タイトル：ガラスの檻

リサが暮らす街では、すべての生活が「セキュア・データシステム」という巨大なシステムに管理されていた。街中にはカメラが張り巡らされ、個人の健康状態や感情までもが常に記録される。犯罪もほとんどなく、秩序は保たれていたが、リサはどこか息苦しさを感じていた。

ある日、道端に落ちていた一枚のチラシが目に入った。「自由な世界を取り戻すための集い」とだけ書かれたその紙に、リサは胸の奥で何かがざわつくのを感じた。

夜、リサは記された場所に向かった。廃墟のような建物に入り、集まっていた数人の男女と顔を合わせた。中心にいたのは鋭い目をした青年、アキラ。彼は、セキュア・データシステムが市民を守るどころか、自由を奪い、心まで支配するためのものだと語った。

「俺たちは、管理されるために生まれてきたわけじゃないんだ」

リサは彼の言葉に強く引きつけられ、システムの真実を探るため、彼の仲間として行動を共にすることを決意した。二人はやがて、システムが「危険分子」とみなした市民を秘密裏に消去していることを知る。それを暴露することで、監視から解放された世界を取り戻す計画を立てた。

夜が更けたある日、リサとアキラはシステムの中枢に潜入し、街中にメッセージを送信した。

「私たちは自由を取り戻す。あなたも真実の自分を取り戻して」

メッセージが街に流れた瞬間、システムはシャットダウンし、街には初めて静かな闇が訪れた。リサは息をつき、窓の外に広がる夜空を見上げた。

「これが、自由…」

彼女はアキラと共に歩き出した。明日からの街はきっと、監視の檻のない新しい世界に生まれ変わるだろう。

終わり