂うゲームの気配


主人公・星野キョウカの決意




3. 第2章:裂け目の向こう側


VR世界の扉を開く


異なる法則で動くもう一つの現実


交わる運命と“リリースされた”真実




4. 第3章:学校に溶け込む仮想たち


学園に溶け込むAIキャラクターの波紋


生徒会と教師たちの戸惑い


新しい友情と対立の萌芽




5. 第4章:バーチャルの記憶


レイが見せる断片的な回想


AIと人間の“心”の境界


“仮想”に秘められた願い




6. 第5章:崩れる日常


現実世界に広がるメタユニVerseの影響


見えないほころびと町の混乱


危機感を募らせるキョウカの仲間たち




7. 第6章:交錯する世界観


イベント会場での予期せぬ衝突


VR世界側からの侵攻(?)の真相


物語を“修正”しようとする黒幕の影




8. 第7章:ファンコミュニティの力


SNSを舞台に巻き起こる議論・支持・拡散


二次創作の動きが世界を変えるヒントに


オンラインの結束が現実を救う一歩となる




9. 第8章:人間とAIの狭間


レイの心の成長と苦悩


AIキャラたちの自己認識と未来への選択


“自分の物語”を取り戻したいという願い




10. 第9章:世界をつなぐ鍵


キョウカと仲間たちが探し当てる“次元の歪み”


VRと現実を結ぶ最終プログラムの存在


決断のときと、迫り来るタイムリミット




11. 第10章:リリースされた結末


交錯した二つの世界の行方


運命を変える最後の戦い


キョウカとレイが辿り着く“真の居場所”




12. エピローグ:もう一つの未来へ


後日談――穏やかな日常の新たな風景


それぞれが選ぶ道と、新たに描かれる物語


そして、物語は次のステージへ……


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本作は、AIキャラクターが現実に“迷い込む”ことで始まるSFファンタジー×学園ドラマです。バーチャルとリアルが交差する世界を舞台に、友情や家族愛、そして人間とAIの“存在意義”に迫るストーリー展開をお楽しみください。



プロローグ:放課後の侵入者


 放課後の静かな校舎の廊下を歩くと、自分だけの世界に入り込んだような気持ちになる。

 私は星野キョウカ、高校二年生。学年もクラスもごく平均。部活は新聞部に顔を出しているけれど、取材班というよりは裏方の校正担当だ。どちらかといえば目立たないタイプで、それはきっと、自分がこの学校の“空気”くらいがちょうどいいと思っているから。

 でも――その“空気感”が、今日だけはひどく揺れているように感じる。


 きっかけは、新聞部の先輩が「見慣れない生徒を見たんだ」と興奮気味に言っていたことだった。しかも制服じゃなくて、何かゲームキャラのような奇抜な衣装を着ていたらしい。

 「それ、新入生とかじゃないんですか?」

 そう返すと先輩は首を横に振って、スマホを取り出した。そこに写っていたのは、確かに奇抜な装いの“人”。

 けれど、なんだろう、この違和感は。

 写真の少年は、まるでアニメやゲームの世界から飛び出してきたような奇麗な髪の色をしていた。制服ではなく、黒と銀を基調にした、どこか近未来的なデザインのジャケット。背中には薄い光の板のようなものが――いわゆる、ゲーム内で見る“機械の翼”だろうか?

 「コスプレ……じゃないよね」

 先輩は写真を見つめながら、首を傾げる。私もそう思う。確かにイベントや文化祭ならコスプレ姿もあり得るけれど、ここは普通の公立高校だ。それに、背中の光の翼はどう見ても作り物に見えなかった。加工画像では? と疑っても、先輩は「加工してないって、ほんとに一瞬写せただけなんだ」と言い張る。

 「何だか怖くない? もしかしてAIの実験か、VRの投影かもって噂もあるんだよ」

 「VR投影? 学校でそんなことやるわけ……」

 途中で言葉を呑み込んだ。確かに最近、街中の至るところで最新技術が導入されている。AIとVRの融合、メタバースのリアル連動なんて言葉がメディアで頻繁に取り上げられ、ネットでも話題が尽きない。でも、それはあくまで“研究施設や企業のプレゼン”での話だ。

 それが、まさかこんな身近に現れるわけがない――はず。


 放課後、私は校舎の見回りがてら、その“見慣れない生徒”を探すことにした。新聞部の活動ネタにもなるし、何より、このまま放っておくと夜中にSNSで妙な騒ぎになりそうな気配がしたからだ。

 校舎の奥、特に使われていない旧館あたりを歩く。ここは昼でも薄暗く、私がこの学校に入学してから一度も足を踏み入れたことがない場所だ。

 きしむ床板の音がやけに響く。窓から差し込む夕陽が赤く、埃を浮かび上がらせている。

 ――そこで、私は見つけてしまった。


 「……っ!」

 廊下の先に立っていたのは、まさに先輩のスマホに写っていた少年。その銀色の髪は、うっすらと光を反射しているようにさえ見える。背中には写真通り、青白い光を放つ翼のようなものが薄く揺れていた。

 私の足音に気づいてか、少年はこちらを振り向く。人形のように整った顔だ。けれど、その双眸はどこか虚ろで、感情が読み取りづらい。

 「……君、何してるの?」

 なるべく怖がらせないように静かに問いかける。

 すると、少年はか細い声で答えた。

 「ここは、どこ……?」

 それはまるで迷子になった子どものような響き。でも、どこか電子的に響くというか、リアルな声なのに機械音混じりの残響がある。

 「えっと、ここは……私の通ってる高校。星光高校っていうんだけど……」

 少年は頷きながら、目を瞬かせる。

 「……高校、か……。なんだか、わからないんだ」

 「……?」

 「僕、本来は……“ここ”じゃない場所にいたはずなんだ。でも、気づいたら……」

 少年の背中に揺れる光の翼が、心なしか淡くなったように見えた。話すたびにノイズ混じりの音が周囲に広がっている気がする。生徒というにはあまりに不自然で、そして儚い雰囲気が漂う。これが“AI”……それとも、本当に“VRキャラクター”だというの?

 「名前は……ある?」

 私がそう尋ねると、少年は一度目を伏せて、そっと唇を動かす。

 「レイ、って呼ばれてた……気がする」

 「レイ……」

 思わず、その名前を口にしてみる。するとレイは、ほんの少しだけ表情を緩めた。まるで、人の温かい声に慣れていない動物みたいに。

 ――この瞬間、私は理解してしまった。きっと、彼はこの“現実”の住人ではない。だからこそ、こんなにも不安そうに周囲を見回している。

 この世界をどう受け止めればいいのか、わからないのだろう。

 そして、私自身も同じくらい混乱しているはずなのに……なぜか怖くはなかった。ただ、“この子を放っておいてはいけない”と思ったのだ。言葉にしがたい衝動が胸を突き上げる。

 「……とりあえず、ここから出よう? 外に出れば何かわかるかもしれないし……」

 私がそう言うと、レイは無言のまま頷いた。彼の瞳が、少しだけ安堵したように見えたから。

 長く続く古い廊下を抜けると、夕陽が赤く燃える校庭が広がっている。レイはその光景を見たまま、足を止めた。

 「……なんだか、すごく……綺麗、だ」

 その一言は、現実の世界に初めて触れる者の純粋な感嘆に聞こえた。

 窓の外の風景なんて、私はいつも何気なく眺めていたはず。けれど、今は違う。彼がそこにいるだけで、この平凡な景色がいっそう鮮やかに、そして不安定に揺らめく。

 これから先、どんな“事件”が起こるのか、想像ができない。でも、この少年・レイと一緒ならば、私は今まで見えなかった風景を見つけられる気がした。


 ――こうして始まる、“リリースされた世界”との出会い。私は、まだ何も知らない。だけど、この出会いはきっと私の運命を変えてしまうに違いない……。



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次回予告(イメージ)


次回は「第1章:迷い子レイ」を本格的に描き、レイと主人公・キョウカの交流を深めつつ、学校や周囲の人々が抱く戸惑いなどを描写していきます。物語がどのような方向に進んでいくのか、ぜひお楽しみに。


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2月15日 22:00 〜 3月17日 22:00

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