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歌詞は覚えられない
音楽は好きだが、歌詞はそれほど重要視しない。学生だったころ、お小遣いをためて買ったCDシングルやアルバムも、ほぼ歌詞を見ていなかった。せいぜいアーティストの写真を見るくらい。好きなアーティストを見つけるとよく聞くので、どんなことを歌っているのかは大体分かる。それで十分だった。
歌詞は、歌っている人の声にあわせて流れるもので、楽器の音色の一部のように感じている。
子供が受ける定期テストの音楽の教科。テスト範囲、テスト前にやっておくべきことが事前に知らされるのだが、音楽の試験内容に、校歌や校内の合唱コンクールで歌う曲などの歌詞をすべて書く問題が1題出ることになっていた。音楽記号や演奏時のルールを覚えるよりも、決まった曲の歌詞を覚える方がいいだろう、という考えなのかもしれないが、これは私が受ける側だったら、とても困ったと思う。曲は覚えているが歌詞を覚えてないので、1番と2番の歌詞が混ざったり、思い出そうとすると曲の記憶もあやしくなってくる。歌詞を大切に音楽を聴く人は、簡単なことなのかもしれない。
藤井風くんの音楽を、最近聴き続けている。久々にはまったアーティストで、聞こえてくる歌詞も新鮮に感じられ、歌詞も見るようになった。ライブにも行きたい。ただ、ライブに参加された方が、ある曲の歌詞を忘れてたみたい、とSNSで報告されてるのを見ると、みなさん歌詞を全部覚えているのか、と驚く。歌詞を覚えてないのにファンです、とは言えないのかもと少し落ち込む。大好きな曲でも、白い紙を渡されて歌詞を全部書ける?と言われたら書けない。
音楽の楽しみ方は、人によって異なるとは思う。私は心地よいと感じる音の中で、ゆらゆら揺れていたいのだと思う。子供のころ行った、流水プールで水に流されてフワフワしていた心地よい感覚。あの感じを求めている。