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菜の花を添えた春のポトフ


ポトフとは

ポ・ト・フ 『pot au feu』
なんとかわいい音のひびきだろう。
ポトフの『pot』は瓶とか何かを入れる鍋の意味。 
『au feu』は火の上に焚べるという意味で、火の上で鍋をコトコト煮た料理のこと。

フランスでは、昔は貧乏人が食べる料理とされていたけれど、18世紀頃に貴族の間でも食べられるようになったそうだ。

この『ポトフ』はフランス料理の基本の料理と言われていて、後にこのポトフから派生してオーヴェルニュ地方の『ポテ』や南仏の『ブイヤベース』が生まれたそう。

ポトフに使う材料は、例えば牛のすね肉とかテール、牛の骨髄、野菜はニンジン、玉ねぎ、蕪やじゃがいもなど。

これらをお鍋に入れてコトコトじっくり煮ていくだけの料理だ。
至ってシンプル。
でも、簡単だけど時間がかかる。
そして、スープが重くなりがち、、、と感じる。

そんなことで、そうではない自分好みのポトフを作ってみたくなった。

私にとって理想のポトフ

*長時間煮なくて良い
*肉の旨味がちゃんと残っている肉
*サッパリとして自然な旨味があるスープ
*食べ応えのある野菜

理想のポトフを作るためにやってみた事は以下の通り

1 時間短縮できたら

言うまでもなく、圧力鍋を使う。
時間だけでなくガス代の節約にもなる。

2 シンプルで美味しいスープにするには

大切にしていることは、固形スープといった化学的なものが入った調味料は使わないこと。
便利だけど、自然の旨味というより後味がしつこく感じてしまうから。

じゃあ何で出汁をとるか。
骨髄なんてそう簡単に手に入るものではないし

そんな時は考え方を切り替え、食べる素材そのものから出汁をとってみることにした。

まず、下準備として肉の処理をする。

肉をフォークなどでブツブツ刺して、重量の2%の塩を擦り込む
塩を擦り込んだ肉を穴が空いた受け皿付きのバットに入れ、一晩冷蔵で寝かせる。
(肉から出るドリップが下に溜まる仕組み。)

私はうっかり忘れて、2日ほど放置していたけど、その方がドリップがしっかり出でよかったみたいだ。
バットが無ければ、ペーパーで包んでジップロックなどに入れても良い。

1日以上おく場合はその都度ペーパーを取り替え、ドリップの臭みが付かないようにする。

肉はドリップをしっかりとっておけば、5日間ほど冷倉庫でねかせることができる。

いよいよスープ作り。

肉は150gの塊に切って香味野菜と一緒に圧力鍋へ入れる。

ここで使う香味野菜は、一般的には捨ててしまいがちな、例えばネギの青い部分とかパセリの軸を使った。
ついでに冷蔵庫でいつの間にか干からびでいたニンジン、ローリエ、粒胡椒も入れてみる。

ちなみにパセリは買ったらすぐに濡れたペーパーで包み、さらに保存袋へ入れておくと長持ちする。
パセリの軸も同様にこの方法で保存できるし、スープを作るときは重宝する。

肉と香味野菜が入った鍋に水を注ぎ、15分程加圧した後は圧が下がるのを自然に待つ。
冷める時に肉にもスープの旨みが染み込んでくれる大切な時間だ。
完全に冷めたらバットなどに移し、冷蔵庫へ一晩入れる。

翌日、白く固まった油を丁寧に取り除く。
ここは大事なポイント!
この余分な肉の油を取り除くことで、さっぱりとしたスープに仕上がる。

3 食べ応えのある野菜にするために

長時間野菜を煮ると煮崩れてしまうので、野菜だけ別に火を入れてみた。

バットの中から肉と香味野菜を取り除き、スープだけにする。
大きめに切った野菜を鍋に入れ、スープを注ぎ、野菜に火を入れていく。

あとは食べる直前に、肉と野菜を同じ鍋に一緒に入れて温めていただくだけです。

実際に作った工程はこんな感じです↓

春を感じるポトフのレシピ

材料:
豚肩ロース500g、塩10g、ネギの青い部分、パセリの軸、ニンジン1/2本、ローリエ1枚、粒胡椒10粒程
水600cc、じゃがいも3個、蕪3個、菜の花

作り方:

塩漬けした豚肩ロースの塊を150g位の大きさに切る

圧力鍋に肉、香味野菜(ネギの青い部分、ニンジン、ローリエ、粒胡椒を入れる


水 600ccを注ぎ、15分ほど加圧して、圧が下がり、冷めるのを待つ

冷蔵庫に一晩おいた状態の肉と香味野菜

肉と香味野菜が冷めたらバットに入れて冷蔵庫へ入れる。
一晩おくと、肉の油が白く浮き上がっているのでそれを取り除く

カブの皮を剥く。カブは切らずに丸ごと使う

じゃがいもも皮を剥き、水にさらしておく

蕪とじゃがいもを鍋に入れて、バットの中の油を取り除いたスープのみ注ぐ。
*この時、香味野菜は取り除き、肉は別皿へ取っておく。
スープで蕪とじゃがいもを煮る。

野菜が煮えたら、別皿にとっておいた肉を加える

お湯を沸かし、塩をひとつまみ入れて菜の花をさっと茹でる

ボウルにじゃがいも、蕪、お肉を盛り、菜の花を添える


春のポトフ

最後にオリーブオイルを一振りして緑の香りを足す。

作る工程は長いけど、隙間時間にやっておけばそんなに大変ではないと思います。
味付けは塩のみでとてもシンプル。
香味野菜の香りや蕪などの甘味も加わり優しいスープになりました。
ジャガイモはホクホクしていて、ハフハフしながら食べました。
心もあったまるポトフです。





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